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人が見たら蛙に化れ
【朝日文庫】
村田喜代子
定価 987円(税込)
2004/9
ISBN-402264334X
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
岩井 麻衣子
評価:B
先日、某寺でナントカ時代に朝廷から贈られたという掛軸を見てまず頭に浮かんだのは「おいくらほど?」ということだった。こんな下品な発想しかできないのは、その価値や美しさが全く分からないお恥ずかしい人間だからだ。しかし世の中には骨董に美を感じ手元におきたい人々が存在する。本書はそんな骨董を扱う商売人達の物語である。ツボや人形に振りまわされ、手に入れ売りつける為に犯罪まがいのことをやってしまう人、夢中になりすぎて家族に逃げられる人など様々な人が登場する。お宝ハンターといえども、一般人と同じ様に病気になったり、歳をとり弱気になったりする。そんな普通の人生と骨董を追うという夢が絡まりあい、八方ふさがりになってしまった人々にどんどん魅せられていくのだ。骨董が送ってきたであろう数奇な運命が後世の人々にそのまま乗り移ってしまったような残酷で恐ろしい物語でもある。
斉藤 明暢
評価:B
テレビの鑑定番組のお陰で、骨董などに対する一般人のイメージというのもだいぶマシになったとは思うが、大方のコレクターが変わり者扱いされていることに変わりはないだろう。身内だったら尚更である。で、本書は収集家ではなく、その業界側の人々の話だが、高価な上物などを扱えるわけではなく、もっぱら真贋も定かでない品や傷物、盗掘品なんぞが飛び交う骨董市に集う人々である。
骨董を扱う商売の人というのは、好事家や趣味人では勿論ないが、全くの商売人やギャンブラーというわけでもなさそうだ。それなりに惹かれるもの、あるいは愛着があるのだろう。
とはいえ、場合によっては大金が絡んだりするから、のめり込み過ぎるとドツボにはまってしまうのもまた確か。お宝やら儲けやら人の情やらを掴んだり逃したり、結局最後には儲かったのか損なのか、その辺がそもそもよくわからない世界なのかもしれない。
竹本 紗梨
評価:A
土ぼこりの、土蔵の中のかび臭い匂いがつんと鼻先に匂ったような気がした。骨董をめぐり、胡散くさいとしかいえない人々が、さらに怪しい生活に身を浸していく。他人の蔵の中から、山奥の土の中から、土をかぶってお宝がでてくる。生活はすべてお宝のため。その両目と数え切れないほどの経験だけが、ただの土なのか、それとも比類ない宝物なのか、毎日がギャンブルで、人生にその匂いをしみこませて生きている。胡散臭くて愛しい、愛を注いだ宝物には「人が見たら蛙になれ」と心を込めてさする。人間を愛おしむように、皿一枚、壷一つに愛情を注ぐ。まっとうな人生ではないけれど、ちょっとすすけた愛情に囲まれているような気がする。宝物と同じように、ちょっといかがわしくてなんだかかわいらしい小説だ。
藤本 有紀
評価:C+
骨董屋の馬爪健吾と元妻・富子。ハタ師の飛田直彦と妻・李子。盗掘師の萬田鉄治と妻・安美。骨董そのものに魅せられてもいるが、薄汚れた古物が大金に化けることにも魅力を感じ、これを生業とする。
金勘定や嫉妬に明け暮れる俗世の描写から、すこーんとリアリティから逸脱し天女の笑う天上界に浮かび上がってしまうところが不思議だ。さて、「少々垢染みた中年の悲喜こもごもは好きか? 女に踊らされる男の悲しい性が読みたいか?」と問われれば、私は「……別に。」と答えるゆえのC評価だが、面白かったです、ええ、ええ。ただ、”男だち”の頭の脂や”女だち”の安化粧がにおってきそうなほど生々しい生活臭に惹かれるということはない。意外に読者を選ぶかもしれない。「あんただち」「おれだち」という九州のことばはくせになりそうだ。「犬だち」「マグロだち」「本だち」などいろいろ応用できる。