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ゆりかごで眠れ
垣根涼介(著)
【中央公論新社】
定価1890円(税込)
ISBN-4120037177
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
清水 裕美子
評価:★★★★
垣根涼介の新刊は手に汗握るコロンビア・マフィアの物語。
場面は日系二世のリキ・コバヤシが偽造パスポートで養女カーサを連れて日本に降り立つところから始まる。彼は兄の跡を継いで組織のボスに上りつめ、コカインの日本ルートを支配するボス同士の会談を控えている。
敵対する組織の密告により部下の殺し屋パパリトが日本の警察で事情聴取のため拘留されている。必ず奪還する、どんな手を使っても。リキはこれまでも必ずそうしてきた。
「愛は十倍に、憎悪は百倍にして返せ」コロンビア・マフィアの掟と、その連鎖を終わらせて新しい人生を生きるため、昔の世界から自分を引き剥がそうとする抗い。引き剥がせなかったリキとその養母の世代だが、彼は「ヒトの運命の半分は、その属性によって決まる」そう言いながら、部下や元浮浪児のカーサを新生活へ送ろうとする。
マフィアと比べようもなく安定した生活にいるはずなのに元・刑事の妙子、その上司でクスリ漬けの武田がはかなく寂しい。
読後感:迫力と静けさに一気読み
島田 美里
評価:★★★★
暴力ものとかマフィアものとかに全く興味がないので、すみませんねえ、と謝りながら読み始めた。ところがなんと!この物語の主人公(もちろん悪者)に思いっきり惹かれてしまったのだ。
日系二世のリキは、不安定な政情のコロンビアで、子どもの頃に両親を殺され、悲惨な運命の末に麻薬組織のボスになる。マフィアだから、当然、裏切り者は容赦なく殺してしまうんだけど、その反面、自分のせいで天涯孤独にさせてしまった浮浪児・カーサの面倒を見るという深い愛情もみせる。このギャップの激しさのせいなのか、とんでもなく包容力があるように思える。もしかして、意外と女性がグラッとくる作品なんだろうか?
リキの組織力が及ぶ日本で、孤独を抱えた元刑事の妙子と出会うことになるが、孤独はやっぱり孤独を引き寄せる。別に、頽廃的な感じに憧れているわけじゃないけれど、小説から与えられる情報以上に、この男を勝手に好印象に想像してしまう。久々に虚構の世界の人物に、好みの俳優の顔を当て込みつつ読んでしまった。恥ずかしながら。
新冨 麻衣子
評価:★★★★
コロンビアという麻薬と暴力にまみれた場所で生まれ育ち、マフィアのボスにまで登り詰めたリキ・コバヤシ・ガルシア。彼の重要な部下であり殺し屋であるパパリトが日本で逮捕されたため日本入りするが……。リキに精神的に深く依存するもと浮浪児・カーサ、なぜか日常に馴染めないもと刑事・妙子、自らの薬物依存で破滅寸前の刑事・武田……あやうい人間たちの人生が、パパリト奪還計画を前に深く交錯する、スリリングかつ圧倒的な長編ハードボイルド。
一気読みでしたね。リキという男の人生を軸にしたこの物語の濃密さとスリリングさにひたすら圧倒されてしまった。とくに物語前半の、リキの半生を描いたあたりは夢中で読んだ。これで読者を驚かせるようなラストだったら……ていうのは贅沢な悩みでしょうか。まーそれにしてもエンタメ性たっぷりな一作です。読者をぐいぐい引っ張ってくれるようなパワフルさもあるし。あまり気力がない時でも、楽しんで読める一作ではないでしょうか。