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匣の中
乾くるみ (著)
【講談社文庫】
定価920(税込)
2006年5月
ISBN-4062753898
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
久々湊 恵美
評価:★★
うーん。実はちょと苦手な風合いの一冊。
推理小説、とはまた違っていて。
推理はもちろんするのだけれど、それがまた一風変わっていて陰陽五行とか魔方陣なんかをめぐって推理していく。
もうこういう方面は滅法弱くて、えーと、なんで?そういうもんなの?登場人物納得しちゃってるけど、私は納得できないよ!と思っているうちに、事件も次々と起きてまたさらに摩訶不思議な推理も生まれてきて。
途中で、もう、なんなんだよ!って思ってしまったのですが。
それでも最後まで読んだのは。いったいこの事件の真相は何なのか、最後までモヤモヤと不透明だったから。
そして妖しい世界にひっぱりこまれてしまって。
それにしても匣の中、ってそういう意味だったのかー。そうなのかー。と呆然。
だったんだけど。
個人的にどうも苦手ジャンルであったことと、推理の展開があまり好きではなかったのでちょっと評価が低くなってしまいました。
松井 ゆかり
評価:★★★★
ああ、こういうの大好きだなあ!いえ、不謹慎に思われたら申し訳ない。もちろん殺人という行為を肯定しているわけではまったくない。こんな風に全編密室やら暗号やら見立てやらに彩られた小説、それ以上にそれらを苦しみながら生み出しているであろう作者、もしくはいわゆる本格と呼ばれる(この作品のような)推理小説に耽溺する読者を、私はたまらなく愛しているのだ。
素晴らしいではないか!冷静に考えたら突飛としか言いようのない謎解き(しかもそれは往々にして真実とされる)を披露する探偵役、その推理に心底感銘を受ける他の登場人物、そもそもの謎を作り出した犯人、誰ひとりとっても「そんな暇があったらバイトのひとつもして、親孝行したまえよ!」と突っ込みたくなる。本家である「匣の中の失楽」もこんな感じなのだろうか。ああ、気になってたまらない。
西谷 昌子
評価:★★★
奇妙な事件が起こる。数学、陰陽道などの知識がフルに用いられながら事件の解決が図られることで余計に読者は幻惑させられる。一体どんな解決が待っているのだろうと読み進めていると、さらにエキセントリックで衒学的な答えが待っている──。読者でありながら、登場人物と同じように、あるいは登場人物以上に幻惑されてしまうという小説だ。
作中に登場する数学や陰陽道は、とても全部理解することができなかった。ただ過剰なまでの論理構成と暗合に驚かされ、惑わされてしまった。小説の大筋よりも細部の方が印象に残ってしまう、そんな奇妙さが読後も後をひく。謎が解決しても、まだ迷宮の中にいるようだった。
島村 真理
評価:★★
グループの中心人物、伍黄零無の消失、仲間の密室殺人。残された者たちの推理をあざ笑うがごとく、次々と連続する殺人。探偵小説愛好家たちの、これでもかとくり広げられる知識の応酬に、め、めまいが……。京極夏彦の「姑獲鳥の夏」で、ストーリーのほぼ半分以上に裂かれていた京極堂の薀蓄を思い出させます(これはほぼひとりの知識でしたけど)。易から数学、いろは歌まで、ありとあらゆる方向へと枝分かれして煙にまかれます。理解がついていかなくて苦しい読書となりました。一読ではわからない。こういうのを奥が深いというのでしょうね。ただ、登場人物の奇妙な命名とその関係はなんだか気恥ずかしさが漂っている。彼らがとうとうと述べる博識さにも赤面してしまうのはなぜでしょう。
しかし、かき回すだけかき回された後の結末がそこへ行くのかと。混沌とした世界が一瞬まとまったかと錯覚しましたが、別の混沌がうまれただけなのかもしれません。読むものを惑わせる話ですね。読み応えのある一冊です。
水野 裕明
評価:★
カバー裏表紙のコメントに“竹本健治の「匣の中の失楽」へのオマージュ”とあったので、「黒死館」「虚無への供物」といったメタミステリーの系譜につながる新しい作品が登場したのか、と期待したのだが……。物語の構造や登場人物は「匣の中の失楽」をなぞりながら、暗合・暗号・密室などの要素も満載。作中で語られる蘊蓄の数々は現代風の知識も加えられ、パソコンやメールなども使われて、現代風のメタミステリーへとアレンジされている。しかも解明が二転三転し現実をあっさりと転換させてしまうところなど、いかにも竹本健治風である。でも、作中で語られる蘊蓄はどこか資料の書き写し的で、「虚無への供物」や「匣の中の失楽」のようにその蘊蓄がより大きな謎への入口となって、謎がより大きな謎を呼び起こし、読めば読むほど深い霧の中を読み惑うような不確かさをもたらすように感じられなかった。そう、この作品はオマージュとあるように乾くるみからのファンレターであり、正当な後継作ではなかったのだろう。早とちりした私が悪いのだが、ちょっと残念であった。