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猫とみれんと
【文春文庫PLUS】
寒川猫持
定価 530円(税込)
2003/8
ISBN-4167660571
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
池田 智恵
評価:B+
「ああ、日常だ」と思った。一般に詩というのは、たいそうなもののように思われている。短歌や俳句だってその例に漏れないだろう。しかし、本当はそういうものではないのだ。と、いうことがこういう本を読むとわかる。取り上げられる事柄も猫自慢だったり、映画の感想だったり、部下へのグチだったりと、全てがありふれている。だけど、そういった日常のささいな感情が、ささやかなユーモアと同時に句の上に留め置かれることによって、なんとなくほのぼのとかなしい感情の機微と言ったものが浮かび上がってくる。結果、気負いのない私小説みたいなものが誕生しているのが面白い。日めくりカレンダーとかにすると、はまりそう。「一日一笑」ね。
延命 ゆり子
評価:B
この歌集の主人公が近くにいても、友達にはなれない気がする。歌集から浮かび上がってくる主人公の性格で気になる点をピックアップしてみます。・超ミニのギャルや高校生を意識している。・嫁に来てくれるなら夏目雅子でも良いなんて言っている。・自分のことを自らの名前で呼ぶ。・「おまえを奪うために生きてた」とか言う。・「友達は我関せずという奴ばかり」ちょっとさみしい。・仕事上イヤな女にご馳走する(どんな仕事?)。・医者である(偏見です)。・森高千里がだーいすき(原文ママ)。
どう考えても好きになれそうにありません。基本的に歌人になる人というのはロマンチストでナルシストが多いのでしょうが、バツイチダメ男のトホホな日常を描くにはやや自己陶酔しすぎのような気がする。私の好きな歌人の穂村弘が、同じようにダメな生活をつづった「世界音痴」というエッセイ集は本当に面白いのだが、こちらは自意識過剰すぎる自分を客観的に見て、自分自身を笑うことができるサービス精神があるところが良いと思うのだが。
児玉 憲宗
評価:B
この歌集は、中年男が贈る「こころの栄養剤」である。ときどきせつなくなるという副作用がある。眼科医が本職である寒川猫持さんの短歌は、心の眼で観察し、自然体で表現している。同居人である猫のにゃん吉のことを詠んだ歌は愛情で溢れている。別れた妻を詠んだ歌にはいまだくすぶる愛と未練が見え隠れする。
掲載されているのは、380首。なんと笑えることか。なんと泣けることか。ユーモアと悲哀が入り混じった寒川猫持さんの短歌は、人生の応援歌である。
鈴木 崇子
評価:AA
好きだなあ、この歌集。文庫になる前からとても気に入っていて、ジャンルは違えど面白さから言えば「猫〜」か「サラ川」かというくらいでは、と思っている。(比べていいのか?) 寒川猫持という歌人については詳しいことは知らないが、略歴を見ても少々いわくありげで興味をひかれる。
この人の歌は最高に笑えて、なおかつ、しんみりとさせられ、わびしさ切なさも存分に感じさせてくれる。飄々とした詠いぶりの中に、関西のお笑い精神に味付けされたユーモアと自虐がちょうど良いバランスでおさまっている。愛して止まない飼い猫にゃん吉の歌と別れた妻への歌がやっぱりよろしいですな!“目の中に入れても痛くない猫であるがさすがに目には入らぬ”“「女房の風邪が伝染ってしまってね」それをイヤミというのよあんた”
高橋 美里
評価:B
大愛猫家である作者の日常を詠んだ歌集。しんみりしてしまう歌もあれば、妙に頷ける歌も在り、歌から日常がアリアリと浮かぶ、そんな歌集。内容は実に多彩。猫を飼っているわけではないのに、その姿を想像できる表情豊かな猫たち。
猫嫌いの私にも猫たちが愛らしく見えてきました。
中原 紀生
評価:B
五・七・五に七・七をつけくわえただけで、突然、そこに盛られる世界が変容してしまう。俳句が、自分と世界の関係を客観的に観察し、時にコスミックな空間感覚をもって描写することに長けた言葉の容れものであるとすれば、短歌は、嫋々たる情念、内にこもった憾みや爆発寸前の歓喜とか官能を封じ込めるに適した、どちらかといえば時間的な感覚に根ざした表現様式で、ともに数打ちゃ当たる累々たる草稿群から何を選びどう推敲するかという選球眼と仕上げのセンスに勝負はかかっている。寒川猫持のまるでボクシング、言葉の格闘技のような自由奔放な息づかいと、融通無碍な言葉の配列がかもしだす世界は、私小説ならぬ私短歌、自伝短歌の芸風のうちに、軽妙洒脱、当意即妙の俳句的感覚を織り込んだ不思議なもので、俳句はこうで短歌はああだといった出来合の区分けを粉砕し尽くし、尾籠なギャグと俗な意匠をまとったそこはかとない悲哀をさえ漂わせている。一つ選ぶとすれば、「中年エレジー」の巻に収められた次の一首。形而下の女を愛す形而下の中年のボク形而上的に。
渡邊 智志
評価:C
この歌集、作品を一つ二つ取り出すと、手軽に言葉を並べて語数を合わせて一丁上がり、という判りやすい歌に見えます。パラパラとめくった時点では、どの歌も目にした直後にすっかりと忘れ去ってしまいそうで、ちょっとうんざりしました。でも歌集としてゆっくり通読すると、見逃していた一節がするりと滑りこんできて、ドキッとします。「キチポンになりポンピンに」「移住するつもりのトンガ王国」「たとえば君のヘアのジャリジャリ」。意外なところにまったく新しい言葉がポンと放りこまれて、びっくりするようなインパクトを持って突き刺さってきます。これだから歌集は面白い。ニヤニヤしながら読んじゃいました。でも、全体に流れている加齢臭といわゆる親父ギャグの世界には、まったく同調できません。酒場で繰り出される笑えない上司の台詞みたいで、コレを笑い飛ばし、あるいは悲しみに共感できるほど、素直な気持ちで作者の味方にはなれませんでした。