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├2001年8月
├2001年7月
├2001年6月
└2001年5月
ハートブレイク・レストラン
【光文社】
松尾由美
定価1,575円(税込)
2005/11
ISBN-4334924786
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
清水 裕美子
評価:★★★
現代日本のミス・マープルはファミリーレストランに静かに佇む。和服に真白な髪をお正月のくわいのような形に結っている(フィギュア的造詣の?)お婆ちゃん。ゆっくり唄を口ずさみながら糸のもつれをほどくように日常の小さな事件を解決していく。
ミステリーとして見れば謎解きにビックリはしない。ただ、誰も死なないミステリー類似本に「死なないけれど悪意満載、イヤな気持ち」みたいなものがある中で、悪ノリしない節度あるトーンが心地良い。つい、カフェでコーヒーを飲みながら……と、わざわざこの本を持って散歩に出かけたくらい。
モノトーンだった背景が仄かに色づいて優しい色合いに変わっていくように、少しずつ鮮明になる景色も好ましい。帯にあるように「恋愛ミステリー」なんだけど、主人公がもうちょっと色づいた続編を読みたいな。締切のあるお仕事の方には、煮詰まり感が痛いと書き添えておきます。
読後感:自走式目覚し時計って、欲しいなぁ
島田 美里
評価:★★★★
謎解きは、意外な人物がやってのけるほど難易度が高く見える。この物語で活躍するのは、お婆ちゃん。その上、幽霊というハンデ付きだから、存在がすでに離れ業なのだ。
技あり!と思ったのは、推理よりもその設定。幽霊お婆ちゃんと、フリーライターの真以がすんなり出会えるように仕組まれている。お婆ちゃんが出没する場所は、老舗の料亭じゃなくてファミレスだし、彼女の姿は、幸せな人じゃなくて幸薄い人にしか見えない。
こうして近づいたふたりの女がこっそりしゃべっていると、ファミレスの椅子も、まるで縁側のようだ。しかも、お婆ちゃんに持ちかけられる謎は、あきれるくらいのんきである。
そういえばお婆ちゃんの「お正月のくわいのような」髪型って、キューピー人形みたいなのだろうか?なんとなくキューピッドをイメージしてしまった。
せっかく帯に恋愛ミステリーとあるので、しわくちゃのキューピッドが、もっと恋の話に首を突っ込んでもよかったのかなと思う。そして、主人公・真以の恋について熱く語り合ってほしかった。愛情にあふれたホットな縁側、いやファミレスの椅子で!
松本 かおり
評価:★★★★★
ミステリー、というと大袈裟な感じだ。むしろ、洒落た謎解き、とあえて呼びたい。題材はごく身近なもので舞台は日常。なのに、こんな設定が、こんな展開があったのか!と驚くこと確実。謎解きを一手に引き受けるのは、和服に真っ白な髪をくわい結いした上品なハルお婆ちゃん。佇まいはいかにも日本のおばあさん風でありながら、その推理力はホームズ顔負け。<亀の甲より年の劫>。いや、茶化している場合ではない。
収録6編各々のタイトルも、好奇心をそそる巧さ。たとえば「走る目覚まし時計」「無作法なストラップ」「靴紐と十五キロ」、これだけで内容を予想できるひとはまずおるまい。ひとつ読むごとに次編への期待にワクワク、ハルさん大尊敬。いよいよの最終編では、まるで<ドッキリ>の種明かしのごとき新事実がにわかに浮かび上がり、実にみごとな締めくくり。凝っていながら厭味ゼロ、自然体で後味爽やかな好著だ。
佐久間 素子
評価:★★★
どこかほの暗い雰囲気がただようファミレスに、どこか心のさびしい人が集い、些細で奇妙な謎に遭遇する。軽い読み口の「日常の謎」系ほのぼのミステリ。この著者にしてはおとなしく、確かに探偵役は人外の者だけれども、既刊のように安楽椅子が探偵だなんて突拍子のない設定ではない。それどころか、人品いやしからぬ「隅のおばあちゃん」は、彼の地のマープル女史ほどの底意地の悪さなどもちあわせておらず、控えめなことこのうえない。狂言回しの女性フリーライター二十八才も、片思いの相手の刑事も、キャラはややうすめなので、連作短編につきもののサイドストーリーは、正直、ちょっと物足りないかな。もっとも、スタンダードなミステリだから、くつろいで謎に没頭するのが正解。確たる悪意で暗いきもちになってしまうような結末はおろか、寂しさを誘うような結末も見あたらないので、ハートブレイク時の気分転換には最適かと思われます。
延命 ゆり子
評価:★★★★
軽妙な短編ミステリー。舞台はファミレス。そこにはなぜか上品なおばあちゃん、幸田ハルの幽霊が現れる。そのおばあちゃん幽霊は幸せな人には見えない。ゆえにそのファミレスには必然的に幸薄な人が集まってくる。それでハートブレイク・レストランというタイトルらしいです。誰も失恋してはおりませんが。
主人公は28歳のフリーライター、寺坂真以。一つの短編につき一つの謎やミステリーが現れる。困っているとおばあちゃん幽霊が現れて、控えめながらズバリズバリと謎を解決してくれると、そういう寸法です。一話完結。
密室トリックの謎や、暗号解読。いわば王道のミステリー。非常に読みやすく、一話で満足感が得られる。何の過不足もない。通勤電車のお供に最適な作品ではないかと、ハイ。
新冨 麻衣子
評価:★★★
松尾由美の最新刊。ちょっと不思議なお婆ちゃんが解き明かす日常系連作ミステリ。
主人公の寺坂真以は駆け出しのフリーライター。主に自宅で仕事をしているが、気分転換に客が少ない近所のファミレスを勝手に臨時の仕事場にしている。ある日、真以は編集部で起きた不可解な事件をネタにしたコラムのオチをどう付けるか悩み、携帯で友人にことの顛末を話していた。電話を切ったあと、同じく常連であるがこれまで話したことのない上品なお婆ちゃんが声をかけてきて……!?
松尾由美の作品を説明するのは難しいなぁ。ちょっと踏み込むとネタバレだし、かといってそこを避けると、なんだかすごくベタな話のようで……。ま、お婆ちゃんの存在自体がネタであって、それ以外はベタな話なんですけども。
松尾由美らしい優しい視点で描かれた、不思議系ミステリです。
細野 淳
評価:★★★★
ファミリーレストランって一人で何かする場合は、結構良い居場所になる。勉強や読書をなどには、自分もよく利用する所だ。でも、そんなところに幽霊が出るなんて、あまり似つかわしくないのでは?
いや、別に設定を非難しているわけじゃなくて、むしろ意外性があって、という良い意味で。そんなところに出る幽霊だから、普通の幽霊とは全然違う。なんとも礼儀正しくて、愛想がいいお婆ちゃんなのだ。そのお婆ちゃん幽霊が、ファミリーレストランに来る人が持ってくる事件を、概要を聞いただけで次々と、巧みに解決していく。この世に長い間生きてきた分、人間に対する洞察力も鋭いらしい。まさに幽霊のスーパーお婆ちゃん。
恋愛ミステリー、と謳っているけど、愛蔵渦巻くようなどろどろしたものではなくて、日常のちょっとした出来事がメイン。どこかほのぼのとしているので、安心した気持ちになりながら、読むことができる。