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悪魔に魅入られた本の城
【晶文社】
オリヴィエーロ・ディリベルト
定価 1,995円(税込)
2004/11
ISBN-4794926634
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
朝山 実
評価:D
テオドール・モムゼンって誰だか知ってますか? 炎の中に飛び込んで本を運び出そうとした高名な学者さんで、百年ほど昔にノーベル文学賞を受賞した、とか。火事には一度なでなく二度まで見舞われた、とか。彼がそうまでして守ろうとした蔵書も彼の死後、遺族が処分。それを惜しんだ人たちが集めた本もドイツを攻めた連合軍の爆撃で破壊され、さらに50年後は僅かに残っていた本も所蔵していたイタリアの図書館が「不用品」として払い下げられたらしい。モムゼンを知る者にすれば噴飯ものだろう。が、ワタシは「本は人を選ぶ」ということを痛感したね。モムゼンはすごい業績の人らしいけれど、どんな人物か何だかわからぬうちにページが尽きてしまった。
磯部 智子
評価:A
本に対する深い思い、そしてそれが招く人間の悲哀が浮き彫りになる作品。先ずタイトルの『悪魔に魅入られた本の城』はモムゼンの蔵書が流転した謎を徹底的に追及する蔵書賛歌であり「怠慢な図書館員」や「恩知らずの相続人」を糾弾する蔵書的良心、光の部分を担う。それに対して『蔵書という自己疎外』という池田浩士氏のエッセーは「本と一緒に地獄に堕ちるために生まれてきた種類の人間」について言及された影の部分であり見事にコントラストをなしている。表裏一体になってこそ見えてくる真実がある。絶対的な価値があるとみなす蔵書を中心において考えるか、人間を中心において考えるか。『自己疎外』における蔵書地獄は、本人のみならず「本への好意的な感情が奪い去られた」家族もまた然りで、永年の苦しみを晴らすべく相続した本を一冊残らず売り払う、しかも誰かが又蒐集できない様に一冊ずつバラバラの古書店に売る話を生前から蒐集家本人(たぶん池田氏)にする妻の話などが記されている。最後に「どこへ行くにも持ち歩いている唯一の本」と「軍用機一機分の蔵書」のどちらが幸せなのかと問いかける池田氏自身が大変な蔵書家らしいのだから、わかっちゃいるけど、やめられない〜♪結局、死ななきゃ治らないのだ。それにしても『ある愛書狂の告白』といい《シリーズ 愛書・探書・蔵書》は面白い。
小嶋 新一
評価:C
薄い本だなあ、というのが手に取った第一感だったが、ペラペラ〜ッとめくってさらにびっくりした事には、本編はその実に半分以下であり、残りは36ページもある原註・訳註、おまけのエッセイ、訳者あとがきが占めている。これが、この本の素性を象徴している。これって、書誌学の世界っぽいですよね。全くの想像で言うのもナンですが。
二世紀前のドイツにいたモムゼンという書誌家の蔵書がその死後散逸し、イタリア人学者である筆者の手元にいかにたどり着いたか、その経緯を丹念にたどるのがこの本のテーマ。いろんな事情があって人手を経ていくわけだが、それなりの専門家がその重要性に気づかずに次々と手放していく様子には、やっぱり真の目利きって限られているんだ、と思わされた。
もっとドラマティックに、もっと小説っぽく書いたら、ミステリを読むみたいにドキドキしながら読めたのに……と思ってしまうのは、僕が貧乏性だからか。細かいディーテイルを排し気負わずに簡潔に記された文章を追いかけていくと、なんだか古文書をひもといているような気がしてきました。
三枝 貴代
評価:B
19世紀ドイツのローマ史家モムゼンの蔵書の一部がイタリアで発見された。この経緯を検証することにより、蔵書がいかに破壊され散逸するのかについて考察したノンフィクション。
娯楽性は極めて低く、正確な調査と膨大な脚注によって、極めて学術論文に近い姿をもった本にしあがっています。このような地味な作品を翻訳出版してくれた、勇気ある晶文社に大きな拍手を。
巻末に添えられた池田浩士氏によるエッセイもおもむき深く、モムゼンの時代より遙かに膨大な出版数のある現代において、本を集めること、維持することの意味を深く考えさせてくれます。
寺岡 理帆
評価:B
149ページのハードカバー、にも関わらずそのうち本文と言えるのはわずか70ページ足らず。半分もないって一体…。残りは膨大な注訳、そして解説がわりのエッセイと、あとがき代わりの長文。実際には読むには1時間もあれば充分。
内容的にはかなり興味深いし、ボルヘスの引用で締められるラストも味わいがあるんだけれど、それでもやっぱりこの作りはどうか。ある意味凝っていると言えなくもないのだけれど…。
もともと本書は小冊子として作られたらしい。小冊子ではあるけれど内容の濃い文章を日本で紹介したい、となるとこういう形式を取らざるをえなかったのか。タイトルなんてものすごく魅惑的だし。
面白かったけど、なんとなく騙されたような(苦笑)。
福山 亜希
評価:A
19世紀ドイツの歴史家の権威で、ノーベル賞受賞者でもあるテオドール・モムゼンが保有していた膨大な蔵書の奇異な運命を辿る、異色のノンフィクション。著者のディリベルトは2000年までイタリア法務大臣を務めていたというから、かなり変わった人物だ。ディリベルトは蔵書を巡る人間模様にスポットを当てているのか、それとも純粋に蔵書にのみスポットを当てているのか、その狙いは私には定かではないが、あまりに一直線な著者の研究姿勢は真面目すぎて逆に可愛らしく、彼の文章の端々にはユーモアさえ感じられて楽しかった。その雰囲気は研究対象のモムゼンにも同様にあって、気難しく、他人に好かれることのなかったモムゼンが、唯一無二の存在と大切にしていた蔵書を二度も自分の不始末が原因で燃やしてしまった事件には、人間の悲哀が可笑しさをもって表れているし、二度目には蔵書の一部と共に自分自身も火傷をおって死んでしまったことも、蔵書を愛する彼には正しい運命だった気がする。やはり本好きには変わった人が多いのかもしれない。