2006年8月 このページは新刊採点員たちが、課題図書 とは別に勝手に読んだ本の書評をご紹介します。
「自信作」と作者自ら書いていらっしゃいます。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にインスパイアされて書かれたSFだそうです。私は「六枚のとんかつ」(笠井潔大先生に「ゴミ」とまで言われたバカミス…もとい、第3回メフィスト賞を受賞した力作)を読んで以来のファンですが、こんなに入り組んだストーリーを書ける作家でいらっしゃるとは失礼ながら思っていませんでした。伏線も細かく張られ、終盤それらが見事にいきてきます。「届かぬ想い」や「ふつうの学校」シリーズに続いて、イラストレーター羽住都さんのイラストも素敵です(そういえば、「木乃伊男」でも少女マンガ家の大スター里中満智子先生ともコラボしておられた蘇部先生。いったい講談社はどんな弱みを握られているのやら…あわわ、蘇部先生ってばなんて人徳がおありなのでしょう!)。 お願い、どうか読んでみてください。できることなら買ってあげて。印税が入らなくて蘇部先生が作家をやめちゃうと困るから!