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ジョン・ランプリエールの辞書
(上・下)
ローレンス・ノーフォーク (著)
【創元推理文庫】
定価1155円(税込)
2006年5月
ISBN-4488202039
ISBN-4488202047
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松井 ゆかり
評価:★★★
「驚異の大バロック小説」「ギリシア神話をなぞる奇怪な連続殺人」といった謳い文句と、いつもの創元推理文庫にも増してぎっしり詰まった文字量に圧倒され、「もしや、清涼院流水『コズミック』的作品!?」という予感が胸をよぎったのだが、読み終わってみれば割と直球のミステリーだった。印象としては、シャーロック・ホームズの長編に近い。
それにしても、よもやジョン・ランプリエールが実在の人物だとは思わなかった。表立って名誉毀損になるような表現はなかったような気がするものの、このように怪しげな小説の主人公に祭り上げられてはランプリエール家の末裔が抗議の手紙を送りつけたというのも致し方ないか。そういったセンセーショナルな部分も含めて、様々な要素が混在する興味深い小説であった。よくオチつけられたよなあ、この話。
西谷 昌子
評価:★★★★★
詩を読んでいるようだ、と思った。まるで目の前に風景が立ち上がるかのような描写、文章のリズム。その場の空気感まで伝わってくる。殺人のモチーフになったギリシャ神話に特有のエロス、生々しさも加わって、小説に酔うという体験をさせてもらった。
めまぐるしく変わる場面のひとつひとつが生き生きしていて、まるで小説世界にトリップするかのようだった。
父親の不可解な死に始まり、どんどん謎が大きくなっていく。そのため難解な部分もあるが、夢中で読めてしまう。翻訳の力が大きいのかもしれないが、場面によっては畳み掛けるような言葉の使い方をしており、それが雰囲気にぴったり合っていて、溜め息の出るような文章になっている。
読んだら最後、現実を忘れて没頭してしまうような小説だ。
島村 真理
評価:★★★★
まず圧倒されるのは言葉の洪水。叩きつけるように繰り出される情景描写。豚肉倶楽部のバカさわぎに、扇動されるロンドン市民の狂乱。まるで自分が現場に放り込まれ、もみくちゃにされているという状態になります。読むだけで。奇想天外な発想、渦巻く陰謀、猟奇的な殺人が広がる大海原にどっぷりつかれます。
凄惨な連続する殺人、壮大な謎を解き明かす過程ももちろん面白いのですが、これはジョン・ランプリエールの青春ストーリーとしても楽しめます。痩せてひょろり、父親の死を自分が読んだ本のせいじゃないかと気に病み、好きな女性の前ではしどろもどろになるメガネの青年。その頼りなさはのび太君に通じます。しかし、無防備だけど人を信用し、悪に立ち向かう好青年なのです。世間の波にもまれ、素晴らしい辞書も仕上げるし。
結局のところ漠然と感じていた「なぜ辞書が……?」の疑問もなんとなく後半で解決されていて安心しました。神話やヨーロッパ史の知識がないと多少苦しいところがありますが、読んで損なし。確実に楽しませてくれます。
水野 裕明
評価:★★★★
実はこの作品は単行本発刊時に一度読みはじめていたのだが、濃密で詳細な景観や状況の描写に参ってしまい、さらにほのめかしや単語だけを続けてイメージを喚起する文体や、前後の脈絡・説明がなくいきなり投げ出される謎、背景の説明もなく語りだす登場人物などの読みにくさもあり、さらにさらに文庫判のような解説もなく、ジョン・ランプリエールという人物が実在の古典学者で、単独で辞書を編纂したことなども分からず興味も半減して、途中で投げ出してしまったのであるが、今回は面白く読めた。ギリシャ神話の見立て殺人などの謎、ロボトミーを思わせる手術やロンドンの地下に広がる洞窟などの奇想など、飽きさせなかった。就寝前に毎晩少しずつ18世紀のイギリスを想像しつつ読み進めるのが、愉しみを倍加させてくれた。