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さよなら、スナフキン
山崎マキコ (著)
【新潮文庫】
定価620円(税込)
2006年5月
ISBN-4101179425
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
久々湊 恵美
評価:★★★
好印象。
主人公が、もうとにかく本当に駄目人間。
勉強もできなければ仕事もできない。一番最悪なのはやる気がないってところ。
もうこの人の人生どうなってしまうんだろう、と思っていると、ひょんなことから編集プロダクションにバイトが決まってしまって。
えー!そんな、そんな簡単に方向転換できてしまうのー!?ケッ!!ってな気分になりましたが。
そこから先がまた不器用で駄目な主人公。
自分が今一体どういう立場にいてどうしていきたいのか迷ってみたりあるいは逃げてみたり。
もう、おんなじ場所をグルグルと。お前のび太かよ!ってツッコミもしばしばでした。
ここまでいっちゃうとこの不器用さがあまりにも正直であきれたのを通り越してちょっと好きにもなっちゃいました。
普通の人間だったら、「ちょっとまてよ」って思うことができるのに、この主人公はかなーり時間が経ってから、しかも自信なさげに「これで…いいの…かな?」なんて感じなんだもの!!
松井 ゆかり
評価:★★★★
シンデレラ・ストーリーでもない、成長小説ともちょっと違う、いわゆるハッピーエンドのめでたしめでたしでカタルシスが得られるわけでもない。ではいったいこの小説のどこに心ひかれるかといえば、主人公大瀬崎亜紀の愚直なまでに不器用な生き方にあると思う。
“何をやってもうまくいかない感”とでもいったものを抱えた彼女が、バイトの面接に行ったことから物語が動き出す。そのプロダクションの社長に見込まれる、本を出版させてもらうことになる、大手新聞社や出版社から声がかかる…と次々に幸運が舞い込んでくるのに、大瀬崎はことごとくチャンスを自らの手で棒にふってしまう。「どうしてだ、大瀬崎〜!」と歯がみする読者のことなどおかまいなしに、彼女は我が道をゆくのだ。その姿にあなたは歯がゆさと爽快感の入り交じった複雑な思いを抱くことだろう。
いよいよラスト近く、最大の転機に大瀬崎が選択するのは…?どうぞ読んで確かめてみてください。
西谷 昌子
評価:★★★★★
とにかく共感した。何故かというと私自身が非常にテンパり体質で、調子にのりやすいくせにすぐパニックになってしまうという、主人公そっくりの人間だからである。両親が離婚した過去を持つ主人公は、テンパりながらも冷めているという妙な性格の持ち主だ。どれだけひどい事態に陥りパニックになっても、自分突っ込みを必ずしている。おかげで常に言葉がうまく出てこず、しどろもどろしている。言い換えれば「他者の目線」を基準にしすぎるあまり、自分で行動の基準がつかめずわたわたしてしまうのだ。個人的なことを書いて申し訳ないが、経験も性格も、思わず落ち込んでしまうくらい自分とそっくりだった。おかげで読むのが止まらず、一気に読了した。私も社長のような人がいたら、ついて行ってしまうかもしれない。文章もテンポよく軽快なので暗くならないのもいい。
島村 真理
評価:★★★★★
不器用でおバカな大瀬崎亜紀は他人の気がしない。自分の価値を信じられなくて、毎度パニックに襲われるマイナス思考オンナが、バイト先のシャチョーに才能を見出されて発起、必要とされるならとどこまでもと無心に働く。一途で可愛いなぁどこまでもシャチョーと一緒に頑張るんだろうなぁと思っていたらアレレレ?ドウシテソウナルノな展開に驚かされる。
そこで気がつきました。中盤からまたダメ人間にもどってしまう大瀬崎亜紀だけれど、見えている景色が前半とは違うことに。はじめは登場人物がものすごく少ないんです。その周辺描写の面白さにひとり喜んでしまいました。
自分に嘘をつかない、でも、誰をも傷つけない。周りに目を向ける余裕がでてきた大瀬崎亜紀は魅力的になったなと思った。魔法をかけられたシンデレラで終わらせないシニカルな作者だなぁ。だからシャチョーのその後がすごく気になるのです。大瀬崎亜紀がちょっと恋した相手。冷酷で自己チューのいやなやつだけどどこか憎めない。彼にも冷静に周りをみて自分を知る変革が起こってくれることを祈ってしまいます。
浅谷 佳秀
評価:★★★
常にコンプレックスに苛まれながら、自分の居場所を必死に探しているような主人公。しかし引きこもるわけでもなく、ちゃんと大学にも通い、アルバイトにも打ち込むことができるのだから、そこまで自己卑下しなくてもいいんじゃないか、と思う。アルバイト先でも非常識な行動をして恥をかいたりもするが、そんなこと、最初のうちは結構誰でもやらかすものだ。些細なことでいちいち萎縮する主人公だが、アルバイト先の社長からは評価され、とんとん拍子にライターとして作品を出版させてもらえることになるくだりなど、逆に、話がうまく進みすぎという感じだ。
主人公よりもよほど不可解なのが、アルバイト先の社長だ。ずぶの素人である主人公を、才能があるとおだてていきなり本を書かせるかと思うと、夜にアパートに押しかけたりして、何か下心丸出しの観があるが、かといってストレートに口説いてくるわけでもなく、主人公の無知に付け込んでギャラを搾取するようなセコイことをする。ひどく人間的にいびつな感じ。この社長に主人公が三行半をたたきつけ、契約社員を辞めるくだりは爽快だ。
荒木 一人
評価:★★★
小説と言うよりは、連載コラムの様な雰囲気。非常にテンポが良く読みやすい。また、主人公の心理描写も織り交ぜられているので分かりやすい。著者の自伝的要素が盛り込まれている。サックリ読める。
“人から必要にされたい。ただそれだけだ。” 大学も二つ目、年齢的には三浪と同じになる、大瀬崎亜紀。自分自身にあまり自信が無く、流されながら生きている。偶然バイトに採用された小さな編集プロダクション。彼女は、シャチョーに見込まれ頑張るが。
「〜してはいけない」という命令が大嫌いなスナフキンの様な大人に成りたいと、不器用ながらも懸命に奮闘を続ける。
章の題名や目次が言い得て妙、と言う感じ。アイデンティティの確立は、どんな人間でも難しい。妥協することを覚えないと尚更に難しい。誰の事も憎まず生きていく亜紀は、流されている様に見えるが、実はトンでもなく器の大きい人間では無かろうか。
水野 裕明
評価:★★★★
三浪して入った大学を中退して別の大学に入り直し、しかも今は引きこもり同然の主人公が社会へ出ていくための奮闘記とも読め、また自身をモデルとした小説とも読める作品。ストーリーの面白さ、物語の構成の巧みさで読ませる作品ではないけれど、身の処し方のあまりの必死さと健気さに好感が持て、主人公のキャラクターの良さと面白さで読んでしまった。自分自身をどうしようもない人間だと思い込んでいる主人公亜紀が、取りあえずバイトではいった編集プロダクションのシャチョーに喜んでもらおうと、必死になって原稿を書く姿はほんとうに切なく、なのにどことなくユーモラスで温もりが感じられた。解説で主人公をやっかいな人と評していたが、どうだろうか?グチグチと語られるマイナス思考も含めて、けっこう共感をしたのだが……。