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真夜中のマーチ
【集英社】
奥田英朗
定価 1,575円(税込)
2003/10
ISBN-4087746666
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
川合 泉
評価:B
「真夜中のマーチ」という題名、そして暗い装丁から、どろどろしたミステリーなのかと思いきや、ソフトタッチの小説だった。主人公ヨコケンは詐欺まがいのパーティー屋。そこでひっかけたのが、三田物産に勤める一極集中型男・三田。さらにひょんなことから、モデルばりでしっかり者の美女が加わり、10億円の強奪計画が始動する。ヤクザまがいの人物が次から次に登場するにも関わらず、いまいち緊迫した状況にならないのは、どのキャラも、どこかしらとぼけているところがあるからだろう。騙し騙されのストーリー展開。騙し合いが何度も続き、一筋縄ではいかない。結局一番上手だったのは、主人公たちではなく、追われる側の白鳥だった気がする。かなり読みやすく、一気に読みきってしまえる一作。
桑島 まさき
評価:A
面白く読ませることにかけては当代随一の作家だ。女一人、男二人の巻き起こす珍騒動。
「過集中症」のため集中力は抜群だが視野が狭いためドジばかりのマジメなサラリーマン、ミタゾウ。危ない仕事にどっぷり浸かり大金をつかんで派手に遊び大物扱いされることが人生の目標のヨコケン。「ある事」がなければ絶対交差しなかった二人が事件に巻き込まれていく過程が小気味よいテンポで描かれ、そこへやはり、フツーでない人物(港区以外には住みたくないと言い放つ贅沢娘)、千恵が絡み運命共同体になるのだが…。
何だ、このドタバタ劇は! ヤクザの金をせしめるという無謀で危険な行動の割には、計画性も知恵もない。悪いが、でかいことをやる割には皆、欠点だらけの半人前だ。しかし、いつしか連帯意識が芽生え親近感を覚えていく様がほのぼのしていい。作家に息を吹き込まれた登場人物たちがイキイキとして、自由自在に都会のあちこちを走り回る。とりわけミタゾウのキャラが笑える。曲者フルテツも光る。世にいうフツーがじゃない人を描くことの巧い作家だと改めて感心した。
古幡 瑞穂
評価:B+
軽薄という域に達しそうなほど軽快で、登場人物の小悪党たちもどこか間抜けで愛すべきキャラクターばかり。あまりにステレオタイプなその人物設定は、奥の深さなどを追求する点ではマイナスポイントになるのでしょうが“単純に”楽しめました。ほんとに愉快です。
展開的には伊坂幸太郎さんの『陽気なギャングが地球を回す』に似ているのだけれど、こちらのほうがずーっと楽天的な悪党揃い。登場人物の中に、ひょんなことからこの犯罪コンビニ加わることになるミタゾウってのがいます。この人、いじめられっ子キャラかと思いきや、実のところはなかなかしたたかなヤツで、自分の名前を最大限に活かした人生を歩んでいます。それに引っかかっちゃった主人公のヨコケンが引き金になって事件が転がりだすわけなんですけど、まあその展開が巧い!小市民を犯罪に巻き込む腕にかけては奥田さんはキラリと光るものを魅せてくれますね。ぜひとも映画で見てみたい作品です。
松井 ゆかり
評価:B
いいですねえ、痛快活劇!奥田英朗さんの本は「マドンナ」しか読んだことがなかったが、多彩な作風の作家だと聞く。いまのところ2冊とも当たりだ。
これ、映画にしたらいいのに。小説を読んでキャストを考えるのが大好きなので、主人公3人についてしばし構想を練ってみました。 うーん、ヨコケンがいちばん難しい。冒頭のパーティー会場における描写を読んで、先日話題になった某大学のサークルが起こした事件を思い出してしまったからだ。おかげで、ヨコケンと例の代表の顔がだぶるが、そこをぐっとこらえて成宮寛貴くんでどうだろうか。ミタゾウが妻夫木聡くん、クロチェに柴咲コウさん。
あ、書評になってないですね、すみません。それだけおもしろいってことを言いたかったんです(そうじゃなきゃ、キャスティングなんてどうでもいいもの)。
三浦 英崇
評価:A
本を読んでいるうちに頭の中でBGMが鳴りっぱなしになる経験が、たまにあります。この作品の場合だと、二十数年前の名作ドラマ「俺たちは天使だ!」の主題歌「男たちのメロディ」でした。
チンケなパーティ屋稼業に飽き飽きした小悪党・ヨコケン。一流企業のダメ社員・ミタゾウ。ドーベルマンを従えた超高ビー美女・クロチェ。まるで共通点のない三人が、妙な因縁から仲間になって、狙うは現金十億円。しかし、当然ながらそう簡単に手に入るわけもなく、事態はどんどん面倒になっていく訳でして……
大人としてどうなの? と突っ込みたくなるような欠点を持ちながら、それぞれの一芸をもってピンチを回避し、チャンスをモノにしようとする三人の姿は、うっとりするほどかっこいいです。
冒頭で挙げたドラマ「俺たちは天使だ!」のかっこいい登場人物たちの合言葉を、彼ら三人に捧げます。
「運が悪けりゃ、死ぬだけさ!」