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ダークライン
【早川書房】
ジョー・R・ランズデール
定価 1,890円(税込)
2003/3
ISBN-4152084804
大場 利子
評価:A
ドライブ・イン・シアターがわが家。母屋の壁がスクリーン。「露のしずく」がその名前。なんて素晴らしい。母屋の壁がスクリーン!の家を想像出来ただけで、幸せだ。
誰もが、誰もに、興味を持ち、思いやる。お節介とは違うもの。ひどい事件が数々起こるが、読後感は心暖まるものだ。13才にしては、まだまだ幼い主人公の話す言葉が、いやな事件を薄めたり色濃くしたりする。こんな夏休みだったら、体験してみたい。
●この本のつまずき→前作「ボトムズ」を読んでいないことを後悔。
鈴木 恵美子
評価:B
1958年、わずか半世紀足らずの過去が随分遠く感じられる。黒人には公民権もなく、差別と偏見が良識を圧倒していた。女性も「立場をわきまえ」人権や平等を声高に主張することなく、ドメスティックバイオレンスは父の権威で、子供は服従的だった時代がよく描きこまれている。戦勝国アメリカは無敵、「世界はすべて順調」と思いこんでいた13歳にしては無知過ぎる無垢な少年時代の物語。ドライブインシアターを買ってテキサスの田舎町に引っ越してきた一家、家族を守るためなら暴力も辞さない父、しっかりもので父の差別意識をはっきり諫める母、美人でちゃらちゃらしているようでも賢明な姉といった堅実な家庭のすぐ裏に広がる森の中、焼け落ちた屋敷の残骸と地中に埋まった箱を発見した少年の謎解きが始まる。線路際に出る首なし幽霊を見に、真夜中に出掛け危険な男に追いかけられ間一髪で列車をかわすところなど「スタンドバイミー」の二番煎じのような所々も…。謎解きに協力してくれる飲んだくれの黒人映写技師は少年を導き助ける老賢者の風格がある。いつも側にいて守ってくれる犬等、人生にあらまほしき存在感が何とも言えずいい。
松本 かおり
評価:B
主人公のスタンリーが「記憶に残る日々のこと」を回想した物語。偶然見つけた金属製の小箱。中にあったラブレターと日記の切れ端が、焼け落ちた邸宅に少女の焼死体、首なし死体や幽霊を呼び起こし、そこに姉貴の恋愛やら黒人差別問題、友人宅の家庭内暴力まで絡み合ってエピソード満載。
事件の真相究明だけに期待して読み始めると、少々散漫で物足りない。しかし、そこが警察主体の犯罪捜査小説とは一味違う味、と割り切りたい。本作品では、ウブなお坊ちゃんだったスタンリーが、あれよあれよという間にぐぐっと精神的成長を遂げていく過程こそ見物なのだ。
スタンリーを一段と成長させるのが、黒人映写技師・バスターとのやりとり。飲んだくれの独居老人だが、スタンリーにものの考えかたやとらえかた、人生の複雑さを教える台詞がとてもいい。「いつもすっきりするとはかぎらない。だが、部分的にすっきりしたり、かなりいい線いったりそういうこともある。覚えておくといい、人生は愉しむもんだ」。本書もまた、しかり。
山崎 雅人
評価:B
テキサスの田舎町。13歳の少年は、古ぼけた箱を発見する。そこには、愛を綴った手紙と日記の切れ端が入っていた。持ち主を詮索するうちに、ある殺人事件にたどり着く。
少年は、真相を突き止めるため、捜査を開始する。平凡なはずだった夏休みは、生涯わすれられない、特別な夏となった。世間知らずだった少年は、おおいなる勇気を手に入れて、おとなへの一歩を踏みだす。
本書の魅力は、謎解きではない。その過程で体験する出来事にある。両親にさえ秘密の体験により、少年の目の輝きが増していく様子が、情緒豊かに、生き生きと描かれている。初めてのものに触れた時の快感、不安や恐怖が、手に取るように伝わってくる。
そして、冒険小説に必要な要素を星の数ほどちりばめた、きらびやかな物語は、読む者を惹きつけてやまないであろう。少年のころの目線を取り戻すことのできる、ノスタルジックな世界に酔いしれたい。