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宮本常一の写真に読む 失われた昭和
【平凡社】
佐野眞一
定価 1,680円(税込)
2004/6
ISBN-4582832253
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
桑島 まさき
評価:A
「宮本常一の写真に『見る』…」ではなく『読む』というタイトルにした著者(もしくは編集者)の真意を私たちはしっかりと受け止めるべきだろう。私は昭和、平成と生きている。「昭和」を知らない若者がみたら、一体これらの写真をどう感じ取るだろうか? 彼らにとって昭和も大正も明治も区別がつかないのではないだろうか。事実、昭和生まれの私でさえ、すごく前時代的な写真のように感じる。高度経済成長期に多感な時期を過ごした私の原風景となるのは、本書に収められた写真の中にはあまりない。
日本中を歩き回った宮本常一は、とりわけ田舎や辺境の地を多く訪れ、時間の影響とは無縁の土地の人々や日々の営みをカメラに収めてきた。都市部と農村や漁村との格差はあるとしても、昭和が終わってからまだ十数年しか経たないのに、なぜこれらが懐古的に映るのか。言うまでもなく、急激な時代の進歩を写真が雄弁に物語っている。そして、時代の変化の陰で〈変わったモノ〉〈失われたモノ〉が数多く存在することを。人々の日常的な営みの中に日本人の豊かな精神世界がしっかりと根付いていたことを。
古幡 瑞穂
評価:B
民俗学者宮本常一さんの残した昭和30年代の写真200枚ほどを佐野眞一さんが読み解いています。気取らない視点で当時の世俗を切り取ってあるので単なる懐かしさにとどまらず、当時の人々の体温とか辛さとかそういうものが伝わってきます。当時の田舎じゃあまだ写真なんて珍しかっただろうによくこんな普通の表情を切り取れたなと思うくらい。「あぁこういう歴史の上に今があるのね」と感じ入ってます。
文章は昭和を読み解くというよりは宮本さんの仕事を追うという色合いが強く、これまた胸を熱くさせられるような話が続きます。一つのことに一生懸命な人というのはその存在だけで感動をつくりますね。こういう本に触れるとまだ自分には知るべきことや読むべき本が山ほどあるなということを再認識します。
松井 ゆかり
評価:B
うちの家族5人の中では、私がいちばん年長である。生まれたのは昭和42年の8月だ。夫は同学年だが、43年2月の早生まれ。ときどき私を「おねえさま」などと呼ぶ不届きものだ。しかし、長男は平成7年生まれ。そのうち「おやじもおふくろも昭和生まれか」と憎まれ口をたたくようになるだろう。が、そんな長男も平成10年生まれの次男からは「平成ヒトケタ生まれ!?」と揶揄され、さらには4人まとめて2001年生まれの三男から「おれ以外全員20世紀生まれじゃん(笑)」と言われることだろう。
ことほどさように、昭和は遠くなりにけりだ。私と同年代くらいが、この本の写真を見て「懐かしい」と思う最後の世代だろう。何気ない風景を切り取る宮本さんの視線の素晴らしさや資料としての歴史的価値はもちろんであるが、写真は記憶と結びつくことで人間にとってより重要なものとなる。「昔はよかった」と懐古趣味にひたるつもりはないが、しばし時間の流れに思いを馳せることとなった一冊だった。
松田 美樹
評価:A
日本全国をくまなく歩き、その文化を記録に残した宮本常一。彼が撮った、昭和30年代を中心にした写真を佐野眞一が読み解いています。
写真をみる限りは、戦後間もないような印象を受けますが、写っているのはつい40年ほど前のものばかり。私は昭和47年生まれなので、生まれる10年前は、日本はまだこれほどの環境だったのかと新鮮な気持ちになりました。藁葺き屋根、つぎはぎのある布団、天秤棒で荷を運ぶ人々など、今では考えられないような生活の一場面が切り取られています。おばあちゃんが孫の相手をしながら草履を編んでいたり、子どもたちがあどけない笑顔で笑っていたりと、ついこの前の出来事なのに、今では手に入らない暮らしは何だか眩しく思えます。見たことのない風景なのに、懐かしくせつない感じがしました。いくら言葉を重ねても、こればっかりは「百聞は一見に如かず」なので、手に取って写真を実際に見てみるのが一番です。
三浦 英崇
評価:C
私は今年の1月30日、たまたま東急東横線に乗る用事があって、この日を最後に廃止となる桜木町駅まで行ったのですが、そこで驚いたのは、誰も彼もが、一斉に写真を撮る姿でした。
カメラ付き携帯の普及に伴い、何気ない日常に生じた無数の事象を、手軽に写真に撮れるようになった現在。インターネットで流行中のウェブログには、日々、何万枚もの写真がアップされています。そんな時代を、30年以上先取りしたのが、この作品に掲載された写真を、撮って撮って撮りまくった民俗学者・宮本常一だったのではないか、と思います。
たぶん、今、彼が生きていれば、桜木町駅最後の日に集まった、無数のミーハーな人々(含む私)の写真をたくさん撮って、満足げな笑みを浮かべていたのではないかと思います。案外、カメラ付き携帯を自在に使いこなして、喜んでいそうですし。
写真そのものの懐かしさより、写真を撮っていた本人の人柄を想像して楽しめる作品でした。