日本語は世界で何番目に話されている?~『日本語という外国語』

日本語という外国語 (講談社現代新書)
『日本語という外国語 (講談社現代新書)』
荒川 洋平
講談社
777円(税込)
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 言語学では、話し手が多くいる言語を「大言語」、逆に少ない言語を「小言語」といいます。日本語はどちらだと思いますか? 実は日本語は、大言語に属します。そして、自分の第一の言葉として日本語を話す人の数は、全言語のうち9番目に多い言葉になります。

第1位:中国語
第2位:スペイン語
第3位:英語
第4位:アラビア語
第5位:ヒンディー語
第6位:ベンガル語
第7位:ポルトガル語
第8位:ロシア語
第9位:日本語

 話し手の数で見る限り、日本語は世界の言語において、かなりの上位にあるといえます。ドイツ語やフランス語よりも多いのですから。しかし、そんな実感がないのはなぜでしょうか。

 それは、日本語が日本以外では、ほとんど使われていないから。日本語は、日本を出たらほとんど通用しません。英語のように60カ国以上で公用語として用いられ、世界中で通じるのではなく、世界第9位といえども、その話し手は日本人だけなのです。

 しかし、日本語を学ぼうとする外国人の数は、着実に増えています。国際交流基金の調べでは、1979年には海外で日本語を学習する人はわずか12万7千人だったにも関わらず、2006年には298万人以上になりました。実に27年間で23倍以上になったのです。この数は、今まで減少したことはなく、右肩上がりで増えています。

 「日本語」を、外国人の視点で見てみるとどうでしょう。20年以上、日本語教育の現場にいる東京外国語大学の荒川洋平教授によると、「日本語」は思っているほど独特なものではなく、外国人にとって優しい面もあるそうです。

 私たちが自覚していない「日本語」の魅力や個性とはいったい何か。日本語を学んでいる外国人と話す機会があれば、聞いてみたいものです。

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