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├2001年7月
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└2001年5月
夢のなか
【新潮社】
北原亜以子
定価1,470円(税込)
2005/11
ISBN-4103892137
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
清水 裕美子
評価:★★★
金曜時代劇のドラマにもなった慶次郎縁側日記シリーズ。心に沁みます。
隠居した同心・慶次郎と市井で暮らす人々の事件簿。仏の旦那・慶次郎と登場人物達は、事件にかかわった者の感情を解きほぐす。どう折り合いをつけるのか……つけないのか……それは時代と関係なく考えさせられる。愛と恋心の様々な形。
表題作となった『夢のなか』。稼がない男・倉吉と生活を針仕事で支える・おこま。夢のなかでは安定した暮らしを描くのに他の男との縁談は断る。「やさしいんですよ、倉さんは」声を荒げない、気遣ってくれる、それが一番大切だと思っている。亡くなったおこまの母の言葉が引用される「一年に三度や四度は、なぜこんな人の女房になっちまったのだろうと、後悔したりもするけどね」。男と女が長い時間をかけて「添う」ということに全てを満たす相手はなく、一番自分が望んでいる一点でいいということなのかな。お馴染みになった蝮の吉治。彼の気持ちを翻弄する『可愛い女』。稼ぎもなく暴力を振るう夫から逃げたい・おさきが吉治に頼みごとに来る。吉治の気持ちにホロリ。
読後感:いい映画を沢山見た気分
島田 美里
評価:★★★★
時代が変われば、女心も変化するのだろうか。江戸時代の女性ならではの、心の動きに触れたような気がした。
表題作「夢のなか」のおこまは、お針の内職で好きな男を支えている。優しいだけがとりえの甲斐性なしについていくなんて、今どきの女性ではありえない。理想の人を追い求めるのは、夢の中だけでいいと思っているのだ。やっぱり、高望みしない女にはかわいげがある。
一方、働き盛りの息子に先立たれてしまった身寄りのない女と、その女から金を奪った女がやがて心を通わせる「師走」では、女心が冬のいろりのように温かい。誰かを本気で叱れる気丈さと思いやりは、他人の人生を救うこともできる。
8つの話を読んでいる間、カメラのファインダー越しに、庶民の生活を眺めている気分だった。師走の町を吹き抜ける強い風や、日の光に照らされた隅田川の水などの情景に紛れて、江戸の女のせつなさがゆらゆらと漂う。欲望をむき出しにしない女心は、まるで繭のように、人情という糸でしっかり包み込まれているのだろう。その慎ましさに少しあやかりたい気がした。
松本 かおり
評価:★★
本書が「シリーズ第九弾」、初めて読んだ。連続ものに途中から首を突っ込んだときに困るのは、人物設定や状況、過去のいきさつがまったくわからず、予備知識がないこと。たとえば「森口慶次郎」なる男、えらく人々に頼られているが何者なのか? なぜかくも慕われているのか? 肝心な点だろうと思うが、最後までスッキリしなかった。
女性名の紛らわしさにも参った。おとく、おぶん、おきわ、おふみ、おけい、おふさ、おくみ、おふゆ、おやえ、おれん、おみち、おこま、おちか、おしず、おてい、おりつ、おかよ、おたね、おらく、おひさ、おかつ、おさき、おしな……。全8編にこれだけ出ると頭も混乱、切り替え困難。ただでさえ時代劇が苦手の私には拷問だ。
オチがあるやらないやら尻切れのような、締まりのない終わり方もなんだかなぁ。それがお江戸情緒というのなら、私は風情を解さない野暮天か。いいさ、素直に認めよう。
佐久間 素子
評価:★★
NHKでもドラマ化された人気シリーズ慶二郎縁側日記の九作目。あらゆる意味で弱い人が主役であり、それぞれに希望が与えられる、優しい話ばかりである。つつましやかな幸せが痛いような人情ものである。ただし、一話よみきりの短編集だとはいえ、ある程度設定がわかっていないと、正直つらい。主要人物は、それぞれ、娘を自殺においこまれていたり、嫁を殺されていたり、親が犯罪者だったりと、相当に暗い過去をかかえている。だから、このシリーズを大きく流れるテーマは許しや再生であるのだろう。本書に関していえば、主要人物の事情は傍流でしかないのだが、むろん一つ一つの短編に深く影をおとしており、白紙で読み始めた私には、短編そのものの味わいがきっと半分くらいしか伝わってない。もったいなかったなあ。じっくり時間をかけて、登場人物の細やかな葛藤につきあうべき小説であると思う。少ないとは思うが、本書から読み始めるという方は、せめてドラマのHPなりで予習してから臨まれることをおすすめします。
延命 ゆり子
評価:★★★★
江戸時代。隠居暮らしの慶次郎の下へ様々な事件が転がり込んでくる。真面目に懸命に、時には愚かに生きている市井の人々が起こす現代にも通じるような事件。それが作者の目を通すと温かな人情噺へと変貌してゆく、その過程が心地よい。女癖の悪い男にも、身の程知らずな嫁き遅れた女にも、道を踏み外した悪人にさえ作者の柔らかいまなざしは平等に注がれている。
ただ、シリーズ第9弾というだけあってはじめて読む人には世界に入りにくい気もする。登場人物が多く説明が短い。知らぬ人がどんどん登場してきて戸惑う。話の筋を語る目線もコロコロ変わるので追いつくのに必死。すごく良い話で一緒に感動したいのはやまやまなんだけど、慶次郎の娘ってなんで死んだの? 慶次郎が背負い込んだものの重さってなに? 細かいところが分からないまま読み進めるのがもどかしい。長なわに入れないような焦燥感を味わいつつ読みました。
新冨 麻衣子
評価:★★★★
働きもせず暴力を振るう男と別れられない女、妻子ある男を追いかけ回す女、夫の本当の気持ちが知りたくてひと芝居うつ女……江戸も平成も男と女のいざこざは変わらんもんですねぇ。
一番<江戸の人情話>っぽいのは「師走」かな。年末に追いはぎにあってしまったおばあさんの物語なんだけど、これがいい話なんだよね。本当に江戸時代にはこんなふうに情の厚い人がゴロゴロいたんだろうか。現代からしたら夢物語のようだ。今なんて犯人に説教しようもんなら3秒でズドンとやられそうだもんなぁ。自分の美貌に自信があるばかりに婚期を逃してしまったおれんの物語「ふたり」も切なくて、とても好き。
江戸を舞台にした8つの物語はどれも、ちょっと切なくて心が温まる、あまり時代小説は読んだこと無いんだけど、これをきっかけに読んでみようかなと思った。