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愛がなんだ
【メディアファクトリー】
角田光代
定価 1,470円(税込)
2003/3
ISBN-4840107394
大場 利子
評価:B
共感できればいいってもんじゃないんだ。
まるで自分だ、なんて思えればいいってもんじゃないんだ。
それでも印象濃く、読み終わって何日たっても、忘れなかった。それぞれの場面で、松任谷由実のその場面に合う曲が頭の中を流れる。いやだよ、いやだ。リアリティってそんなに大切ですかと、誰かに聞きたくなった。素直にこの本を褒めたたえ、受け入れるには、今は、痛すぎる。いつかもう一度読み返してみよう。その時になっても、痛かったりして。
●この本のつまずき→「ぶっちゃけさ」と言う人、この物語の中にもいた。これもリアリティなのか。
新冨 麻衣子
評価:C
毎月、どこだかの女性誌には載っているであろう"いい恋愛"の定義をぶっ飛ばすかのように、<恋愛負け組>を突っ走るテルちゃん。好きな男に利用され、バカにされ、ここまでくればすごいの一言に尽きる。好きな男・マモちゃんの恋愛相談に乗ってやるわ、お膳立てしてあげるわ、マモちゃんの好きな女のためにプレゼントまで買いにいってやるわ。飽きもせず繰り返される恋愛お悩み相談聞かされたみたいで。舌打ちしながら「そんな男、別れればいいじゃん」と言い捨てたい気分なのに<だったらどこにもサンプルのない関係を私がつくっていくしかない>って開き直られても・・・。うーん、じゃあがんばってくれ。と言いたいけど、それは昔から呼ばれている“便利な女”なのでは?でもなんだかんだ男に尽くしてるようで、結局自己中心的なだけという気がしないでもないし。友達だったらもっと親身に相談に乗ってあげたいけど、ねー。
鈴木 恵美子
評価:A
マモちゃんみたいなしょうもない男に入れあげ「五周くらい先回りしてへんに気を遣うとこ」を却って疎まれても、性懲りなく「気まぐれな飼い主をひたすらに待ち続ける馬鹿で悲しい犬みたいな」テルちゃん。あんな「自分系」の「おれ様男」に「便利系」に使われ、「都合のいい女」になって女の価値を下げてると女友達に叱咤されても、恋はほとんど妄想とわかっていても、やめられない関係。愛なんてなんでもないような振りして愛より深い関係性にどんどんのめり込む。マジこわいっすよ。ホント角田光代さんかわいい顔してさりげなくディープにコワイ世界を書くんすっね。マモちゃんは「煮詰まった関係が嫌」なすみれさんに惹かれて、煮詰まっていくマモちゃんを疎むすみれさんはテルちゃんを巻き込み、三角関係でも恋でも愛でもない、この不思議な関係性は何?めちゃくちゃ愚かそうに見えて確信犯的にクール。ぼろぼろに崩れちゃいそうで実はしたたかに「愛がなんだ」とどこにもない関係に果てしなく執着し続けドロドロしないたくましさ。こんな力ある書き手にあげなかったなんて賞の値打ちが安くなったよ!
松本 かおり
評価:C
「この女、ひょっとして大嫌いかもしれないのに、なんか嫌いになれないのはなんでだろう」など、各章冒頭のツカミが巧い。誘い込まれて読み始めるうちに気がついた。これはまさに、反面教師的恋愛物語ではないか?
主人公のテルちゃんは、マモちゃんなる男にぞっこんなのだが、彼女の惚れかた、好き表現のしかたときたら、一途というにはあまりに執着が強すぎる。生活のすべてにおいてマモ優先。滅私奉公の恋愛奴隷。「私はただ、マモちゃんの平穏を祈りながら、しかしずっとそばにはりついていたいのだ。賢く忠実な飼い犬みたいに」? 私がマモならゾッとするぞ。はりつかれるなんて。
読むほどにテルちゃんにゲンナリしてくる。あ〜あ、こういう想いかたはしたくないな〜ヤダヤダ。こんな物欲しげなミジメな女にはなりたくないっ。その反動がみごとに読後にやってくる。ホレタのハレタのばっかじゃしょーがないだろがっ!もっといい関係だってあるだろがっ!エネルギー沸騰、ついに私は叫ぶのだ。「愛がなんだっっ!」
山内 克也
評価:A
読み終えると、こめかみに指をあて、しばらく考え込んだ。
「これが、倉田真由美(漫画家)の言う『だめんず・うぉ〜か〜』というものなのか」
主人公の女性の行動に対し、読み進めるうちに、不快曲線が急速に右肩上がりへとカーブを描く。彼氏から頼まれ、夕食を買ってきてアパートまで届けたのに追い出され終電を逃したり、他の女性へ贈るホワイトデーのプレゼントを買いに行かされるなど、とにかく、性格的に破綻している男に唯々諾々と従う主人公にイラ立つのだ。
この恋愛の理不尽さは、主人公の救われない行動をひたすら浮き彫りにするしか描けないかもしれない。そして本を閉じ読み手に「愛がなんだ」とため息をつかせる、著者の手練れなストーリーにはまってしまった。
山崎 雅人
評価:C
鈍感で無神経な俺様男マモちゃんに、なぜかぞっこんの山田テルコは「好きである」と「どうでもいい」の二分法で生きている。
彼女にとって彼は、欠点までも愛おしい。都合のいい女がほめ言葉に聞こえる程に、盲目的に尽くしたい存在である。彼のためなら、会社は休むし、暇つぶしに残業だってする。
テルコの純粋と狂気のあいのこのような愛情放射に、並の男はたじろぐであろう。
そんな純愛に気がつかない馬鹿男、マモちゃんは、さばさば女すみれさんの尻を追いかけ回す。一方通行の三角関係の成立。テルコは新しい恋愛の形を模索し始める。
大胆なようで、実は繊細で深い愛情が、コミカルに描かれている。嫌なやつなのだが憎みきれない、愛すべき登場人物たちもいい。
しかし、最後には無理に恋愛しなくてもいいんじゃないかと思ってしまった。度を過ぎている感じがしたのだ。共感と嫌悪が紙一重の、愛情100%の物語である。