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贖いの地
【新潮文庫】
ガブリエル・コーエン
定価 740円(税込)
2003/5
ISBN-4102002111
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
池田 智恵
評価:B+
重松清がアメリカ人になってミステリー小説家でスタートしたらこんな感じ?という極めて乱暴な表現をさせていただきます。
自分の人生を肯定的に見ることができない心に傷を負った警察官がいて、離婚した妻が連れて行った息子がそばにいて、今はすっかり荒れ果ててしまった故郷があると。物語は移民の青年の不信な死の理由を突き詰めようとする主人公の行動に沿って動きますが、作者のこだわりは謎解きよりも息子や、新しく出会った女性とうまくコミュニケーションできない主人公を書くことにあるよう。そのこだわりはきちんと実を結んでいて、とてもしみじみした話になっているのですが、なんだかぐっとこない。その物足りなさはどこから来るのかと考えてみた場合に、重松清の名が浮上してきたわけで。内面性を抜きにして比較すると、重松清にあって「贖いの地」にないのは細部に対する「共通認識」といういかんともしがたい代物だと思った次第です。
児玉 憲宗
評価:C
「仕事で忙しかったんだ」。ジャックの言い訳はいつもこれだ。たった一人の息子も大切なガールフレンドもかつての妻も彼のこの言葉に呆れ果てる。百戦錬磨の敏腕刑事のもう一つの顔でもある。ジャックが育った地で起きた事件が原因の“トラウマ”よりも、彼と彼の愛する人たちとのズレの方が重くせつなく感じられた。わたしにも心あたりがあるからだろうか。
中原 紀生
評価:A
これはレッド・フックという、寂れた土地の記憶にまつわる物語だ。息子に「負け犬」と呼ばれたひとりの中年男の孤独と新生の物語だ。人が無惨に殺され、憎むべき真犯人がいて、そこには様々なヒューマン・ファクターが介在している。この結構だけをとりあげてみれば、典型的なミステリーそのものなのだが、この作品はけっして犯人探しがテーマなのではない。そこに興味の焦点をあてて読み急ぐと、読者は肩すかしを食うだろう。見捨てられた街のみすぼらしいたたずまいと、自分を見失い寂寥の淵に喘ぐ男の凍りついた魂。この二つの闇が交錯し、鈍い光の射しこむ方へ向かって真実への扉がおずおずと開く時、救済への、そして赦しへの律動が高まっていく。乾いた叙情感の漂う文体で綴られた逸品。
渡邊 智志
評価:B
刑事モノ・ハードボイルド・ミステリー・サスペンス…。呼び名はなんでもいいのですが、何冊も読んでいるとそれらが渾然一体となって見分けがつかなくなってきます。読んだことを忘れて、本屋で手に取ってパラパラとあらすじを見ても見分けがつかなくて、もう1冊買ってしまうようになったら、けっこう重症でしょうか。この作品には、そんな危うさがあります(なんだそりゃ)。印象が地味だ、というのは決して否定的な評価ではないのですが、読者が期待するのはもうほんの少しの“派手さ”ではないでしょうか。泣かせの要素が散りばめられているのも作者がやりたいことはすごくよく判るし、登場人物への共感も充分すぎるほど感じられるのですが、どうしても今一歩な感じが拭えません。新潮文庫から出た、という偏見も手伝って、これっぽっちでフェイドアウトしてゆくのだろうな、と淋しく感じてしまいました。これが講談社か文春だったら続編に期待するのにね。