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ブレイン・ドラッグ
【文春文庫】
アラン・グリン
定価 860円(税込)
2004/2
ISBN-4167661586
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
岩井 麻衣子
評価:B
脳を活性化させる薬を服用し、人生の天国と地獄を味わった男の物語である。売れないもの書きエディ。彼は前妻の兄の死で夢のような効能の薬を手にいれる。その薬はエディにものすごい記憶力を授け、書きかけの仕事は瞬く間にすばらしい作品となって出来上がる。株に投資しても大成功し、人々は彼に魅せられていく。しかし、その薬には恐ろしい副作用があった。大成功の前半と副作用で堕ちていく後半。絶頂と絶望を一気に経験する一人の人生が、所詮自分の力で得た成功ではないということを思い知らせる。全てがうまい話しなんてないのだ。エディは自分を破滅から救う道になかなか気がつかず結局手遅れになってしまう。「すでにあるものにしか効かない。利口でないものを利口にすることはできない。」こんな薬では私が服用してもたかがしれている。しかし一瞬でも絶頂を味わえる誘惑に勝つ精神力を保てるかどうかわからないので絶対に開発しないでほしい。うまい話しにすぐに乗ってしまう人には戒めの一冊になるかも。
斉藤 明暢
評価:A
「激しく元気の出るクスリというのは、つまりは未来から力を前借りするものだ」と言っていたのは誰だったろう。アタマにしろ身体にしろ、効き目は確かで安全で副作用もないクスリがもし存在するなら、生物の脳は適宜自前で分泌してるんじゃないかとも思う。
とはいえ、程度はともかく、この手のクスリや食い物にまつわる話は絶えることがない。テレビ番組とか健康食品ではひとつのジャンルを築いているし、インチキな代物に騙される人も後を絶たない。つまりは、もしそんなものがあればオレも…ってのは誰でも思うことなんだろう。
そして、お約束のようにクスリの効果で大躍進しつつも微妙にタガが外れていき、最後には破滅していく主人公を見ていると、妙に安心する自分もいる。金で買ったクスリの力で幸せになれるのなら、結局世の中金かよ!、となってしまうからだけど。
作中で、もともと持っていない力はクスリを飲んでも出てこない、といった意味のセリフがある。この辺も微妙な所だ。「オレは本当は力があるのに、本来の力を発揮できないだけなんだ」ってのは、何もしない奴の常套句だ。ってことは、おクスリで発現した力は本来持ってた潜在能力か?それを引っ張り出して育てる努力をしたのかオラ!と言いたい。
未来からだろうがおクスリのお陰だろうが、前借りしたものはどうせツケを払わねばならないのだ。
和田 啓
評価:B
人間の欲望というものについて考えさせられた。脳の働きを超人的レベルにまで高められるステライド剤MDT−480。それを服用すればこの世のどんな人よりも秀でることができる魔法の薬を手にしたら、人は何を所望するだろうか。
洋服、車、食、家、異性を順番に手に入れた男が次に欲しがったのはキャリアと名声だ。未来を読める神の視座をも持った男は、株の売買や企業買収を通じて莫大なマネーを掌中におさめたかのように見えたのだが……。
『百年の孤独』を原書で読めたり、ビル・エヴァンズの曲を楽譜なしで演奏できるようになれたら素敵だと思う。難解な経営分析の専門書をすらっと一読しただけで理解し、株の世界でも連戦連勝できたらと誰もが夢見るだろう。しかし勝ち続けることは不可能だ。筆者のアラン・グリンはアイルランド生まれ。牧歌的なダブリンで育った彼が見た苛烈極まるニューヨーク社会の実態がここにはあると感じた。
ラストシーンはなかなか風刺が効いている。それでも人間は欲望し続ける。親の言うことを聞かずに戦争を止めないどこかの子供のように。