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エロ街道をゆく
【ちくま文庫】
松沢呉一
定価 819円(税込)
2003/2
ISBN-448003787X
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
池田 智恵
評価:A
エロ話である。しかも、実体験をふまえたあけすけなエロ話である。面白いぞ、これは。
SM体験、バイブ、ブルセラ女子高生にインタビュー、コンドーム日米比較……。バラエティー豊かな品揃えにお父さんも大満足!と喧伝したくなる幅の広さもさることながら、作者の客観性が産み出すおかしなテンポの文章がいい。ブルセラ、スカトロ、女装……物事を全て、主観的な平等さで判断できる冷静さがいい。楽しげにエロ話を書いているのに暴走しない、品の良さもいい。
〈翔子女王様はちぢこまっている私のチンポをヒールの先で弄ぶ。大切なチンポをそのように粗雑に扱うのはいけないと思う〉
こののほほんとした感じ。いやあ大好きだ。かつて、ロシア語通訳者・米原万里さんは言った。「エロ話は万国共通」。その通りだと思う。この本には、万国共通と呼ばれる資格がある。日本の皆さん、この本読んで笑おう。
延命 ゆり子
評価:B
エロ道を走る作者。その衰えぬ探究心にいやらしさは感じない(あんまり)。マッサージ器を使ったオナニー、SMや混浴。見知らぬ世界を垣間見せてくれて、興味津々でフムフム読んでいたら、最後にドカンと凹むところが。スカトロシスターズの記述だ。とにかく汚く恐ろしく、それが普通の精神状態で出来るはずもなく、案の定精神を病んでいる女の子たち。人間ができるとは思えないようなことをしているふたりのレポートは衝撃的。現代の社会を論じようとすると、どんな角度からにせよ、大体は辛い結果になるんだ。自分とのバランスをとるためには仕方のないことだけれども。自分たちの辛さや哀しみを共有する為の身を寄せ合うようなセックスも勿論良いけれど、私はやはり心から楽しめるようなセックスをしたいと思った次第です。
児玉 憲宗
評価:B
思うところあって、セックスを絶っていた松沢呉一さんが、再び、思うところあって、セックスを突き詰めるために「欲望の世界」へとその身を投じた。底がまったく見えない深い深い世界である。
いくら深いからといって、ここまでからだを張って仕事をしても良いような気がしないでもないが、何ごとも「極める」ことは尊い。
連載を続けるなかで、自ら原稿をボツにしたり、次第にテンションが下がって来たなどと心情を吐露する姿も興味深い。身も心も露出狂ということか。
この偉大なるライターに賞賛の拍手と栄養ドリンク一年分を捧げたい。
鈴木 崇子
評価:C
あっけらかんとした、性のルポだ。でも読後感は意外と重い。なぜか? コミカルでシニカルな語り口の向こうに生々しい人間の欲望が垣間見えてしまうからかも知れない。SM・スカトロ・バイブ・女装などなど幅広いレポートの中で、興味を引かれた(?)のは「裸の触れ合い」だ。男女問わず2人で風呂に入り、語り合うという芸術活動。裸でいるより着衣の時の方がよりそそられたという著者の反応こそ、エロの何たるかを物語っているように思える。浴場で、欲情のメカニズムを体感した訳か!?(スイマセン)
そして、エロは語れば語るほどいやらしさがなくなってゆく。登場するプロ・アマ(=素人さん)、みんな堂々とオープンに自分を語っている。ここまでさらけ出せたら、宿便を出したように爽快に違いない。(経験はないが) 結局人間ってあらゆる欲望を内包しているということなんだろう、自覚のあるなしに関わらず。
中原 紀生
評価:B
「死んでもいい」とまで思わせる性的快楽って、いったい何なんだ。それが実はよくわからない、というのが松沢さんの答えである。「性的快楽というのは、それ自体無条件に成立するものではなく、非常に精神性が強く、あいまいなものでさえあることがわかる。実は性的快楽の実体さえもわかっていないのが我々の科学というものだ」。だから、性的快楽とは何か(性科学)は、実験室での観察や書斎の思索ではなくて、妖しげで蠱惑的な横丁での、自分自身の器官と皮膚と前立腺をつかった実験(実地の体験)によってしか究めることはできない。ここに、風俗ライター(エロライターとも)としての松沢さんの方法序説が高らかに宣言されている。(「我勃起する、ゆえに我あり」?)──ジョルジュ・バタイユは、「死は涙に結びついているが、性欲は時として笑いに結びついている」(『エロスの涙』)と書いている。この「涙」と「笑い」こそ、本書にもその名が出てくる代々木忠さんの不朽の名著『プラトニック・アニマル』の世界に通じる、松沢さんの文章の潔さのゆえんなのだが、ここでバタイユなど引用したのは評者のテレ以外の何ものでもない。
渡邊 智志
評価:B
これは面白い。素直に読める記録です。ありきたりの風俗体験ルポに見せかけて、非常に丁寧に風刺を展開しています。ふざけているように見せかけて、根底にはかなりしたたかな論陣を張っていますね。油断できない書き手だと嬉しくなりました。今では大した問題にならないであろう表現や嗜好の問題も、10年ほど前はこんなに閉塞感があったのですね。驚きです。セックスが絡む問題は、初めは興味本位で受け取られてしまいますが、モノによっては大真面目に論じなければいけない内容もある。かと言って大上段に構えていちいち目くじら立てていると、初心者には敬遠されかねない。とっつきやすい軽味を装って、溜め息のようにさり気なく常識や偽善を揺さぶり、奇妙だと思ったことにははっきり奇妙と言う姿勢が小気味よいです。追記からも書くことを楽しんでいる姿が見えて、これも楽しめます。話題が古くなってしまっているのがもったいない。最近作の出版を希望!