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├2001年6月
└2001年5月
笑う招き猫
【集英社】
山本幸久
定価 1,575円(税込)
2004/1
ISBN-408774681X
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
川合 泉
評価:B
テンポの良さの光る作品。女の友情を中心にもってくる小説というのは、案外少ないので新鮮だった。ツッコミ役ののっぽのヒトミと、実は金持ちのお嬢様であるボケ役のアカコ。二人で結成した漫才コンビ「アカコとヒトミ」は、たくさんの人に見守られ、目下修行中。
今、世は漫才ブーム。とうとう文学界にも、漫才の波が来たかという感じ。作中に出てくる二人の掛け合いもなかなか面白く、もっと二人の掛け合いを見ていたい気にさせられた。個性的な登場人物が数多くでてくるので、お気に入りを見つけるのも面白いかもしれない。私の一押しは、おかま(?)のメークアップアーティスト白縫さんである。笑いと友情が程よくミックスされていて、読後感すっきりの一冊。
桑島 まさき
評価:B
昔、田舎から上京して学業や夢の達成にいそしむ若者たちは概して、皆ビンボーだった。アパートには電話ナシ、風呂ナシ、便所は共有なんてのは至極トーゼン、親から送られてくる仕送りはすぐに使い果たし、いつも腹をすかし、てな具合に。携帯電話やパソコンを持って当たり前の現代の若者たちは知らないだろうが。でも、ビンボーでも心は豊かだったと答える人たちはきっと多いだろう。夢があったから…。 本作は、かつてそうだったと思う人の郷愁を誘う作品だ。ヒトミとアカコ。駆け出しの漫才コンビが、芸の世界の厳しさや俗っぽさにもまれながら突っ走っていく。時に衝突し、泣いて笑って又なか直り。羨むばかりの女の友情。しっかりと結ばれた絆。最高のコンビ。結婚だけが女の幸福ではない。たとえビンボーでもパッとした活動はできなくても“あなたの愛よりお客の笑い それがあたしのしあわせなのよ”と歌う二人の青春、しっかり堪能させてもらった。
藤井 貴志
評価:C
駆け出し女性漫才コンビの「珍プレイ・好プレイ集」とも呼べるドタバタ活劇。凸凹コンビが周囲と衝突しながら、そして時にはお互い同士でぶつかり合いながら、夢に向かってがむしゃらに駆けていく。実際の漫才さながらの勢いを重視し、全編を通じて物語の勢いを殺さないようにした著者の配慮は十分に伝わった。
女性漫才コンビという設定上、主人公のアクの強さは覚悟の上で読んでいたものの、物語中の各エピソードの展開やオチのつけ方に、2人のキャラクターに頼りすぎた感は否めない。そうは言っても、筆に勢いがある分、著者が引っ張るまま一気に読みきることができた。漫才という“面白くあるべきもの”を題材にするからには、読み手を楽しませなければスタートラインにすら立てないのだろうが、その点で言うと、僕は本書のユーモアにも充分にノせられた。
古幡 瑞穂
評価:B+
女性の凸凹漫才コンビの青春物語。面白かったのだけれど、同じ年代の女性を主人公に据えた『図書館の神様』を先に読んでしまっていたので、残念ながら感動が少し目減りしています。
漫才をやって、テレビで成功して、いつしか漫才をする時間がなくなっていく。彼女たちの立ち位置はそのちょっと手前。そうなると当然その過程が見えてくるわけでして…一時的な成功が見えていながらも、彼女たちはそれをどうこなしたら良いのか悩んだり、将来への不安を抱いたりと、笑いを商売にしながらも悩みは尽きません。この不安や悩みが読み手に真っ正面からぶつかってきます。それがとっても心地良い。
『負け犬の遠吠え』のブームで“オンナの生き方”が注目を集めていますが、人の評価はさておき自分のやりたいことをちゃんと見据えなきゃな、と、しみじみ考えさせられてしまった今日この頃なのでありました。
松井 ゆかり
評価:B
“主人公たちがお笑い芸人”というひねりはあるものの、直球勝負の女同士の友情物語だ。昔好きでよく読んでいた氷室冴子さんの“「クララ白書」「アグネス白書」社会人版”といった趣もある。
著者山本幸久さんは、この作品で小説すばる新人賞を受賞。帯を見る限り選考委員諸氏も「笑う招き猫」に好意的であるらしい。デビュー作がこういう清々しい作品っていうのはいいもんだ。ページ数の割に登場人物が多く、それが若干整理されていない感もあるが、読んでいる間はほとんどまったく気にならない。それだけ読ませる勢いを持っているということだろう。
苦言を呈するとすれば、もうひとつ。主人公『アカコとヒトミ』がライブで演った拍手喝采の漫才…うーん、これで実際に爆笑がとれるのか。ビミョーなところだ。まあ、ネタを文章だけで表現しようというのはかなり難易度の高い技だからな。山本さんの小説家人生は始まったばかり。2作めも期待しています。
松田 美樹
評価:A
楽し〜い! 可愛い! 漫才師を目指す凸凹コンビの主人公は憎めない性格だし、周りを固めるクセの強い登場人物もすごくいい味を出しています。性格設定が完璧で、本当にこんな人たちが存在しているように感じました。そして、たいへんよく勉強しましたね、うまく書けています、と花丸を付けてあげたくなりました。いろいろなエピソードを挟み、伏線も張っていて、最後まで飽きずにとても楽しく読めました。ただ欲を言えば、どうしても「よく頑張りました」感が抜けません。この作品で小説すばる新人賞を受賞ということなので仕方がないのでしょうが、作者がもっと書き慣れてくると、本当にただ純粋に話を楽しめると思います。今後の要注意?(注目)人物です。2作目、3作目とずっと読んで、成長して行く姿を見てみたいです。絶対にこの人はもっと上手くなる!と予言しておきましょう!
三浦 英崇
評価:A
かつてゲームのシナリオを書いていた時に痛感したこと。それは「人を笑わせるのは、人を泣かせるのより数段難しい」ということでした。「泣かせ」は、人の感情に訴えるものであるのに対し、「笑い」は人の知性を試すものだからです。万人に通用する「泣かせ」はあっても、万人に通用する「笑い」はないのではないか、と私は思います。
この作品では、漫才師としてメジャーになりたい、と野望を抱く女性二人が、この、万人に通用する「笑い」という無茶な課題の回答を、無我夢中で追求しています。正直言って、それは無謀な試みです。しかし、それでも彼女達はあえて挑みます。
日常生活に追われ、他人から面倒を持ち込まれ、理不尽な要求や受け入れ難い妥協を突きつけられながらも、真摯に「笑い」を追い求めるアカコとヒトミ。その姿は尊いです。そして、彼女達が作中で披露する数々のネタは、少なくとも私にとっては、大いに笑いを誘うものでした。