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├2001年6月
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ジェ−ンに起きたこと
【創元推理文庫】
カトリ−ヌ・キュッセ
定価 1,029円(税込)
2004/7
ISBN-4488173020
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
岩井 麻衣子
評価:B
ある日ジェーンに届いた小包。中身は小説で彼女のプライベートなことが細かく記されていた。いったいだれが書いたのか。犯罪の匂いがぷんぷんする設定に思わず身構えてしまったのだが、ジェーンが読む小説は、あこがれの上司と食事の場面で、おなかを下し、20分間トイレにこもり、いざ出るときに紙がないシーンから始まる。もしかして、コメディ?と思ったのだが、展開は暗いままで、ジェーンは「私の私生活をこんなふうに覗くのは誰よ」ってな感じで、サスペンス風に読み進めている。何だか妙な話なのだ。おまけに小説のジェーンの嫌な女であること。夫に頼らず、自分の仕事をきっちりこなす彼女はその面では自立しすばらしいのだけれども、こと男関係はだらしなく、ちっとも共感できる余地がない。元彼がこんな小説を書いて嫌がらせもするだろうと思わざるを得ない嫌な女っぷりである。自己を反省し成長していくのかと思いきや、ラストのある人への電話は到底許すことはできん。彼女に天罰をと叫んでしまうのだ。
竹本 紗梨
評価:A
ある朝、ポストの中に原稿用紙がぎっしりと詰まった封筒が置かれていて、その中には自分自身の過ごしてきた人生が何から何まで書かれていたらどうしますか?ジェーンの元に届いた不思議な手紙。ジェーンが読み進め、感想やその間の行動が挿入されて、ジェーンの不安と人生とを共有していく。ジェーンの恋人、結婚、仕事と何もかも赤裸々に書かれていて、その作者の予想も、読み進めるうちにどんどん覆っていく。誰がジェーンのことをずっと見ていたのか、そしてどうしてこんな手の込んだやり方をするのか。ジェーンの自尊心もプライドの高さも、不安も能力も依存性もすべて明かされる。読んでいるジェーンが狂ってしまったのかと思うこともあった、それほどこの一人の女性の内面が生々しく描写されているのだ。巧みな構成と畳み掛けるような、心理描写。作者の意図通りか、読んでいる間中、ジェーンがひとりきりでその気味の悪い小説を読むアパートに気持ちが飛んでいた。共感する部分がない人がいれば、それはとてもうらやましいことだ。
平野 敬三
評価:A
歪んだ愛がここにある。「なぜなら、あれは愛だったのだから」。ラスト近くでのジェーンの独白は痛いほど僕の胸を打つ。無性に泣きたくなった。げっ、気持ちわるぅ。そんな読後感の人もいるだろうが、僕にはこの歪んだ愛情の交錯が生み出す狂おしさがたまらなくツボだった。それにしても謎の種明かしも秀逸だったが(謎解きの答えが、ではなく、謎が解き明かされた時の主人公の心の動きの描写が)、そこに至るまでの作中ストーリーもお見事の一言。御伽噺では決してないが、変にお下劣ぶるわけでもなく、ひとりの女性の日常を「いいあんばい」に描いている。彼女の不安、喜び、怒り、哀しみ、後悔、すべてが作品を魅力的に彩っている。ラブストーリーの秀作として、長く記憶に残るだろう作品として広くお勧めしたい。
藤川 佳子
評価:B
ある日、宛先人不明の小説が主人公・ジェーンの元に届きます。その小説のヒロインはまさにジェーンそのもの。誰も知らないはずのあの彼との一夜や、記憶の彼方に押しやっていた出来事までが詳細に書かれているのです。これを書いた犯人は誰? 昔の男か、別れたダンナか、はたまた同じマンションに住んでいたセラピストか…。
レニー・セルヴィガー主演の映画にもなった、あの「ブリジット・ジョーンズの日記」ミステリー版といったところでしょうか。ジェーンの経験や感じたことは、女性なら誰しもが思い当たることばかり。でもね、イマイチ共感できないのは、彼女がスタイル抜群の才女っていう設定だからなのかな…。
藤本 有紀
評価:B
「これは私のことだ。」と何度思っただろうか。猫のアール・グレーが扉を引っ掻くところを読んでいた、ちょうどその時その名前の紅茶を注文したところだったとか、ベルリンのシーンを読んでいたとき奇しくもその都市在住の友人から手紙が届いたとか。あるいはこう。ジェーンが空港で恋人の到着を待っている。見知らぬ女性に褒められた新しいドレスを身につけ、そのボタンに彼が手をかけるところまで想像しながら何時間待っても現れない恋人に、途中で事故にあったに違いない、いや私から逃げたのだと危機感をつのらせる。泣きながら、いよいよ立ち去ろうとしたとき奇跡のように完璧な待ち人が現れる。また、旅行中のトラブルで直射日光にさらされ、消耗し恋人に不信感を覚える。ジェーンの場合と相似した経験にビクっとする。人によってはそれは断りの手紙を開封するたびの冷やっとした感情であるかもしれないし、もっと別のことかもしれない。冷静に考えれば符合する点よりしない点のほうが多いはず。ジェーンほど学究肌じゃないし、男好きじゃない、感情と消化器が直結していないけれど、作品のあちこちに自分と重なる符合を見つけだしては背筋に冷たいものを感じるのは私だけではないと思う。