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五輪の薔薇
(1〜5)
【ハヤカワ文庫NF】
チャールズ・パリサー
定価 (1)840円(2)1,050円(3)840円
(4)987円(5)798円(税込)
2003/3〜7
ISBN-4150410321
ISBN-4150410356
ISBN-4150410380
ISBN-4150410402
ISBN-4150410410
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
高橋 美里
評価:A
全5巻、超大作であります。この夏読んだ本で一番長いかもしれません。
舞台は19世紀ロンドン。ジョンが一台の豪華な馬車を見かけたことから物語りは始まる。馬車に刻まれた紋章と我が家で使っている家具に刻まれた紋章、それが五輪の薔薇。それはほんの始まりにすぎない出来事だった。
まるで激流にのみこまれるように、運命に翻弄されていくメランフィー親子。
まるで表のように描かれる貴族社会とは全く違うイギリスのアンダーグラウンドをどこまでも濃密に描ききっている。
血族の争い、そしてその闇。本当に飲み込まれそうになります。
カタカナの苦手なわたしにはこの長編の登場人物が一番の難敵でした。
しかしご安心を。文庫の綴じ込みに登場人物一覧がついています。カタカナ恐怖症な皆様、確認しながら読むことをオススメします。
中原 紀生
評価:A
これはもう「長さ」の勝利と言うほかはないですね。たっぷり夏休み二日分の時間を費やし、総数80人超の人物(折り込みの「五十音順登場人物表」がなかったらたぶん途方に暮れただろう)が文庫本五冊二千頁超にわたり血縁、因縁入り乱れて糾う雄編を一気読みして、物理的な「長さ」をもってしか表現できない物語的感興というものが確かにあると実感させられました。私利と陰謀と裏切りにまみれた悲惨な出来事がジェット・コースターのようにこれでもかと繰り出され、さてようやく復讐と正義の時を迎えたかと思うと、「シャレード(芝居)」に絡めとられた「人生の目的」をめぐる主人公の内省が、シンプルな物語世界の進行を突然緩慢なものにする。数世代を遡っての「デイヴィッド・コパフィールド式のくだんないこと」((c) ホールデン・コールフィールド)の奔流は、ほとんど読者の記憶力の容量を超えている。このあたりの過剰と転調を、小池滋さんは小説技法ともからませて「ポスト・モダン的小説」と表現しているのでしょうが、それとてやはり「長さ」ゆえの効果にほかなりません。物語世界に溺れる、というより淫する体験は、ケン・フォレットの『大聖堂』に読み耽ったいつぞやの盆休み以来のことで、あの見事な中世物語ほどの深い愉悦はなかったにせよ、この英国版人形浄瑠璃の世界には、時間を忘れたっぷりと堪能させられました。
渡邊 智志
評価:A
けっして大絶賛ではないのだけれど、この内容をこの長さで、ひとまずきちんと収めてしまったということに対しては、賞賛。久しぶりに読書で徹夜した、という事実も、飽きっぽいくせにのめりこんでしまったということなのですから、敬意を払いましょう。冷静に見返すと、矛盾やツッコミどころ満載なのですが、読んでいる時は勢いにごまかされてほとんど気になりませんでした。補足書を巡るドタバタのはずが、途中からシフトしたのはちょっと残念。しかし、せっかくこれだけの分量とネタがあるのだから、もっと長い話に出来なかったのかな。週刊誌に連載小説の形で、毎回危機的な状況が起こって、翌週なんとか解決していくとか。主人公がもっと年寄りになって、当時の関係者もあらかた死んでしまっていて、すべての謎は明かされない…、というくらいの方が、ラストシーンで演出された現代的なむなしさを、よりいっそう感じさせて、それなりに面白いと思うんだけど。