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├2001年7月
├2001年6月
└2001年5月
ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね
【平凡社】
岡崎京子
定価 1,260円(税込)
2004/3
ISBN-4582832121
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
桑島 まさき
評価:B
人気漫画家・岡崎京子の初の物語集。まず、製本の可愛さが目につく。さあ、これから岡崎ワールドへご招待しますよ、と言わんばかりの意味深な仕立てだ。
これは「小説」と呼ぶべきか。自由な表現形式が許される(?)「小説」の多様性を考えさせられる。「チルチルとミチル」「赤ずきんちゃん」他、童話の世界の人々を自由自在に遊ばせかくも怖くてグロテスクな話にしたてるとは…。文章についても考えさせられる。巧い文章ではないが、ヘタな文章でもない。とことん感情的なのだ。ヒステリックに文章を並べたというのではないが、感情のいきつく所までとことん突きつめていく。
本業は漫画家なのにここまでヤラれたら、小説家は奮起しなくてはいけないだろうな。だって、文章は小説家の武器なのだから。
藤井 貴志
評価:D
自分で購入することはないであろう1冊だ。短編集だが、独立する作品もあれば、連作になっているものもある。毒気を含んだ内容は人間の脆さを痛々しく描くのだが、この「毒」が僕にはどうも身体に合わない(毒が「体に合う」というのも変な話だけど……)。
人の顔を覚えられない女性と、物忘れのひどい男性が偶然に出逢ってから別れるまでを描いた表題作にしてもそうだ。「自分の恋人の顔を覚えられない女性」がたまたま近くにいた「もの忘れのひどい男性」を自分の彼氏だと勘違いしてデートに連れて行ってしまい、その晩、ベッドで寝息を立てている男性を見て、女性は、この男性が自分の恋人ではない事に気づく。どうして早く教えてくれなかったのかと泣きながら責めたてる女性に向かって男性が「恋はこんな風に始まるものだよ、小猫ちゃん」と応える。そんな事を言う男も男だが、それを聞いて「私、いきなりあなたが好きになったわ」という女も女だ!と思い、最後までどうものめり込めなかった。
古幡 瑞穂
評価:B
カリスマ的人気を持つ岡崎京子の初文芸作品、だそうです。マンガの方を読んだことがなかったので、そちらと対比しての感想を述べることができないので申し訳ないです。
こういう今にも崩れそうな危うさを持った雰囲気ってハマる人が多いですね。読み始めた頃はカリスマがカリスマたる所以を理解しようと思って肩肘をはっていたのですが、中盤くらいで率直に書いてある言葉を受け止めるだけで良いのではないかと思い始めました。そうなってようやく文章にとけ込めた気がします。とけ込んでみても痛いものは痛かったけど。
愛情を証明するために自分を傷つけずにはいられない女の子が出てきます。誰の心にもきっと潜んでいるであろうこういった不健康さを、我がことのように受け止められた時期もあっただろうに、今は客観的に読めてしまったのがちょっとショック。大人になったというか年をとったということなんですかね?
松井 ゆかり
評価:C
私はマンガが好きだ。しかしマンガに関しては、一般書についてよりももっと好みが偏っており、女の子の悩みを赤裸々に描く岡崎京子さんの作風は正直ちょっと苦手だった。少女マンガなら昔の別マ系(うわ、少女趣味!)、少年マンガなら男の子の友情を描いたもの(「ONE PIECE」「スラムダンク」など)、あるいはジャンルの枠を超えた「動物のお医者さん」や「魁!クロマティ高校」といったところがストライクゾーンである。
言うまでもなく、マンガと一般書の違いは絵があるかないかだ。ならば、絵が介在しない、小説という媒体の岡崎作品はどうだろうか?結論としては、私は悪くないと思った。たぶん、マンガと小説それぞれで岡崎さんが表現したいと思っておられることに根本的な違いはないだろう。自分が歳をとったせいで好みに幅が生まれたのかもしれないし、岡崎作品を味わうには彼女の絵こそが私にとっては枷なのかもしれない。どっちなのかはともかく感覚としては、昔敬遠していた不良っぽい同級生と久しぶりに再会してみたら屈託なく世間話ができるようになってた、という感じ。
松田 美樹
評価:C
岡崎京子の頭には、いっぱいお話が詰まっているんだな、というのがよくわかりました。こういう人は、単に絵が上手く描けたから漫画家になっただけで、今回のように文章だったり、きっと映像でも才能を発揮できる人なんだと思います。表現する術さえ知っていれば、きっと何だってできるはず。
この作品集は、そんな彼女のお話ポケットから溢れた短編が収められています。全てをまとめてこんな感じということができない、ぎゅっと濃縮された様々な要素が詰め込まれています。女の子たちの独り言めいたその数々は、読む者を拒絶するかのような、でも全てを受け入れてくれるようなきっぱりとした印象を受けました。彼女の漫画はほとんど読んだことがないのでわからないのですが、あえて絵でなく文章で表した意味を知りたいと思いました。
三浦 英崇
評価:C
小学校5年生の頃、図書館で寺山修司の詩集を読みました。頭良さそうに見せたがるダメな小学生の常で、見栄張って読んでみたはいいけれど、そこに書かれた言葉の連なりが醸し出す奇妙なリズムに酩酊してしまったのを覚えています。
この作品群を読んでいて、二十年以上前のあの「言葉酔い」の感覚を思い出しました。漫画家である作者が、絵の代わりに文字で描き出した世界は、過去にこちらの書評でも挙がっていた「ツ、イ、ラ、ク」(姫野カオルコ)のヒロイン・隼子が好みそうな、シビアで残酷で痛々しいけど、でも潔くてかっこいい「オンナノコ」たちの世界です。私が生きている場所からは、あまりにも遠い国で発せられている言葉たちに、ただ圧倒されるばかりでした。
三十路のうらぶれた野郎なんぞは「入れてやらないよ」と門前払いされそうな雰囲気の漂う、読者を選びそうな作品だと思います。私は、選ばれなかった方の人間でした。残念です。