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硝子のハンマー
【角川書店】
貴志祐介
定価 1,680円(税込)
2004/4
ISBN-4048735292
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
川合 泉
評価:B+
暗証番号に監視カメラ。事件現場は完全な密室だった!前半は弁護士・純子と防犯コンサルタントの榎本が事件の謎に迫り、後半は一転、犯人の独白により動機と殺害方法が明らかとなる。榎本という男が曲者で、防犯コンサルという触れ込みながら、本職の泥棒の腕前を駆使して真相を解明していく様が見もの。
この小説、防犯カメラの仕組みや、事件のトリックが悪用されないかと心配になるくらい細かく書き込まれている。トリックに関しては、一切妥協を許さず綿密に練られており、作者の意気込みが感じられる。これぞ、本格ミステリーと呼ぶにふさわしい一冊。純子と榎本のコンビは是非又見てみたい!
桑島 まさき
評価:B
「青い炎」以来、ご無沙汰していた著者の新作。1章では、事件が起こる日のプロセスが時間単位で進められ、発生後、密室殺人のトリックを解明できない関係者たちの狼狽ぶりが描かれる。トリックモノの「推理小説」は、時間や場所がハッキリ描かれないと読者にはわかりづらいが、図解を盛り込んであるので不明瞭さはない。犯人が特定できないだけに不気味さが増す。
2章は、〈犯人〉の視点で語られ謎解きがなされる。そう、罪を犯す者の側に視点をおき、〈人を殺してはいけない〉という常識的な考え方をもっていた犯人が、〈何故、人を殺してはいけないのか?〉という決定をするに至った〈社会的弱者〉の心理に軸をおいた「サスペンス」へと変容するのだ。「青い炎」の悲しき殺人者のように。完璧な殺人トリックは見事という他ないが、私はその見事さ云々よりも、追い詰められた犯人が罪を犯すまでの心の葛藤を興味深く読んだ。
だが、やはり、殺していい人間などこの世には存在しない。本質的に残酷で“心のない”「黒い家」の殺人者とは違う、“心ある”人間の弱さゆえの犯罪。それだけに悲しい。
藤井 貴志
評価:B
完璧なまでにセキュリティ対策が施された社長室で起こった密室殺人。逮捕された専務の無実を証明しようとする女性弁護士と、彼女に雇われた防犯コンサルタント(本業は泥棒)が完全犯罪に挑む。こうしたミステリーでは、読み手は作者に負けじと「きっとこうに違いない!」とトリックを暴こうとするものだが、本書ではこうした読み手の「もしかして……」が次々と潰されていく。それがまた気持ちいい。各種防犯対策への作者の調査は綿密で、細部まで徹底的にこだわっている。
本書は2章構成で、1章で主人公たちは密室殺人の謎を解くためにあらゆる可能性を試すが、いずれもことごとく失敗する。そして第2章で舞台ががらりと変わり、物語は意外な展開を見せていく。
第1章でこてんぱんにやられた読み手としては予想を超える真実を期待したのだが、終盤で明らかになる事実は予想よりスケールが小さい。たしかに現実はそういうものかもしれないが(殺人の動機は今でも腑に落ちないが……)、「やられた!」という読後感を得ることはできなかった。
古幡 瑞穂
評価:C
いたって個人的な話で恐縮ですが、読み始める前に同僚のTくんに超肝心なところをネタばらしされちゃったのです。こういうことがあるからミステリは人より早く読まなきゃいかんのですよ。おかげで読んでる間中そればっかりが気になって気になって(泣)
謎解きをするのが弁護士と防犯コンサルタントという珍しい設定。これにはなるほどと唸りました。だからこそこのプロットも活きてくるというものです。前半部分は緊張感があって息が詰まるような読書時間を過ごさせて頂きました。逆に後半の謎解き部分をもう少しあっさりさせても良かったのでは?人の暗部を強烈なインパクトをもって描いてきた作家さんなだけに、もっともっと人の心を描いて欲しかった!
ところで、これって真剣に謎解きをすれば犯人がわかる小説なんでしょうか?
松井 ゆかり
評価:B
自分は比較的ミステリーを好んで読む方だと思う。しかし、いままで「本格」であるかどうかということを意識して読んだことはなかった。
この「硝子のハンマー」は、広告や帯を見ても「本格」であることが強調されているし、書店で見かけたポップにも著者本人からの「絶対にこのトリックは見破れない」という趣旨の挑発的なコメントが書かれていた。
そこで私も、「よし、受けて立とう!」と読み始めたのだが…。いや、確かに見破れなかった。思いつきもしなかった。ていうか、もし思い浮かんだとしても「そんなバカな」とすぐさま打ち消してただろう。
いま私の心は静かな感動に満たされている。この本の内容にではなく(いや、もちろんおもしろく読ませていただきましたが)、この本の内容に狂喜する方々に対してだ。私は“「本格」を愛する人々”を愛する。「本格」ファンに悪意があっての発言では決してない。こういう限定されたものへの愛情っていい!心からそう思う。
三浦 英崇
評価:A
NHK教育の子供番組の一コーナーに「今日のロボット」というのがありまして。私は毎回録画して観てしまうくらい好きなんですけど、どこが好きなのか突き詰めて考えると、目的達成のために一切の無駄や不合理を排し、理屈によって精緻に組み上げられているところなのかなあ、と。本格ミステリにうっとりしてしまうのも、また然り。
監視カメラに見守られた密室での、社長撲殺事件。社長室には、人を殺すような動きは一切取れない介護用ロボットだけで、外からの侵入は厚手の防弾ガラスによって完全に不可能。この難局打開のために登場するのは、どこか怪しげな「防犯コンサルタント」榎本径。
美しく構築された「完全犯罪」という名の論理の城は、たとえ、最後には突き崩される運命だったとしても、いや、そういう運命であるからこそ、なおさらに美しさを増すものです。前作から4年半。待たされましたが、待った甲斐がありました。