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コロラドの血戦
【新潮文庫】
クリントン・マッキンジー
定価 900円(税込)
2004/11
ISBN-4102150412
岩井 麻衣子
評価:A
警察官のアントンは、麻薬中毒の兄と厳格なエリート軍人の父を持つ。崩壊しかけた家族の絆を取り戻そうと、幼い頃父に連れられて行った山で3人でのロッククライミングを計画する。しかし、突然起こった殺人事件に、兄はその経歴から容疑者にされてしまう。必至で兄の無実を晴らそうとするアントン。父にも協力を求めるが、軍に呼び出された父は息子を見捨て去ってしまうのだった。山の利権を巡る陰謀により起こった殺人事件を解き明かすということを中心に様々な人間関係が繰り広げられる。事件解決のスピード感も申し分なく、目撃者を探して、追って、真犯人に捕まってという単純な筋のはずなのにドキドキさせてくれる。窮地に陥った兄弟を父が救出にくるという設定も家族をとり戻す話として完璧だ。しかーし、その救出方法が問題。パパ、その方法はちょっと……。ページをめくる手が止まってしまうほどのパパの登場の仕方に仰天。すばらしい。
斉藤 明暢
評価:B
キレ気味の兄貴と無愛想で力強い父親、クライミングを通じてのみ顔をコミュニケーションできる家族。そして主人公はといえば、暴力沙汰で休職中の問題警官だったりするのだ。そんな関係でありながら、ちょっと父親を頼りにしすぎているような気もするが、父親の存在感とか役割とか、存在自体の価値や必要性が果てしなく軽んじられている現代では、このくらい父親というものを強調しても構わないのかもしれない、などと思うのはひがみっぽいだろうか。
筋書き上は傲慢な田舎の権力者との戦いなのだが、実は主人公の気持ちは別な方向に向いている。様々な過去の傷をかかえる登場人物たちのせいもあって、なかなか痛快な展開にはなりにくいのだが、終盤のほうで大活躍する巨大で凶悪なダメ犬に、個人的には大いに救われた気分であった。
竹本 紗梨
評価:B
ワイオミングの麻薬捜査官の弟アントン、問題児で破天荒、そして麻薬中毒の兄ロベルト、無口な空軍大佐の父レオナルド。ロベルトを保護施設に入れるため、家族が時間を共有できる山登りをするため、ワイルド・ファイヤ・バレーに集まる。そんな3人がいる山で所有権をめぐる争いが巻き起こる。運動家の片目の美女キム、無邪気さが魅力のサニー、地元の有力者でこの山の所有権を狙っているディビット。ロベルトと家族の話し合いを持つ前に、サニーの恋人で反対運動で頭角を表してきたカルが撲殺されて、ロベルトが容疑者として逮捕されてしまう。山や大自然の鮮やかなデティールと、疑われ犯人に仕立て上げられ、命まで狙われての息詰まるような移動劇には引き込まれた。ただこの生き生きとした描写なら、肝心のラストにもっと期待以上の盛り上がりが欲しかった。
藤本 有紀
評価:B
アントニオが麻薬捜査官として奉職するワイオミングは、「男は男らしく、羊は怯える土地」という古いジョークにたとえられる。女がレイプ被害にあうということもあり、男=強者、女=弱者の設定が極端だと普通は反発を覚えるもの。しかし、この小説は違う。喧嘩の傷は当たり前、飼い犬に噛まれるわ、ロック・クライミングのロープでザーっと手のひらを擦りむくわ(熱そうで痛そう)でいつも傷だらけのアントニオを始め、ピンチのときには頼りになる兄ロベルト、父レオナルドらが、男らしさを履き違えていないから、女は守られるのが自然と思うわけである。バーンズ家の男たちのように強くて優しい男が多ければ、男は男らしく女は女らしくという理想も成り立つ。第2部では犬がパートナーだが、兄弟の冒険シーンが見られる第3部がじっとり手に汗握るところ。ワシのマークの製薬会社を連想してしまうけど。長男らしく複雑な性格が極端な行動に現れる兄と、熱いときは熱く、冷静なときは冷静な弟のファイト、一発! 意地が悪くて弱い男は退場するがいい。長い修飾語(節)がなににかかっているのか分かりにくいところが時々あるのが玉に傷。「薄いブロンドの髪」って頭髪が薄いのか、色が薄いのか? という程度なら問題ないのだが。