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父さんが言いたかったこと
【新潮社】
ロナルド・アンソニー
定価 1,785円(税込)
2004/2
ISBN-4105439014
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
川合 泉
評価:B
永遠の愛を信じることのできない息子は結婚に対して臆病。そんな息子に、父が昔の恋愛話を伝える中で、息子も自分の恋愛観について深く考えるようになる。ひとつ屋根の下で暮らす父と息子の二つの恋の結末は…。
この本を読んで思ったのは、男性の恋愛感情というのは女性よりもずっと純粋なのでは、ということです。平凡な恋愛について語られているのに続きが気になって仕方ないのは、その純粋さ故だと思います。母とは違う女の人との恋愛話を、父が息子にするというのは本来タブーなのかもしれませんが、敢えて語った父に乾杯。ただ、父が昔の恋人の写真を取り出して眺めているシーンが度々でてくるので、亡くなった妻(息子のお母さん)の立場はどうなるんだろうと少し感じましたが。「父さんが言いたかったこと」という邦題もこの作品全体を上手く言い当てていると思います。
桑島 まさき
評価:A
ありそうでない“男のロマンス小説”だ。「マディソン郡の橋」は、母の秘めた恋を二人の子どもたちが静かに見つめる話。本作は、父の過去の恋を、兄姉たちと年齢差が大きいために家族から浮いた存在で、父とも距離を感じていた末っ子の主人公(ジェシー)が見つめ自身の恋愛の教訓にしていく。
ジェシーとマリーナとの恋に、父は過去、全身全霊で愛したジーナとの恋愛を見る。理由あってその恋を失った父は、ジーナ同様に相手に輝きをもたらし、理解してくれる、すばらしいマリーナとの恋愛を、息子が発展させようとしない態度にイラつき、失った恋の話を淡々と語りさりげなくメッセージを送る。薄っぺらい恋のくり返しで崇高な〈恋愛の力〉を侮どらないように。永遠に愛しつづける女の話を身を切る思いで語りながら息を引き取っていく父の偉大な愛は、“大事なモノ”が見えなくなっていた息子の目を醒ます。父から息子への最高の贈り物だ。
翻訳小説にありがちな読みにくさや違和感はない。平凡なストーリーではあるがストレートに胸をうつ感動作だ。
古幡 瑞穂
評価:A
中年男性が昔の恋を振り返るという設定は小説では珍しくありません。ところが、この「父さん」は83歳。この人が息子に語って聞かせる、一生に一度しか経験できないような昔の恋物語はすーっごく素敵なのです!
それはセピア色に風化していたりせず、長年ずっと厳重に保管されていたかのような瑞々しさをもって年の離れた息子に語られます。
この親子、最近になって同居をはじめたため非常に気まずい思いをすることも多かったわけですが、偉大な父親の人間的な一面がこうやって明かされることでお互いがお互いを理解していくのです。少しずつ語られる恋物語と並行して、息子の現在進行中の恋も進展をしたり足踏みをしたり。そのバランスがこれまたいいんだなぁ。
「大切な人を見つけたら決して手放してはいけないよ。それはこわれやすい宝物だから。」このオビのセリフは最後まで読んだとき、より重みを増してきます。じわーっと心に広がる感動がありました。いや、これはいい!ぜひ男性に読んでいただきたい恋愛小説です。
松井 ゆかり
評価:A
この本を最初に手にしたとき、私はきっと眉間にしわを寄せていたと思う。昨年の夏父を亡くした自分にとって、最も涙腺を刺激される類いの話だろうと思ったからだ。
父の死は突然だった。61歳、もちろん本人を含め周りの誰もが、まだまだ何年もの時間が残されていると信じていた。頑固で、納得がいかないことに妥協できないため、突然会社を辞めてくることもあった。夫としてはとても合格点に達しているとはいえなかったと思うが、父親としてはほぼ満点、私の息子たちにとっては満点以上の祖父だった。
「父さんが言いたかったこと」には、残り少ない人生を末の息子と過ごすことになった父親の姿が書かれている。実際にはもっと泥沼のような争いを繰り広げる家族などいくらもあるはずで、ある意味きれいごとである。しかし、この本を読んでとても心が落ち着いていくのを感じた。これこそ小説の力だ。現実をそのまま書くだけならいくらでもできるから。
松田 美樹
評価:A
まず、帯の「大切な人を見つけたら、決して手離しちゃいけないよ。それはこわれやすい宝物だから」のコピーにやられました。そうか、手を離しちゃいけないのか。でも、大切な人かどうかってその時点ではよくわからなかったりするしなーと思いつつ、いつもの癖であとがきを先に読むと、訳者は1/3を過ぎて物語に引き込まれたとのこと。そこで、やっと早く面白い展開にならないかなと期待しながら(確かに1/3まではちょっと退屈)読み始めたんですが、“そのこと”が始まってからは、最後のページに辿り着くまでが本当にあっという間! あら?終わり?という、時間を感じさせない作品に久しぶりに出会いました。面白くって終わるのが勿体ないという物語はあっても、気が付くと終わってたというのはなかなかないものです。更に読み終わってからは、じわじわとお父さんの言葉が心に染み込みました。“そのこと”っていうは、実際に読んでほしいので書きませんが、ぜひお父さんの言葉を聞いて(読んで)ほしい!
三浦 英崇
評価:B
正直言って、私は、父親との折り合いがとても悪いです。同居していますが、最後にまともに話をしたのはいつのことだか、というくらいに、普段から没交渉です。ま、三十過ぎた男が父親と話さなきゃならんようなことなんて、そうそうありゃしないですけど。
そんな状況で読むこの作品。「うわー、よりによってこんな話を読ますかなあ」と、最初は思いました。父親と没交渉気味だった息子が、同居を決意したものの、考え方の相違からしばしば対立してしまう、という、身につまされる展開。「ああ、これは辛い読書になりそうだなあ」と思いつつ読み進めた中盤、父親の過去の恋愛話が出てきたあたりから、ストーリーは思わぬ様相を呈してきます。
今でこそ老境に差しかかっているうちの父も、かつては自分と同じ歳の頃があって、自分と同じように家族との折り合いや、恋や将来に迷っていたのかもしれない。そう思うと、多少は寛容な気分になれそうです。