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├2001年8月
├2001年7月
├2001年6月
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太陽と毒ぐも
【マガジンハウス】
角田光代
定価 1,470円(税込)
2004/05
ISBN-4838714998
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
川合 泉
評価:B+
衝動買いの止まらない彼氏、記念日をやたら気にする彼女…等々、自分のパートナーの少しだけ突出した性癖がどうしても気になってしまう。そんな男女の恋愛模様が、11個の短編一つ一つで繰り広げられている。食べ物の好みが合わないとか、その趣味はいただけないとか、日々些細な事に不満は感じてしまうもの。でも相手だって同じように「合わないなあ」と思っているところがあるはず。「100パーセント合う人なんていない」(「100%」より)からこそ、恋愛は楽しいのである。
彼氏、彼女に対して多少不満を感じている人は、是非この作品を読んでみて下さい。読み終わった後、もっと寛大な気持ちで相手を見る事が出来るようになることうけあいです。
桑島 まさき
評価:B
11の〈恋人たちの物語〉が収められた短篇集。直接の知り合いでなくても見たり聞いたりして、こういう人いるいる、というクセのある人々が登場する。著者はそんな対象を恋人の視点から描いていく。第三者なら客観的に〈フツーじゃない〉〈変わっている〉という言葉でかたづけられるが恋人となると思いは複雑。風呂に入らない彼女をもつ男、迷信を信じすぎる彼女をもつ男、ペラペラ喋り過ぎる彼女を持つ男、記念日フェチの彼女と別れようかどうしようかと悩む男…など。
なかでも「お買いもの」を面白く読んだ。通販でモノを買い捲る彼とデパートに行った女が、魂が抜けおちたような状態で目的もなくモノを買い捲る彼のその一瞬をみた時の違和感。つきあっている人のことは何でも知っているようで、実は知らない。そう気づかされる刹那の驚き。日常のふとした瞬間に訪れるズレは、新鮮さを運ぶか別離の要因となるか、どちらかだ。こんな一瞬を著者は巧みに掬い取っていく。
そういう男を理解しようかどうかで躊躇して一歩踏み出せない女のいいようのない不安は分る気がする。珠玉のような作品集だ。
古幡 瑞穂
評価:B
カップルとしては危うい時期の11組の男女が出てくる短編集。いずれも相手の癖が許せなくなって、妥協できなくなってきた時期の人々です。どの人も強烈だけど、冒頭から登場する風呂に入らないオンナは衝撃的でした。「あーあるある」と共感しながらも「じゃあわかれちゃえば」と思ってしまう気持ちがむくむくしてくるから、どうもどっぷりはまれなかったというのが正直なところ。角田作品らしく上手な文章なのでスピードをもってさらっと読めるのだけれど、前向きに読み進める気持ちになれなくて読了までに時間がかかりました。でも読み終わってみると後味が悪くないのは決着方法の巧さに起因するのでしょう。
小説のカップルたちはさておき。年をとるとこうやって大きなことも些細なことも譲れないことが増えていって、より共同生活しづらくなるんだろな。と暗澹たる気持ちになってます。
松井 ゆかり
評価:A
夫と私はけんからしいけんかをしたことがない、一般的には割と珍しいとされている夫婦だ。しかし、お互い相手に対する注文が皆無というわけではない。
夫から私への提言は「掃除はもっと丁寧に(夫の掃除の手腕は私のそれを遥かに上回る)」。それに対する私の反論は「自分としてはきちんとやっているつもりである(両者の「丁寧」のレベルに食い違いあり)」。私から夫への提言は「観られないDVDをなぜ買うのか(労働によって得た報酬で好きなものを買うこと自体はまったく問題ないが、余暇をすべて費やしても見終わらないほどの量を購入する必要がどこにあるのか)」。それに対する夫の反論は「いつか観るつもりで買っている」および「購入する行為そのものが楽しい」。夫はきっと未読王さんと話が合うと思う。
この本に出てくる男女は様々な理由で、相手の一点が許せない(最終話のみ“ことごとく好みが合わないのに、ある一点のみ気が合う男女”の話である)。角田さんの筆が冴え渡る文章をご堪能あれ。
松田 美樹
評価:B+
恋人とのけんかって後から思うと、どうしてこんなつまらない原因でヒートアップしちゃったんだろう?とバカバカしくなりませんか。そんなことを思ったことのある人なら、この本を読むと、そうそう!こんな感じ!と恋人とのわだかまりの部分をリアルに体感できます。
好きだから一緒にいるんだけど、相手の全てが新鮮で愛おしく思える時期を過ぎてしまうと、徐々に許せない一面が見え始めます。同棲なんてしていればなおさらのこと。好きという気持ちと許せない気持ちが両方の天秤に乗ってぐらぐら揺れる、その微妙な揺れ具合が11通り描かれています。けんかの理由は、恋人でなければ(ただの友人としてなら)笑って済ませられる程度。縁起をかつぎたがるとか、お菓子が主食だとか。そのつまらなさ加減とだんだん許せなく思えてくる切羽詰まった気持ちが、本当に上手く描かれています。角田さんらしさがぎゅうっと濃縮されて詰まったような本です。
三浦 英崇
評価:C
自分の好きになった相手の変な癖を、貴方はどこまで許せますか? という問いを、まっすぐに投げつけてくる短編集であります。私は……ここに出てくる人々は、正直言って勘弁して欲しいなあ、と思うのばっかりなんですが。心、狭いんでしょうか?
でも、やはりお風呂には入ってくれないと臭いだろうし、万引きした彼女を引き取りに行くのも嫌だし、酒豪ってのも、アルコール不堪症の身としては、ただ謝るしかないです。そういうところを含めて、それでもやっぱり好きだから、という結末に行くのは、お話だからであって、現実にこんな彼女は、と思うと、やはり長くは続かないと思うし。
いちいち、自分の身に置き換えて考えてしまうのは、「やっぱ彼女作るには、多少の妥協は必要なんじゃないか?」と、最近迷いがちだからでしょうか。相手のいる方も、いない方も、身につまされて読んで下さい。辛い話でしたよ。もう。