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私の嫌いな10の言葉
【新潮文庫】
中島義道
定価 420円(税込)
2003/3
ISBN-4101467226
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
池田 智恵
評価:B
日本的な全体主義に対して、徹底的に怒りまくっている本である。例えば、「お前のためを思って」という言葉。ここには、自分のために相手に変わってもらいたいのに、それを口に出さない狡猾さと、相手は自分より下位の人間だから説教してやるという傲慢さがある、と中島義道は言う。彼の論旨は正しい。個人的に著者がここに挙げた言葉は嫌いだし、本文中の論旨にも共感している。ただ、こういう怒りが生のまま表出されている本は精神状態を選ぶ。自身がなにかに対して憤慨しているときなら、「よくぞ言った!!」という気分にもなるが、そうでないときは本書の全体に漂う息苦しさに巻き込まれしんどくなる。だって、実際は世の中がダメダメでも毎日生活しなきゃいけないんだから。著者が憤慨し続けることのできたのも、大学の先生という特殊な職業だったからなんだろうな、などと思ってしまった。まあ、だから大学の先生というのも必要なんだろうけど。
延命 ゆり子
評価:C
これだけ共感できない本も珍しい。私がこの本を読んで嫌悪感を抱いてしまうのは、論旨が的外れということ以外にも、著者が感受性のエゴイストを自認しながらそれを社会に認められたい、評価されたいと思う気持ちが拭いきれていないからだろう。著者はマジョリティから嫌われて損な道だとわかっていながら茨の道を行くエゴイストが好きだ、と言う。また、「みんなと一緒」が耐えられず、たとえ自分が楽になるような社会(運動会や遠足をしないような社会)が実現しても、それがメジャーになって「みんなと一緒」という状態になれば、それはそれで居心地が悪い、とも言う。ということはエゴイストばかりで他人の気持ちを考えない著者のような人が大部分の社会も気に入らないということだ。この人、一体どうしたいんだろ?結局マジョリティを否定して攻撃するわりには、マイノリティでいることの覚悟が出来ていない気がする。「わかってもらえない」ことに対する世間への恨みが強くて、大人なんか嫌いだー!ていう中学生のときの気持ちを思い出しました。
児玉 憲宗
評価:B
10どころではない。中島義道さんの嫌いな言葉が溢れるほどに登場する。言葉だけではない。中島さんが嫌ういろいろな事柄が次々と紹介されている。中島さんの嫌いなことの共通点は、立場が上の人が一見教え諭しているようで実は自分自身の間違った価値観を押しつけること。たとえば「おまえのためを思って言ってるんだぞ!」のような言葉。
中島さんは自分の意見を理解させるために、妥協せず、徹底的に論じる。腹芸とか社交辞令などは虫唾がはしるほど大嫌いで容赦なく罵倒する。思い出すだけで腹が立つようなこと、口に出すのも汚らわしいものを例に出し、腹を立て、汚されながら、自己主張する。
中島さんは哲学を専門とする大学教授である。同じ職業を持ち、中島さん同様の人気を誇るたくさんの著書を出している人に、土屋賢二さんがいるが、恐ろしいほどに対照的である。片や、可笑しいほどに生真面目、もう一方は、哀しいほどに不真面目。
鈴木 崇子
評価:AA
中島先生の本を読むと冷静でいられない。日常生活を平穏かつ円満に送るために閉ざしてきた禁断の扉がこじ開けられてしまうではないか。(しかし、ホントはそれを望んでいるのだ!) 「常識的な価値観」にどっぷりつかった精神的な「マジョリティ」による「優しさの暴力」が猛威を振るう「野蛮な多数決社会」――への怒りが溢れ出し、明日からまっとうな社会人生活を営めなくなるはず、なんて大げさか・・・。 と同時に、もやもやとした感情に明確な定義付けと論理的な説明が与えられ、すっきりするのだ! ちなみに、「10の言葉」の中で私の最も嫌いなのは「おまえのためを思って言ってるんだぞ!」だろうか。親切めいた言葉の裏に潜むものを著者は気持ち良いくらい徹底的に暴き出している。
とはいえ、(他の著作では自らの落ちこぼれぶりを赤裸々に告白しているものの)東大卒で大学教授、ウィーンに別荘という客観的には恵まれた現実とのギャップ。そして、尊敬されるのを嫌悪しているご様子だが、皮肉なことに精神的な「マイノリティ」にとって心の教祖となっている現実。それでも、やっぱり、中島中毒からは抜けられない!
高橋 美里
評価:B
哲学者という方はとても文章が上手い。土屋賢二さんもそうだとおもうのですけど。
今回のこの作品はタイトルとおり、中島義道の嫌いな言葉に関するアレコレ。
たしかに、自分の生活やその周りを思い返すと「ああ!これは」とうならせられる言葉が多い。言葉っていうのは、とても「カンタン」でとても「タイヘン」なことなんだなぁ。と実感。(日本語が難しいだけなのかしら・・・。??)
中原 紀生
評価:A
『孤独について』を読んで以来、怒れる哲学者(イカれた哲学者ではない)中島さんのエッセイのファンになった。中島さんは押しつけがましい「共同体」を嫌う。言葉がまともに通用しない「世間」や「集団主義」を断固拒否する。「私ははっきり語ること、それを文字通り信じることに(大げさに言えば)命を懸けたいのです」。本書に出てくるこの言葉は、かつて『哲学の教科書』で示された哲学の定義──「あくまでも自分固有の人生に対する実感に忠実に、しかもあたかもそこに普遍性が成り立ちうるかのように、精確な言語によるコミュニケーションを求め続ける営み」──にぴったりと重なり合っている。つまり、哲学的問題と格闘することは、人生に対する態度の変更・決定の試みにほかならないということだ。(でも、こんな生き方は疲れるだろうし、周囲の人間はたまったものじゃないだろうな。)本書には、中野翠さんや塩野七生さんへの、まるで女神を敬うような純情なまでの賞讃の言葉や、含羞の人(?)中島義道の言い淀みがいっぱい出てきて、とてもいい。宮崎哲弥さんの「解説」もいい。
渡邊 智志
評価:C
10の言葉そのものがあげつらわれているわけではなく、その背後にある姿勢や思考が批判されていて、同じ内容が繰り返されています。10に分けなくても良かった? ひとつひとつの事例はなんとなく頷いてしまうような、言いくるめられてしまいそうな論調なんだけれど、批判されている状況が一般的なのか特殊なのかが判らない。突然テレビ番組に文句を言い出したかと思うと、その背後にある「悪意」について説明を始めたりする。…そんなの知ってるよ。知っていながらそうせざるを得ない世界が存在したっていいじゃん!? 10の言葉を耳にすることがほとんど無い(か、聞いても初めから重要な言葉として聞こうとしていない)ので、実感が沸かないところが多かったです。文句の内容は正しい。でも文句を言われる状況にもいちいち理由があって、それが不可避だったりする。そんな社会に生きているんだけれどなぁ。7章「弁解するな!」批判は好感が持てました。