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アンジェラの祈り
【新潮社】
フランク・マコート
定価 2,940円(税込)
2003/11
ISBN-4105900366
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
古幡 瑞穂
評価:A
外文を読むときにはとかくセンテンスの長さと、くどさがひっかかりになるのだけれど、この作品ではそれが全く気になりませんでした。かなりの長さがありますが、ほぼ会話と心中の吐露とで文章が進むので抵抗なし。
とはいえ、内容はそれほど気分の明るいものではなく、特に中盤まではフランクがさらされる差別や悲劇の連続で読んでいるこちらも辛くなるほどでした。イマイチ要領の良くないフランクの姿にイライラしたり、ハラハラしたり、どっぷりとあの時代に溶け込んで楽しませていただきました。こうやって散々な苦労を重ねてきたフランクにもようやく幸せへの転機が訪れます。ところが、散々成功をうらやんできたくせに、安定と幸せを前にするとやたらジタバタ悪あがきするんですよ。これが一番印象的で面白かったところです。
前著『アンジェラの灰』を読んでいないので、これのみを評価するのは良いことではないのですが、淡々としていながら心にしみ入る良い作品です。
松井 ゆかり
評価:A
アメリカで生まれ、その後故郷に帰り、再び19歳でニューヨークに戻ってきたひとりのアイルランド人の回想録である。前作「アンジェラの灰」を読んでいなくても(私も読んでいない)、この本の素晴らしさは十分に味わえると思う。
彼の半生のどの年代に感情移入することも可能だと思うが、本書の後半、兄弟で自分たちの母アンジェラをアメリカに呼び寄せてからの記述が、私には特に心にしみた。お互いを思いやっているのに、些細な行き違いを重ね、自分の殻に閉じこもる母と子。自分にも将来こんなすれ違いが待っているのかなあ…とすやすや眠る我が息子たちを見ながらまた涙、だ。
それでも生きる。時にくじけそうになっても立ち上がれる強い心がほしいと思う。簡潔な飾り気のない文章、率直に心の内を語る誠実な姿勢、人生でほんとうに大切なことはとても単純なことなんだ…と、著者フランク・マコートに教えられた。
三浦 英崇
評価:E
自伝を書こうとする場合に陥りやすい、二つのあやまちについて考えてみます。
一つは美化。都合の悪いことは隠し、都合のいいことは極力持ち上げて書く傾向です。もう一つは羅列。とにかく自分の経験した事象について、時系列を順に追えばそれで事足れりとする姿勢です。この作品の場合、前者のあやまちは犯していない分、好感が持てますが、難点は後者にあります。
夢を抱いてアメリカに渡ってきたものの、人種差別、宗教差別、階級差別、学歴差別――さまざまな偏見と蔑視にさらされるフランクが、困難をはねのけ、ひとり立ちしてゆく。彼の人生そのものについて、それなりに平和な日本でぬくぬくと生きている私が云々する資格はないです。しかし、それを語る筆致の拙さ――事象と感情の整理が十分についていない、など――が、読者の感情移入を阻害している点については、もう少し何とかならなかったのか、と思います。
正直、読むのに疲れました。