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ブコウスキーの酔いどれ紀行
【河出文庫】
チャールズ・ブコウスキー
定価 893円(税込)
2003/10
ISBN-4309462332
延命 ゆり子
評価:A
無秩序で、無軌道で、酒にまみれたハチャメチャな旅行。旅しているのは訳の判っていない若者なんかではなく分別のある顔つきのブコウスキー58歳。飛行機内のワインを飲み干し、テレビのインタビューで泥酔、普通の家を売春宿と勘違いしてなだれ込む。帰り道の記憶はいつも消えている。ホントろくなもんじゃない。しかしその駄目っぷりが潔い。それは酒に酔ってはいても決して自分には酔っていないからだ。そこにブコウスキーの品の良さがある。自分が何者かを自分でわかっている、そんな謙虚な姿勢がステキです。そして酔えば酔うほど大衆が喜ぶことを彼は知っていて、それを知った上で自分を演出できるその精神力。脱帽であります。酒は飲んでも飲まれるな。そんな言葉は糞喰らえ。飲まれろ。飲んで己の卑小さを自覚しろ。とブコに言われているようでした。でも近くにこんなオッサンがいたら、迷惑でたまらんだろうなー。
児玉 憲宗
評価:B
旅行日記によると、ブコウスキーはいつも酔っ払っている。朗読会の前に飲み、朗読会の際中にも飲み、朗読会が終われば終わったで飲む。ついていれば飲み、ついていなければ飲む。酔っ払えば、罵り、暴れ、壊す。そして何も覚えていない。 この日記に綴られた文章さえ酔っ払っているように感じる。酔っ払っていて、踊っている。跳ねている。リズムを刻んでいる。結果、時として暴れん坊で躍動感のある文章ができあがっている。 そして、カメラに写されたブコウスキーの一見恐そうな顔に実は優しい眼が輝いているように、荒々しい文章の中に純粋で繊細な一面も窺える。飾り気のない姿が魅力的なのである。
鈴木 崇子
評価:A
飲みたい放題、言いたい放題の旅の日記。このブコウスキーという人はどこまでも自分の感覚に正直だ。退屈な人生、醜い感情、ぶざまな行い、気まずい状況…。すべてをありのままに描いて、退廃的で不健康であることが、この人にとっての自然なんだろう。 凡人ならば気付かぬふりで自分をごまかし続けるところを、当たり前のように表現してしまう破滅的な強さ。<女と一緒に暮らすとは魂をいつ奪われてもいいような状態にすること><うまくいかない二人のかすがいになるのは子供や教会よりむしろテレビだったりする><仕事が嫌でたまらないのに失業を恐れている人の人相が普通でないのは当然>そして<神に許されたり見出されることより、歯痛やタイヤのパンクに悩まされることなくいい便通があることを望む>などなど。けれど、それは繊細で傷つきやすいことの裏返しかも知れない。収録された写真の中の、パートナーのリンダに向けられた目や、彼女の髪にそっと置かれた手が何とも優しいではないか。たまらなく色気のある、魅力的なおじさんだ。
中原 紀生
評価:A
ブコウスキーの作品は以前『町でいちばんの美女』を読んだきり。あの時はとにかく圧倒されて、こんなとてつもない短編を量産するブコウスキーはなんと凄い奴だと感嘆した。なんの物証もない物言いだけれど、もし現代のチェホフの呼び名に値する作家を一人挙げるとすれば、それはきっとこの人だと思った。本書にはそのブコウスキーが生出演して、コクのある言葉(たとえば「同じ歌は何度でも聴くたびによくなっていく可能性があるのに、同じ詩は聴くたびにどんどんひどくなっていくだけだ」とか)をたっぷりと書き散らしている。「わたしたちは飲んで、食べて、飲んで、飲んだ。誰もがぜいたくに暮らしていて、この世に存在することはただのジョークでしかないようだった。」この文章に、本書は凝縮されている。マイケル・モントフォートの写真がいい。ブコウスキーのスプートニク(旅の道連れ)、リンダ・リーがいい。中川五郎の訳者あとがきもいい。だけど、町田康の解説は要らない。
渡邊 智志
評価:B
最近になって新たに熱狂的な信者を獲得しつつあるブコウスキーですが、人気者になると天邪鬼な気持ちから却って著作を読む気が失せていくのは仕方がないもの。うがった見方をしてしまったり妙な反発心から描かれたものを素直に受け取ることができなくなったりして、そのやんちゃな文体がいちいち鼻につくのです。反骨的な言動は人気を取るためのポーズに過ぎないと見るか、心底ピュアな不良老人と見るか、読者や同時代の論評によって変化するのだと思いますが、日記を基にした本書はポツリポツリと本気の「本音」が見え隠れするようで、しかもそれがとってもナーバスで見かけによらず臆病者の一面だったりするので、なかなか興味深い姿を垣間見ることができますね。他人の目など気にしないように見えて、それでもやはり賞賛されると嬉しいし罵倒されると悲しい。モノクロームの写真は何気ないスナップに見えて、さすがプロの写真。写真だけでも大満足なのです。