WEB本の雑誌今月の新刊採点>勝手に目利き




2007年9月

このページは新刊採点員たちが、課題図書とは別に勝手に読んだ本の書評をご紹介します。


松岡 恒太郎

松岡 恒太郎の 【勝手に目利き】

くちぶえ番長 『くちぶえ番長』
重松清/新潮文庫
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 チョンマゲをした女の子マコトが、ツヨシのクラスに転校してきた。
弱きを助け強気を挫く、卑怯なことが大嫌いなマコトは番長を名乗って奮闘する。
 著者の小学校時代を振り返る格好で始まる重松節も鮮やかな子供たちの友情物語に、僕はやっぱりハマってしまった。
 そこで、ちょうど夏休だったので、主人公達と同じ小学四年の長女にも読ませてみた。
すると二日で読み終わり「なかなかヨカッタよ!」と、素っ気ない感想が返ってきた、なんだか生意気!
その後この本は、姉の家にも貸し出され、最終的には姪っ子の読書感想文にも使われた。
 先日その感想文を拝借して読んでみたのだが、中には「マコトみたいなのがいたら鬱陶しい、カッコつけすぎでウザイ!」という現代っ子の素直な意見が書かれていた。
 涙を流しているのは、もしかしたらオジサン連中だけなのかもしれない、少し悲しい。




三浦 英崇

三浦 英崇の 【勝手に目利き】

ゲームニクスとは何か 『ゲームニクスとは何か』
サイトウ・アキヒロ (著)/ 幻冬舎新書
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 最近のニンテンドーDSの躍進ぶりは、すっかり退潮傾向だったゲーム業界に、久々の活況をもたらしました。ゲームの仕事に一時期携わっていて、今でもゲームをこよなく愛している俺としては、ま、それがたとえ「こんなんゲームちゃうやん。ただの算数ドリルやろ。これで脳なんか鍛(ぴー)」と思ったりすることがあっても、ハードが国民的レベルで広がっていくのはいいことだと思いますし。

 さて、本書ですが。では、ニンテンドーDSは、何だってこんなに支持されたのか? というところからスタートして、ゲーム的ユーザーインターフェース(要は、操作するためのボタンだとか、操作手順だとかですね)が、今後の社会にもたらす恩恵を提示するとともに、ゲーム開発における数々のアプローチが、他の分野においても大いに役立つのではないか、という提言をしています。

 あなたがもし、ゲームに全く興味がなかったとしても、この発想はきっと役立つはずです。



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