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├2001年7月
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└2001年5月
マッチメイク
【講談社】
不知火京介
定価 1,680円(税込)
2003/8
ISBN-4062120011
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
大場 利子
評価:B
毎度お馴染み、何も知らない主人公が、犯人探しに奔走する。そこがちょうどいい。本当にこの彼は何も知らないんだなあと、素直に思える分、一緒になって犯人探しに夢中になれる。体を作り上げていく場面の描写もたまらなく、一緒になって鍛えたくなる。知らない世界を十二分に教えてくれて、どうせ八百長でしょ、なんていう発言は今後一切致しません。
●この本のつまずき→猫爪カッターを知らず。中扉のイラストのおかげで、解決。
小田嶋 永
評価:B
猪木対アリの、元祖異種格闘技対決をリアルタイムで体験した当時、友人がいみじくも言った。「野球が筋書きのないドラマなら、プロレスは筋書きのあるドラマだ」「八百長とは違うんだ」、と。冒頭から、「ケーフェイ」「ジュースの後始末」とか、プロレス業界の符牒が続出するが、本編で最も重要なワードがタイトルの「マッチメイク」。主人公・山田と同期の新人レスラーで、簿記1級・英検準1級の本庄が言う。「そもそもが真剣勝負じゃない。言ってみれば舞台芸術なんだ」「だからプロレスはおもしろいんだよ。」そのおもしろさを演出するのが「マッチメイク」。本作品は、そのプロレスのおもしろさを、主人公のわかりやすい性格とともに十分にいかした物語だ。リングで起きた殺人事件は、マッチメイクがその引き金なのか。主人公をはじめとして、プロレスを愛し、強くなることを夢みるレスラーたちが、事件の真相に迫るなか、第二の殺人事件が…。殺人の動機や方法など、ミステリとしての仕上げに少々無理を感じるが、ユニークな舞台を紹介した秀作として評価したい。
鈴木 恵美子
評価:B
マッチョ男大嫌い。プロレス、ハッキリ言ってお金くれても見に行きたくない。人生短いのにタダでもプロレス小説なんて読みたくないなあと思っていたけど、それが結構面白かった。それは一つに、主人公の新米レスラー山田聡のキャラクター、ナイーブさが魅力、「大男総身に知恵が回りかね」みたいなところもあるけれど、何しろ純粋に一生懸命強くなろうと頑張ってるところが、爽やかだった。苛酷なシゴキでたった二人きりになってしまった新弟子同期の本庄の訳知り解説でプロレスは、「そもそもが真剣勝負じゃない。言ってみれば舞台芸術なんだ。」「夢を売る商売なんだよ。映画と同じでね。」と、その内側の事情を学習していくのだが、結局彼はリング上のスターになる道ではなく、「門番」つまり真の強者ながら表向きは万年前座レスラーになる道を選び、特訓を受けることになる。そのトレーナーである現役「門番」丹下さん、あらゆる格闘技を極めても縁の下の力持ちで爪を隠した能ある鷹を演じるキャラもシブくてなかなかの存在感。「殺し」の犯人探しは素人臭くてモタモタしてるけど、それもご愛嬌。ミステリーというより初々しい青春小説、今時珍しい純粋な成長物語として楽しめた。
松本 かおり
評価:B
看板に偽りなし。「プロレスに関心のない方にも楽しんでいただけるエンタテインメントに仕上げたつもりです」という著者の言葉どおり、プロレス無知で予備知識ゼロの私でも、最後まで退屈しなかった。
興行の裏事情もさりげなく織り込まれており、「へええ〜、そうなんだ」と感心することしきり。たとえば、プロレスは「舞台芸術」という点。流血も場外乱闘も凶器攻撃も、ある程度計算された演出ならば、再起不能の怪我人が続出しないのも納得がいく。「試合」といえど、しっかり観客を意識したショー、見せるための格闘技だったとは。大男同士の情け容赦ない拷問肉弾戦、といった先入観が吹っ飛んだ。今や、一度はナマ観戦したいとさえ思う。
スター選手の死の真相解明も、終盤のひねりが効いている。思わず本を持つ手にぐぐぐっと力が入った!ベンチプレスの重量に息を呑み、キレた人間の暴走に戦慄。も〜お、ページをめくる手が止まらないっ!
山内 克也
評価:B
プロレスは、元来興味がなく、「勝敗」にストーリーをつけた、「眉唾」物のスポーツと思っていた。本書ではそのプロレスを表裏の両面からズバズバ書いていて、興味津々の連続。道場破り対策として、日頃から体を鍛える「門番」の存在。チケット発行枚数で操作されるプロレス興行の会計税務の怪しさ。興行の物語性を高めるため恣意的な対戦組み合わせをするタイトル名となった「マッチメイク」。「プロレス」という素材を等身大で扱い、その内情をいかんなくさらして、全般的にノンフィクションのようなテイストの小説に仕たてている。
また、リング上で謎の死を迎えた経営者をめぐるトラブルに「殺人」か「自殺」かのミステリ性も濃厚。主人公と同期入門でホワイトカラーの強い本庄や、ひょうひょうとした「門番」の丹下の存在など、脇役をきっちり描いていて、異色作であっても名門「江戸川乱歩賞」に値するのは納得。ただ、プロレスに純真無垢だった主人公が後半、犯人と思いこんだ相手に陰気な対応をする豹変ぶりは少々驚いた。
山崎 雅人
評価:C
会長が死んだ。「きょうで俺は引退するんだ」ひと言の遺言を残し、会長兼人気プロレスラーが試合中に倒れた。深まる疑惑。証拠はあるが動機はない。新人レスラー山田くんが事件の謎に迫る。その真相はいかに。
この小説、「本の雑誌」のベスト10を心待ちにしている奇異な、失礼、愛すべき読者ならまだしも、乱歩賞に期待を寄せる推理フリークに受け入れられるかどうか。はなはだ疑問である。未知の世界への探求本としての楽しみはあるが、この深さは読者を選ぶと思う。特に格闘技を知らない人だと、プロレスを誤解するか、帯解説だけでギブアップする可能性は高い。ある意味危険な小説だ。
勢いで読まされてしまうが、どたばたしていて落ち着かないし、仕掛けも単純で無理がある。めずらしさと登場人物の魅力だのみでは、心もとない。がそれだけで惹きつけてしまう力強さは圧巻である。こまかいこと言ってないで読んでみろ! 1・2・3ダー!!