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死者を侮るなかれ
【文春文庫】
ボストン・テラン
定価 900円(税込)
2003/9
ISBN-4167661489
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
高橋 美里
評価:A+
すごい本を読んだ。読みすすめながら、この本に圧倒されている自分に驚いていました。
この作家のことを、帯やら広告は「暴力の詩人」といっているみたいですが、私はあまり詩的と感じることはなく、どちらかと言うと「カッコイイ」。思いっきりテランに酔ってしまいました。
いたって単純な物語であると思います。なんでこんなにひきずりこまれるのか、それは多分、この作品の登場人物たちのチカラが大きいとおもう。誰もが心に屈折した何かを持ち、傷を負っている。悪徳商売人の愛人であり、スピード中毒のディー、彼女は、娘であるシェイに「股ぐらたのみのチビくそ女なんかになるんじゃないよ」といいつづける。その突き抜けた生き様はこの作品の中でも飛びぬけている。その母の運命ともいえる鎖を切れない娘・シェイ。母に反発をしながらも、母に従わなければ生きてこれなかった。その葛藤が痛いほど心にしみてくる。
主人公であるヴィクと、ヒロインであるシェイ。登場人物の性別を超えた力強さはテランのすごさでもあるのだとおもいます。この二人を必死になって追ってしまう、本当にすごい作品。今年海外作品で一番に掲げたい作品です。
そう、本を開いたときから、「もう暴力は始まっている。」
中原 紀生
評価:A
荘厳な叙事詩のように繰り出される濃縮された生硬な文章。「現実というフロアの上で社会システムが血のワルツを踊りはじめても、ディーとバージェスはじっと身をひそめている。」新感覚のハードボイルド・タッチの断言。「我思う──ゆえに我は所有せねばならぬ。これが新しいアメリカン・ドリームだ。」乾ききった叙情詩のように、過剰なまでの汚辱を描出する聖なる表現。たとえば、苛烈な生を刻むシェイとヴィクの官能。「彼女はそこに実在しながら透明になる。逞しい腱と骨の強さを残したまま、その流動体となる。(略)暴力的な彼女の喘ぎはビロードのように柔らかく、彼は彼女を所有し、彼女を破壊し、彼女を救い、彼女の重要な一部になりたいと願う。」この作品は文体が全てである。全編に流れる大音響の言葉のバラードが、読後、沈黙の余情を醸しだす。
渡邊 智志
評価:C
やんちゃであることは嫌いじゃないんだけれど、やり方が中途半端なやんちゃさだと思いました。過激で男勝りな女性キャラの配置など狙っているところが見え見えなだけに、もう少しなんとかならないもんかなぁ。台詞もいちいち臭いから、可愛げがあってニヤニヤしちゃう。冒頭の絵的な派手さもサービス精神が旺盛で、小説だと泣けないけど漫画で読んだら泣きますね。主要キャラ4名(男女2名ずつ)の誰に肩入れして読んでいってもそこそこ読めてしまう、という点は好感度が高いです。ニヒルさ・クールさ・格好良さ…、どれもこれも滑稽さと紙一重な要素ですから、ずっぽり浸って身震いするのもイイし、B級C級と笑い飛ばすこともできるんです。たぶんこの辺が中途半端と感じた原因ですね。どちらかというと渋く重厚な世界に浸りたかったのに、可愛いやんちゃさが気分を削ぐのです。ステレオタイプな人物描写だからこそ、ベタベタな浪花節(?)が良かったなぁ。