あなたは死に支度してますか?~『日本人と「死の準備」』

日本人と「死の準備」―これからをより良く生きるために (角川SSC新書)
『日本人と「死の準備」―これからをより良く生きるために (角川SSC新書)』
山折 哲雄
角川SSコミュニケーションズ
798円(税込)
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 日本に生まれてくる人間の数と亡くなる人の数、いったいどちらが多いかご存知ですか? 

 実は2005年になってこれまでのバランスが逆転しました。日本人の死亡者数が出生者数を上回ったのです。厚生労働省の人口動態統計の年間推計によると、国内の日本人は2005年の1年間に1,067,000人が生まれ、1,077,000人が亡くなっています。1万人の自然減というわけです。

 「宗教と現代社会」や「死」をテーマにした著書を多数持つ宗教学者・山折哲雄氏は「生きることと死ぬことを、ようやく同じ比重で考えなければならない時代がやってきた」と言います。これまで私たちは、生きる力が大事だと次世代に向かって言ってきました。共生とばかり旗をふってきましたが、共生供死とは言いませんでした。
 
 また、人生50年という言葉も過去のものとなり、人生80年時代が普通に使われる言葉となりました。「だからこそ、生きることと死ぬことの比重を同等に考える必要がある」と山折氏は指摘します。50歳以降の30年、40年、50年をどう生きて、いかなる死に支度をするのか。また、看取る、看取られるということはどういった意味を持つのか。

 山折氏の近著『日本人と「死の準備」』には、「うつの時代を生きる作法と死ぬ作法」や「自然死と医療死」など、これからの時代をより良く生きるためのヒントがちりばめられています。

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