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黄金の羅針盤
(上・下)
【新潮文庫】
フィリップ・プルマン
定価 (各)620円(税込)
2003/11
ISBN-4102024115
ISBN-4102024123
鈴木 崇子
評価:B
行動的な女の子、主人公ライラをめぐる秘密と謎に満ちた冒険物語。ライラの出生の秘密、与えられた黄金の羅針盤の意味、子供たちの誘拐事件の謎、ダストと呼ばれるルサコフ粒子の正体など、ストーリーのあちこちにいろんな仕掛けがある。極北への旅の途中で種明かしがされていくのだが、恐ろしくて残酷な場面もある。教会の圧力や、大人たちの野望などもけっこう生臭かったりする。敵味方の区別はあっても、何が善で何が悪なのか、この第一部では混沌としていて明らかにはされてない。勇気と希望に満ち溢れた物語、というだけではないらしい。 印象深かったのは、人間に必ずついているという守護精霊(ダイモン)の存在。その人の本質を表す動物の姿となって人間を助けたり話相手になったりする。もし自分にダイモンがいたらどんな動物なんだろう? と考えると楽しい。他にも義理堅いジプシャンや魔女たちやよろいをつけたクマなど、登場人物も多種多様。この物語はどこまで広がっていくのだろう。続きも読んでみたいと思った。
高橋 美里
評価:A
「黄金の羅針盤」は、全三巻から成る物語の最初の部分をなしている。この第一巻の舞台は、われわれの世界と似た世界であるが、多くの点で異なる。第二巻の舞台は、われわれが知っている世界である。第三巻は、各世界間を移動する。これは作品の前書きとして書かれているものです。この作品を開いたとたん、この前書きが目に入って私は読みふけってしまいました。導入部としてはなんともカッコイイ!読み始めでどれだけ世界に入り込めるか、がファンタジーの鍵なのだと思うのですが、この作品の場合、その心配は無用です。とても長い物語ですが、読みはじめると一瞬。まさに走りつづけるライラと同じスピードで読んでいる感じです。
私たちの世界と同じような世界を描いているものの、ライラの世界の子どもたちにだけ存在するものがある。彼女達は子どもの頃ダイモンと呼ばれる守護精霊と生活をともにしている。この精霊は子どもが成長し、大人になると消えてしまう。この作品のファンタジー、だけで終わらないところはここ。自分の一部ともなりえるダイモンとの関係、ダイモンの存在。この部分には考えさせられました。大人になること、子どものであること。それってどんなことなんでしょう?多分正解はないのだとおもいますが。
中原 紀生
評価:A
自然界には未知の力があって、それは人間とその人間にぴったり寄り添うダイモン(精霊)とを結びつけている。その力を解放してコントロールできたら、この世界をすっかり変えてしまうことができる。それどころか、この世界とは違う。もう一つの宇宙にだって移動できる。そうした魂の力ともいうべきものをめぐる「実験神学」(上巻第1部第3章)と、異端の神学者たちによるパラレル・ワールドの存在証明(下巻第3部第21章)とが、この物語の世界をかたちづくっている。それは善悪を超えた真実で、真実を知ること、つまり知識を獲得することは、それ自体、善悪を超えた一つの戦いである。だから、その戦いの中で血を流し、皮膚を破かれることは、けっして残酷な出来事ではない。ライラの冒険を読むことの楽しさは、真実を知ることにあるのではなくて、真実にいたるプロセスそのものを追体験することにある。優れたファンタジーは、物語を読む喜びそのものを純粋に表現している。小谷真理さんの解説「楽園探検の手引き」が見事。
渡邊 智志
評価:C
お話を語る順番を間違っちゃっています。せっかく新しいファンタジーの世界を創造し、そこに魅力的な登場人物と随伴者の存在を位置付けているのに、描き出す順番が間違っていては読者が世界に上手く誘導されてくれません。特に時系列に沿っているわけでもないのに、冒頭からひたすらダラダラとお話が続くのです。なにか魅力的なモノが出てきたと思ったら特に説明もないまま別の要素に話題が飛んで、コレがまた魅力的なモノだったりするのですから、読者はひたすら「おあずけ」を喰わされていることになります。そのうちに魅力的な前振りを忘れちゃったりして。どうやら3部作の一部でしかないようですが、残りの2部を経て冒険が一段落ついて全ての謎が解決されたとしても、ダラダラとした演出によって導かれた物語のかったるいエンディングでは満足感を得られそうにありません。内容があっても聞きづらい選挙演説の候補者だと、落選することもあるんですから。