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白菊
【創元推理文庫】
藤岡真 (著)
定価700円(税込)
ISBN-4488436021
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
久々湊 恵美
評価:★★
うーむむむ。ちょっと好きにはなれなかったなあ。
導入部は、結構引き込まれたんです。
偽超能力探偵と記憶を失った女。もう設定としては引き込まれざるを得ないというかなんというか。
お、この先どんな展開が!なんてワクワクしていたわけなんですが。
でも途中からなんだか乗り切れなくなってしまったんです。
白菊という絵に関して登場してくる人物の動機が、何だかはっきりとわかりにくい感じがしたからなのかな。
その絵をめぐって命を狙われる、という展開も、なんだか本当?そんなことで?って感じもしちゃったので。
登場人物が、それぞれ複数の場所にいて、最終的にはひとつにまとまっていくその手法はとても素晴らしい!と思ったのですが…。
もっと、大風呂敷広げちゃっても面白くなったのではないかって気がして。
こじんまりとした話だったのが残念。
そして。個人的に、このラストはあまり好きじゃないのです。
松井 ゆかり
評価:★★★★
藤岡真という作家は大小さまざまな風呂敷を広げ、「まさか畳めるわけが…」と気をもむ読者を尻目にそれらを目にも留まらぬ早さで畳み、次の瞬間には万国旗のようにはためかせてみせると言った感じのイリュージョニストっぽいイメージがある。きっと人を驚かせるのが好きなのだろう(謙虚なようでいて、その実自信満々のあとがきも微笑ましい)。
さて今回も、「心あてにをらばやをらむはつしもの置きまどわせる白菊のはな」の百人一首の句や大黒屋光太夫まで引っぱりだしてきちゃいましたよ!しかも主人公は画商でもあり超能力者(偽)でもある相良蒼司。役者は揃った。あとは目くらましされないように、注意深く読み進んでいきましょう。それでも作者の陥穽にまんまとはまってしまうなら、それもよし。
西谷 昌子
評価:★★★★
インチキ超能力者探偵、そして記憶喪失の女という設定にまず惹きつけられた。読み進めるにつれ、どれも個性の強い登場人物を楽しみながら一気に読んでしまった。
「強烈でわかりやすい(時にマンガ的な)キャラクター」と、ミステリは相性がいいのだと思う。誰が犯人だろう、と考えるのがより楽しくなるからだ。この小説でも、キャラクターを楽しみながら深まる謎を追った。
大黒屋光太夫の弟子がロシアにいたという史実も、記憶を失った女性が犯人とどう関わってくるのかも、謎解きの要素としてすごく面白い。ミステリの醍醐味である、謎が解けたときの「やられた!」という感覚もしっかり味わった。
願わくば、文庫の表紙は大黒屋光太夫の絵にしてほしかったが……。
島村 真理
評価:★★★
冒頭、ロシアのエカテリーナ、ゲンナジー・ポントリャーギンなる少年の登場に、この話はどういう風に進むのか、むしろ大丈夫か?と思いましたが、心配は無用でした。
画商でインチキ超能力者の相良蒼司の元にもちこまれる「白菊」というオリジナルの絵画の捜索依頼、突然命を狙われる危機、依頼人の失踪、記憶喪失の女などなど、ちゃんとラストはくるのだろうかと思うほどのバラエティーな展開。相良のミスリードっぷりも笑えます。やっぱりインチキ超能力者だからね。でも全体的にワクワク満載です。思いもよらない結末もお気に入りです。
もう一度出会いたい登場人物もいて、続編にも期待大なのです。相良は画商業よりも、偽超能力者ぶりがよかったですし。怪しげなテレビ番組もいい味です。ダークな雰囲気のある探偵というのはタイプなのでした。
浅谷 佳秀
評価:★★★
何とも技巧に凝った作品だ。3人称視点と1人称視点を使い分けたり、伏線をあっちこっちに張りながら、予想を覆される方へと読者を誘導する作者の手腕は確かに見事である。ラストなんて唖然とさせられた。
「白菊」をめぐるミステリーである本編を挟んで、プロローグとエピローグとで「白菊」の作者の素顔と、その作品の成り立ちが明かされるという粋な構成だ。ただ、人物を含めて、いささか奇抜すぎる設定が多く、リアリティが感じられない。作者には鮮やかなどんでん返しを決めたい、あるいはそのどんでん返しにつながる効果的な伏線を張りたいという意思がまずあって、そこから人物造形を考え、この作品を作り上げているのだろうか。でも正直なところ、無駄に込み入っているというか、技巧のための技巧というか、いささか空疎な印象がぬぐえなかった。まるでリヒャルト・シュトラウスの交響詩みたいな感じ。ミステリーマニア受けする作品だろうとは思う。
水野 裕明
評価:★★★
超能力者の種明かしの冒頭から、娯伺市(ごみいち)での謎めいた墨絵の発見、いかにも叙述トリックを感じさせる一人称時系不明なエピソードの挿入、さらには凡河内躬恒の和歌やポントリャーギン、大黒屋光太夫などなど一気呵成、ミステリーのエッセンスがジェットコースターのようにばらまかれて、超能力探偵が登場し探索が始まるという、内容盛りだくさんなミステリー作品。なのにページ数はちょっと少なめの中編なので、読みやすいといえば簡単に読み切れるし、どれもがただのネタふりだけで終わっているような、ちょっと物足りない作品と感じた。ポントリャーギンにしろ、大黒屋光太夫にしろその時代でのエピソードも描いた方がもっとリアリティがでただろうし、美術品の謎をテーマとした作品に記憶喪失の女性を使った叙述トリックが本当に必要だったのかも疑問が残るし、何と言ってもページ数が内容に対して少なすぎたようで、もっと書き込んだらと思えた。