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├2001年6月
└2001年5月
犯人に告ぐ
【双葉社】
雫井脩介
定価 1,680円(税込)
2004/7
ISBN-4575234990
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
川合 泉
評価:B+
連続幼児殺害事件の捜査に行き詰まった警察は、テレビと組んで公開捜査を開始。特別捜査官・巻島は犯人を舞台に上がらせることができるのか。そして、警察内からのリークにどう太刀打ちするのか…。犯人と警察との攻防戦以上に、メディア間のスクープの抜き合いも見モノ。ただ、犯人からのアプローチが手紙だけで、なかなか手掛かりが掴めないまま話が進んでいたので、もう少し犯人と巻島の直接対決が見たかった!
この小説を読むと、劇場型捜査が日本で行われる日も近いのでは、と思わせられます。読む傍から、頭の中のスクリーンで登場人物が動き出す感覚に襲われる程、映像化にうってつけの作品だと思います。是非映画化希望!
桑島 まさき
評価:AA
〈川崎男児連続殺害事件〉のホシ〈バットマン〉を捕まえるために神奈川県警は、利便性と危険性を併せ持つメディア(テレビ)と結託して公開捜査に乗り出すという賭けにでた。メディアの影響力を利用して情報を操作する「劇場型捜査」は成功するのか?指揮をとるのは、かつてメディアによって叩かれた孤高の中年デカ巻島だ。ハードボイルドの世界から飛び出してきたような巻島の造型がカッコいい! 巻島は過去の借りを清算すべくデカ人生をかけて事件にあたる。
巧妙な手口で世間を翻弄する殺人鬼より厄介な〈組織〉の存在は、物事を停滞させる。警察機構とメディアそれぞれの思惑、身内の裏切り、個人的事情があったりと…。その駆け引きがまたスリリングで面白い。しかし、巻島は様々な局面で敵の姿を察知し果敢に闘いを挑んでいく。たった一つの目的のために…。巻島の揺ぎない目的を軸に、彼に関わる人々のドラマが幾つもの横軸となり、それがしっかりと描かれているので重厚な作品に仕上がっている。犯人にテレビを利用して宣戦布告するシーンは震えがとまらなかった!
藤井 貴志
評価:A
主題は迷宮入りしかけていた連続殺人事件。6年前のある事件のメディア対策で大失態を演じ、左遷の憂き目にあっていた巻島が捜査の責任者に抜擢され、日本初のテレビ生放送を使った公開捜査に挑む。この事件の操作に絡んで、警察内部での確執や裏切り、家族の問題など様々なドラマが折り重なり物語りに厚みを与える。350ページ超・二段組という読み手を引かせるボリュームだが、一気に読ませる構成力は見事!。
クオリティーの高さに文句をつける気はさらさらないけど、あえて気になった点を言うと、左遷の前後で巻島の性格が大きく変わっていたところかな……。復帰後の巻島は組織内での内部工作やメディアとの駆け引きを見事にやってのけるんだけど、巻島ってもっと唯我独尊で無鉄砲なイケイケ刑事じゃなかったっけ? 辛酸を舐めた苦労人の成長を描いたのかもしれないが、以前のキャラのほうが魅力的だったので残念な気がした。
古幡 瑞穂
評価:A
本を持ってかなりの厚さ、開いてみるとなんと2段組という本なのでとっつきづらさは否めません。が、読みはじめたあとの進み方が早かったこと早かったこと。トリックにこだわらない作り、被害者や被害者の家族の苦悩などをきっちり書き込む重量感。
前半と後半とを比べるとはるかに前半の方が緊迫感があった気がします。犯人との関係をもう少し書いてあったら後半部分にももう少しインパクトがあったかもしれません。読み終わってから時間を経てみると強烈なイメージを残しているのはダントツで巻島です。主人公に強烈な個性+犯人は最後まで姿を現さない+そしてこの内容=極めて2時間ドラマ的。と捉えているのですが…どうですか?
いずれにしても、この本に関しての個人的な関心事は“どこまで売れるのか”“巻島役は誰が演じるのか”この2点に決まりです。
松井 ゆかり
評価:B
冷静に考えてみるとけっこう「ありえない」感が濃厚に漂う(劇場型捜査って!)作品だが、読んでいる間はぐいぐいと引き込まれる一冊。同じ著者の「火の粉」も、じわじわじわじわいやーな感じが全編を支配する作品だったが、“見えない相手からの悪意”はこの小説でも大きなポイントになっている。
しかし、大きな謎のひとつが解決されないまま終わってしまうというのはやっぱりなー。うーん、ちょっと消化不良(余韻を味わう読者であれ、とお叱りを受けるでしょうか。すみません)。あと、本誌9月号で藤田香織さんが植草を「むかつきキャラ」と称されていたが、私は「バカキャラ」ではないかという気が。「ありえない」感の一端は植草が担っていた!
この小説を映像化するとしたら主人公巻島は、生きていれば松田優作にオファーされたんではないだろうか。個人的好みで言ったら寺尾聰。
松田 美樹
評価:B+
バッドマンと名乗る男が起こした連続児童殺人事件。犯人を追う警察は、テレビを通して犯人と連絡をとるという新たな手段で逮捕しようと試み、その表舞台に立たされたのは数年前に不祥事で地方に飛ばされていた刑事・巻島。彼の敵は犯人だけでなく、同じ警察にも足下をすくおうとする者がいて、巻島がんばれ!と彼の立場に立ちながら読み進めていると、彼は途中で読者をも翻弄させる行動を取り始め、本意が見えなくなってしまいます。作者にうまい具合に引っ張られている訳ですが、巻島の陥った四面楚歌の状態をどうやったら抜け出せるのか?、作り物の出来事(小説)とはいえ抜け出すことは可能なのか?と不安に駆られました。結果は言えませんが、とにかく作者は上手いとだけ伝えておきます。心地いい翻弄を味わってください。
三浦 英崇
評価:A
もし仮に、私が、マスコミを前に醜態をさらしてしまったとして、「人の噂は七十五日」と思い切ることができるだろうか。まして、身をもって知ったマスコミの脅威を逆手にとることなんてできるだろうか?
連続幼児誘拐事件の捜査の手詰まりを打開すべく、テレビ番組を利用した「劇場型捜査」に引っ張り出された主人公・巻島警視は、身内であるはずの警察内部にさえ敵に回る者が出てくるような、圧倒的に不利な状況に立ち向かわなければなりません。
かつて、同様の誘拐殺害事件において、会見で記者の傍若無人な質問にぶち切れ、「プッツン警視」と仇名されて閑職に追いやられた彼は、メディアをただ恐れるのではなく、その強大な力をしたたかなまでに利用します。
一度は奈落の底に叩き落された男の凄みに惹きつけられ、ラストまで目が離せず一気読み。決着もすっきりしていて好ましいです。