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不在の鳥は霧の彼方へ飛ぶ
【ハヤカワ文庫SF】
パトリック・オリアリー
定価 987円(税込)
2003/5
ISBN-4150114447
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
池田 智恵
評価:B+
死後の世界にあって自らの死を自覚していない中年の兄弟二人が、謎の男に互いを探し出すように命令される。お互いのことを探る過程で、二人の過去と同時に、不可思議な死後の世界の謎が解き明かされてゆく。CM監督と英文学教授という、違った性質の職業に就いた二人が、お互いに持っている負い目が徐々に明らかになり、兄弟の関係は最後に不思議な和解をむかえる。フィクショナルな状況でしか成立し得ない行動を登場人物にとらせることによって、一つの真実を導く手法がいかにも小説らしくていい。穏やかな悪夢といった趣の情景が、うまい具合に悲しみを盛りあげている。閉じた死後の世界にあっても懸命な人々が与える、寂しげな印象が美しい。小説らしい小説なんで無理なんだけど、映像で観てみたい。
と、思っていたら似たような夢を見た。怖かったけれど面白かった。
児玉 憲宗
評価:B
まったく正反対の性格をした兄弟による、それぞれの冒険を描いた物語。そう、これは紛れもなく「冒険小説」なのだ。「それぞれの」と言ったが、「ひとつの」冒険ともいえる。いずれにしても二人の不思議な旅が交互に繰り広げられる。まるで蜂鳥の羽ばたきのようにせわしなく。もちろん、このせわしなさも作品がもつ持ち味のひとつだ。
マイクとダニエルも相当変わり者だが、二人がまともに見えるほど、常軌を逸した破天荒なキャラクターが息継ぐ間もなく登場し、物語をひっかきまわす。二人が、早くゴールにたどりつきたいと願うこの長い旅をキャラクターたちは、やすやすとはゲームオーバーにしてくれないのである。そして、ドタバタSFコメディと信じて疑わなかった長いゲームのシリアスな結末にいい意味で裏切られる。
この作品のテーマは「死」である。自分の死に翻弄される兄弟の姿に、「死」は「生きること」よりも大変だと思い知らされたのである。
中原 紀生
評価:B
UFOを目撃した少年時代の兄弟の話から、「ダニエル・グリンが、自分が死んでいることを知らなかったとしても、無理はなかった」といきなり飛躍されても、困ってしまう。成人したマイクとダニエルの兄弟のまわりで、訳の分からない出来事が続き、説明もないまま、Dで始まる魔法の言葉(デス)やらハミングバード(ありえない鳥)、空飛ぶ男だとか越境者だとか、思わせぶりな言葉を繰り出されても、つきあっていられない。この作品の「夢の論理体系」がP・K・ディックの世界に通じていると言われても、冗談でしょう、せいぜい『マトリックス』程度の安っぽいアイデアじゃないかと思ってしまう(映画そのものは好きです)。でも、投げ出したくなるのをこらえて最後まで読み進めていくと、とてもリリカルで、静謐で、不思議な安らぎに満ちた結末に出会うことができる。──気に入った台詞を一つ。「相手はエイリアンなのよ。まったくちがう生命体。魚はわたしたちの直接の先祖よ。魚も人間も水から生まれる。子宮のなかで水にひたされて命をさずかる。鳥はちょっとべつの生きものなのよ。エイリアンが鳥に共感したとしても不思議はない。逆もまたおなじ。奇妙ね。鳥は人間の言葉を真似できる唯一の動物で、歌もうたえる。それでも鳥は、完全な他者なのよ。鳥の目に映る世界を想像してみて」(キリスト教で、魚はイエスの象徴です。)
渡邊 智志
評価:B
わー! 裏表紙を先に読んじゃった! ダメだよっ、こんな内容バラした要約書いちゃ! 仮想世界とか脳味噌の中とか意識とか無意識とか生とか死とかその他諸々、この手のアイデアはSFの中でも今最も“熱い”ネタなんだから、そこに至る過程こそが丁寧に楽しみたい最重要ポイントなんですよ。こういう設定は、いろんな人が思いついているですって。目新しさは期待できないから、表現と演出そのものでじっくりと腰を据えて味わわなければならないんですって。流行の映画でも手を替え品を替えなんとか映像化しようと試みているけれど、やっぱり文字だけで制限なしに表現できる小説は、想像力の飛躍の度合いが一歩も二歩も先を行っていると思うのです。内容は少し感傷的かもしれませんし、なんだか無駄な部分もあるような気もしますが、この終わり方はかなりイイです。たぶん、嫌い、と評価する人のほうが多いような気もしますが、ちゃんと結論出てますし、良し。