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└2001年5月
アリスの夜
【光文社】
三上洸
定価 1,785円(税込)
2003/3
ISBN-4334923895
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
大場 利子
評価:C
物騒だ。
偽造クレジットカード・シャブ・密輸船・自動小銃・借金・街金のオイコミ・整理屋・インチキの芸能プロダクション・殺人……。思いつく限りの悪事を並べたようだ。まったく、この世界は、あんなことこんなことだらけで、裏もあり、大変なのである。確かに主人公は大変な目に合っている。だが、感情移入も共感も応援も出来ない。他人事でしかない。物語を繋げるためだけに、盛り沢山になられても、自分は盛り上がってこなかった。
●この本のつまずき→「Tストラップ・パンプスに真っ白なオーバーニーがとても愛らしい。」オーバーニー……。考え込んだ。
鈴木 恵美子
評価:B
のっけから、少女売春、麻薬に銃撃と玄人筋のヤバイお話連射でとばしてる。でも、主人公は地味系の冴えない素人。だが、窮鼠猫を噛むと言うか、一寸の虫にも五分の魂というか、痛めつけられ、脅され、追われても、屈せず、諦めず、逃げる。守る。戦う。この真剣さに打たれる。脱サラして始めたジャズバー経営に失敗した30男、もう失うものは何もない体をかたに取られ、売春少女お届け運転手にさせられる。そのまともでない世界から何とか逃げ出そうというフツー感覚が麻痺してないところがいい。聖なる美少女娼婦アリスに「マー君」と呼ばれ、惹かれ溺れそうになる妖しい感情から踏みとどまって、彼女のフツーの少女としての幸せを願うところが人間的。だから表紙の人形の写真はちょっとミスマッチのように感じられた。アリスは決して人形のようにもてあそばれる存在ではなかった。逃避行の中では守られるだけでなく、助け合いさえする。知恵と行動力のある生身の女の子として魅力的に描かれているのだから。
松本 かおり
評価:C
「アリスには、人の心を惹き付ける魔法のような魅力があった。彼女に出会ったものは誰でも、それから何日かの間とても幸せな気分でいられる――そんな魅力だった」。いい年をした大人が美少女娼婦を前に鼻の下を伸ばしてヤニ下がる。そういう世界の存在は知ってはいるが、どうもついていけない。
主人公の真彦も、アリスは『積み荷』のはずがいつしか虜に。「初恋ってのは、ハシカかオタフク風邪みたいなもんね」とは真彦の元恋人・京子の弁だが、年食ってからのオタフクのヤバさ同様に、大人の初恋も相当ヤバイ。結果、真彦は正義感と愛情の入り混じった逃亡劇に身を投じる。この逃亡劇はスリリング。発信機やカードといった小道具を巧みに絡め、地元住民もまさに「捨てる神あれば拾う神あり」。どこでどうカタがつくのか、読み進まずにいられない。
気の毒なのが京子。男に都合良すぎる描かれ方に思えてしまう。別れた昔の男のモメごとに巻き込まれるなんてまっぴら、と思う私が冷たいだけかね。
山崎 雅人
評価:C
借金取りをはめるチャンスを逃し、雅彦はやくざの奴隷となってしまう。与えられた仕事は運び屋、荷物は少女である。人間の尊厳を失いかけていた男は、荷物として出会った少女、アリスの魔性に瞬時に魅せられてしまう。逃亡を謀ったふたりは、執念深い追跡をかわし、逃げおおせることができるか。
洗練された表現に、性と暴力の生々しさは感じられない。その語り口は切れがあり、後味も悪くない。逃亡劇のスピード感は抜群で、流れの良さで読まされてしまう。
しかし、すいすい読めてしまうぶん、引っかかる場面も少ない。迫力ある場面がもっとあっても良いし、淡泊な描写は、少女の純粋さや魔性の魅力を、十分に伝えきれていないと思う。ストーリー展開のうまさに比べ、登場人物の魅力がいまいちなのだ。
『踊る大捜査線』のように、活字よりも映像で活きる作品なのではないだろうか。せつないラストなんか、結構決まると思うのだが。