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「いつもの朝に」
【集英社】
今邑彩(著)
定価2415円(税込)
2006年3月
ISBN-4087753565
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
清水 裕美子
評価:★★
親の罪は子に引き継がれるのか、刻印として残るのか。30年前、ある少年が起こした牧師館の惨殺事件。そして現代。優秀で人望のある兄とチビでニキビから"チビキニ"と呼ばれる弟。仲良し中学生兄弟ではあるが、カインとアベルのように互いへの複雑な感情もある2人。彼らの名はキリストとユダの響きを借りているように聞こえると幼馴染が指摘する。
(よく分からないのだけれど)キリスト教的モチーフが幾重にも重なり詰まった長編は、ぬいぐるみのクマの腹から「父より」という手紙が見つかったところから動き出す。弟は、美しい画家の母に内緒でその手紙に記された人物を訪ね話を聞きに行く。そして一冊のノートを受け取る。圧巻の迫力は、自殺を図ろうとする兄弟を止めるための説得場面。言葉を尽くしてギリギリの状況で対話が続く。個人的には冗長に思え、カタルシスも感じられなかったのだけれど、母が我に返り走る場面でコブシが緩んだので、きっと力が入っていたのでしょう。
読後感:感動ポイントが掴めず
島田 美里
評価:★★★★★
「どうかこの兄弟が救われますように」と、気がついたら、祈りながら読んでいた。
ちょっと出来の悪い中学2年生の優太と、学年が1つ上の優等生の兄・桐人、そして画家である母親の3人は幸せな家族だ。しかし、優太が出生の秘密が記された手紙を発見してから、一気に暗転する。
手紙の内容は、30年前の凄惨な事件とつながっているのだが、こんな酷いことを知ったら、普通は大人でも耐えられない。なのに、少年たちに重い事実を消化させ、しかも、子どもらしい子どもの思考で立ち向かわせるこの物語は、あえて難しいテーマを設定して、そこから逃げないようにしているようにも思える。
父親を事故で亡くすという悲しみを乗り越えた3人家族が、さらなる試練と戦うとき、最大の武器になるのは、やっぱり家族の絆だ。過去の呪縛よりも、目の前の家族愛が強いことを証明してほしい気持ちでいっぱいになった。そして、どんな結末であろうと受け入れたくなった。こんな風に感じるのは、作品が発している神聖なオーラのせいだと思う。
佐久間 素子
評価:★★★★
幼いときからそばにあるテディベアのお腹から、父を名乗る手紙が出てくる。手紙をてがかりに訪れた村で、彼は出生の秘密を知る。「おまえは、父と祖父の汚れた罪を受け継ぎ背負った人間なのだ」。あとがきに「犯罪者の血筋」等の差別に関することわりがきがあり、やむをえないとも思うのだが、そんなもの不必要だってことは、読めばすぐにわかる。これは、そんな偏見から、手をとりあって抜けだそうとする兄弟の話なのだから。
ミステリ仕立てだけれど、話の骨組みじたいはさほど驚かされるものではない。メロドラマ的な展開も少なからずある。しかも、優秀な兄と不出来な弟という、ありがちな設定。それなのに、冷めるどころか、クライマックス、30ページ以上にわたる二人の言い争いに、私、ちょっと泣いてしまいました。些細なことで憎んだり、当たり前のように愛したりしてきた、普通の兄弟の導き出す答えに大感動。予想をこえる迫力に圧倒されてほしい。あ、そんな緊張のさなかなのに、笑いの伏線がひそかに張ってあるのも好みだと言っておかねばね。
新冨 麻衣子
評価:★★★★
出来のいい兄、出来の悪い弟、すべてにおいて正反対な兄弟。ある日弟が偶然見つけたテディベアのなかに隠された手紙が、自分の出生にまつわる秘密と母親のおぞましい過去を暴きだす。そしてその事実は、二人の少年を絶望へ導く……。
面白かった! 読み応え十二分。一気読みでした。
画家である母親の描く奇妙な絵からはじまるこの物語は、恐ろしくて悲しくて、でも最後に希望がある。キリスト教にまつわる色づけもホラー的なあおりとして上手いし、何よりスリリングな展開もたまらなくて、夢中になって読んでしまった。ラストもね、良かったです。「ホラーは現実だけでもうたくさん」という著者の気持ちもわかるし、このラストだったからこそとても満足できたんだと思う。