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あなたはひとりぼっちじゃない
【新潮社】
アダム・ヘイズリット
定価 1,890円(税込)
2004/5
ISBN-4105900390
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
桑島 まさき
評価:B
9つの短篇が収録されている。それぞれの物語の登場人物は深い孤独を覚えていたり、精神を病み、絶望や癒されることのない哀しみにうちひしがれ苦しんでいる。しかし彼らはそれを声高に叫んでいる訳ではない。著者は抑制の効いた表現で静謐の中にヒリヒリとした痛みを読者に投げかける。
登場人物たちのほとんどが精神を病んでいるから同情しているのではない。私たちも彼ら同様に孤独を感じる同じ側にいる人間であり、いつなんどき彼らと同じ症状に陥る可能性があると知っているからだ。いや、もしかしたらすでに彼らの側へいっているのかもしれない。そう、我々はそんなボーダレスな現代に生きているのだ。
短篇である。その短い話の中で彼らの心の空洞を理解し、その人だけの人生を理解することはフツーは難しい。なのにこの若いアメリカの作家はいとも簡単にやってのけている。彼らがとてもいとおしいのだ。“あなたはひとりぼっちではない”そう、声をかけたくなるくらいに。
古幡 瑞穂
評価:B
ゲイ、精神を病んでいる人、そういった生きにくさを抱える人が多く出てくる小説なのでありがちな癒し系かと思っていました。が、その枠にはとどまっていません。テーマはほぼ共通しているのに、それぞれに全く異なった香辛料がきいているのです。
普通の世界との断絶を痛さだけで描くのではなく、最終的には彼らを包み込むような優しい空気も用意されていて好感が持てました。しかしこういった現実があるんだということに気づくと、ものすごくやるせない読後感が残ります。
個人的には、他の短編と少し毛色の違う“予兆”が好きです。この少年の姿はもう少し長く読んでいたいなぁ。
松井 ゆかり
評価:B
かつて、私はいまよりずっと傷つきやすい心を抱えた子どもだった。他者との距離のとり方がわからず、世界と自分との間には見えない壁のようなものがあると感じていた。
やがて年を重ねるにつれ、少しずつ世間と折り合う術を身に付けた。世界は自分が思っていたほどこわいものではないと思えるようになった。
現在の私を見て、かつての内気な性質を見出す人は少ない。たぶん心の奥には昔と変わらない自分がいるのだと思うが、それでも以前より生きることは難しくなくなった。
この短編集の主人公たちは、大人になってもガラスの心をむきだしのままに持ち続けているような人々だ。冷静な気持ちで読めない。それでも生きることは素晴らしいと思える瞬間が、暗闇の中にいるすべての人にどうか訪れますように。
三浦 英崇
評価:C
私は昔から「ふつうは……」という説教の仕方に、ことのほか反発を覚える性質でした。あなたが言うその「ふつう」とは、いったい何を基準にした「ふつう」なのか。具体的根拠の薄い価値基準に従うのは、断じて理にかなっていない、と思うのです。
この作品集では、「ふつう」という価値基準からは隔たりのある、と見なされそうな人々が、その価値基準の強要に悩まされたりすることで、自らの孤独を深めてゆく姿が描かれています。確かに、そこに描かれている人々の行動は、自分自身を基準にして見る限りでは、「異端」としか言いようのない奇妙さに満ち溢れています。ただ、それを見ている自分を「ふつう」である、と思えるほど、私は傲慢ではないので……
人は皆、多かれ少なかれ、偏ったところも異常なところも抱えているのです。自分自身の傾きを知ることで、タイトルの通り「あなたはひとりぼっちじゃない」と思えるようになれればいいなあ、と。