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形見函と王妃の時計
【 東京創元社 】
アレン・カーズワイル著
大島豊 訳
定価 3,990円(税込)
2004/7
ISBN-4488016405
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
朝山 実
評価:D
筋はいたってシンプル。子供の頃に読んだ「宝探しモノ」に似ている。図書館員の主人公が常連の老人の依頼で、幻の時計を探す旅に出る(といっても準備の下調べに精を出すばかりで、なかなか外に出ていこうとはしない)。どうやら彼は世間と断絶し、妻ともしっくりいっていないらしい。一言でいうなら変人である。だけどその印象が凡人へと一回転するのは中盤から。この構造が味噌。
作者は、メジャーな賞には全く縁がなかったものの、航空会社の賞(候補止まりだけど)に推されるなど、あるスジには高い評価を受けているとか。マニアックにしてスジで読もうとすると退屈。でも、なぜ彼はこんなに準備に熱中するのか。あることを「発見」できると掘り出しものかもしれない。たとえるなら麒麟ビールのラベルに隠された「キリン」の文字を見つけた時のワクワクみたいなものかな。
磯部 智子
評価:A+
食玩を集めるといった可愛らしい蒐集であれば、人と物との距離は膨らんだ財布さえあれば簡単に解決する。これが人と人との関係となると、そう一方的に隙間を埋めることは出来ないし、本物の蒐集家も又、それに似て叶わぬ望みを狂おしい思いでどこまでも追いかける。大富豪にして蒐集家ヘンリー・ジェイムズ・ジェスン三世の、形見函から欠けた1ピース「王妃の時計」に対する思いと、「カーマ・スートラ」のPOP−UPを作る!キュートな妻ニックの嫉妬が、図書館員アレクサンダーを、其々過剰な情熱を持った気の合わぬ2頭の馬のように機知と謎をたっぷり含んだ知の冒険に駆り立てる。言葉は遊び戯れ、些細なヒントから次々とビックリ箱の様に現れる新事実。とにかく楽しくて興味が尽きることは無い。詐欺も窃盗も辞さない蒐集家の世界で、張り巡らされた罠を掻い潜り辿り着く先は何処なのか。結末の「埋めたいと思っていた空白」に対する答えが又最高に洒落ている。
三枝 貴代
評価:A
大衆化社会は、金も地位もない一般民衆に、貴族的な情報へのアクセス手段を等しく解放し、しかし一方でなおまだ、貴族的物品等は等しく与えるまでに至っていません。結果、入手できない物々、身分不相応な高貴な物事について、実用性という意味においては全く無駄な知識を膨大に蓄えた人々を社会に大量放出することになりました。その代表人種は、ライブラリアン。これは日本における司書のイメージよりも、いくぶん学芸員に近い職業だと考えたほうが良さそうです。滑稽で、かつ、高貴な仕事!
若きライブラリアンの元に、貴族的な名を持つ紳士が、18世紀末の優雅な筆跡で書かれた図書請求票を差しだした。
始まって1ページ目で、もーう、わっくわく。蘊蓄、無駄知識まみれになる喜びで、くらくらします。登場人物の会話もキャラクターをよく表現して(これは訳文が良いのかな?)、実にいきいきとしています。ことに主人公のライブラリアンが間抜けな好青年で、とても好感が持てます。おすすめです。
寺岡 理帆
評価:B
とにかく、装丁が美しい。こんなに美しい本を手に取るのは久しぶりだなあ、と思わず感慨に浸って表紙を開く気が失せてしまうほどに美しい(笑)。
形見函を始め登場するジェスンのコレクションもホントに魅力的。そして、そのコレクションが収まるジェスンの屋敷もそれ自体がびっくりばこのように楽しい。
さらに、もちろん素晴らしいのは主人公の「ぼく」の勤める図書館の描写。そこで勤める人々がまさに生き生きと浮かび上がってくる。「ぼく」の妻であるフランス女性ニックもチャーミングなのよね。
作品自体も凝っていて、全60章、360ページでぴったり終わるように構成されているところがニクい。ただ、気になるのは、訳文がすごく読みづらいこと。このおかげで序盤は本当に苦戦した。この訳さえもうすこしよければ…残念だなあ。