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殺人の門
【角川書店】
東野圭吾
定価 1,890円(税込)
2003/9
ISBN-4048734873
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
川合 泉
評価:AA
一度読み始めたら、読み終えるしかない。最後まで、主人公がどういう行動に移るのかが気になり、ページを繰る手が止まらない。倉持という同級生に、何度も同じような手でひっかかりながらも、殺意をあと一歩のところでためらう主人公田島に、「ヒトオモイニ殺ッテシマエバイイノニ」という気持ちがどこかで芽生えてくる。読者は、自分の負の部分に気付かされるだろう。展開の速さも、ページを繰る手を早める一因。人の深層心理を描き込んだ、よくできている小説。久々に、こんなに本格的なミステリーかつ、ある意味ホラーな小説を読んだ。
この小説を読もうと思っている方々は、自分の中に眠る殺意を、この本によって目覚めさせないようにお気を付け下さい。
古幡 瑞穂
評価:C
とにかく暗い。そして救いがない!これをよくぞここまで書いたと感心するぐらいのやるせなさを感じました。主人公はそこそこのお金のある家に生まれたのですが、不幸が重なり家族は離散。それからも幸せを掴もうとするたびなぜか酷いことが起こるのです。しかもどうやらその原因は最も身近にいる友人が握っているらしい…彼はそれに気づき、その友人に事あるごとに殺意を抱きながらも殺害を実行に移すことができません。
東野さんの過去の作品で類似作を探すのだとすれば『白夜行』を思い浮かべるのがもっともしっくりくるかと思います。ただ、『白夜行』の時にやるせないほどの悲しさを感じたのに比べて、今回は圧倒的なまでの心の闇の暗さを前にしてただただ呆然させられるばかりでした。確かに大作だし、小説としては読み応えもあるのですが、ここまで来るとエンターテインメント小説という枠を超えてしまっている気がしますね。やっぱりこの人の小説は洒脱で笑いが多いものの方が好きです。
松井 ゆかり
評価:B
うーん……後味はよくない。
とても緻密な構成の小説だ。多くの伏線が張られ、物語が進むにつれてそれらがばっちりと効いてくる。同じ著者の「白夜行」がこんな感じだったなと思う。東野ファンにはたまらない一冊か。
読んでいて、幼い頃に観た「ウッドペッカー」のアニメを思い出した。くまなくつつかれ、それでもかろうじて形を保っている家。しかし、ウッドペッカーが自分の羽を1本引き抜いて吹き飛ばす。その羽が屋根に舞い降りた瞬間、家はもろくも崩れ去るのだ。「殺人の門」の主人公は、長年にわたりひとりの男に苦しめられ、何度も何度も思い立つのに、それでも殺人には踏み切れない。殺人の門をくぐるのに必要なのは?ひとひらの羽のようなものなのだろうか。主人公の答えはこの小説の中にある。
私は、東野作品の中では「トキオ」が大好きで、読了した8月11日を“トキオ記念日”としている。次回作ではもっとスカッとした話を読めたらうれしいです、東野さん。
三浦 英崇
評価:B
直撃する悪意はどうとでもなる。なぜなら、仕掛けてきた相手の顔が分かるから。本当に始末に悪いのは、気が付くと周り一面を覆っている漠然とした悪意だ。最初に仕掛けた人間は確かに存在するはずなのに、どうしても尻尾が捕まえられないから。
この作品の主人公・和幸の人生を狂わせたのは、まさにこの「始末に悪い悪意」だと思う。彼の場合、仕掛けた人間は分かっているんだけど、どうしても証拠がつかめず、また、なぜ相手がそんなことを仕掛けてくるのかすら分からない、という、更に嫌なオプションまでついてくる。 400ページかけて、人生をどんどんスポイルされてゆく和幸。読んでいて非常に辛い。いっそ「殺人の門」をくぐってしまうだけの勢いがあれば、こんな不幸にはならなかっただろう、とも思うが、簡単に踏み出せるようなら、それはもはや人でなしだし。
20年もの間、ごく真っ当な人間に降りかかり続けた悪意に、戦慄しつつ読むべし。