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失われし書庫
【ハヤカワ・ミステリ文庫】
ジョン・ダニング
定価\945
2004/12
ISBN-4151704086
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
北嶋 美由紀
評価:C
探偵役は元刑事にして古書店店主。事件の発端は稀こう本。ありきたりな設定のミステリではなくておもしろそうだと期待して読んだ。何となく読みづらかった。シリーズ3作目だそうである。残念ながら前作を読んでいない。シリーズものには主人公の経歴やら登場人物に暗黙の了解ともいえる「おなじみ」があって途中から入ると違和感を伴うが、そのせいだろうか。アメリカ人特有のユーモアで交わされる会話、法律的なこと、聞いたことはあるが距離感や雰囲気のつかめない地名、個人的な原因が主なのだが、しっくりこない。お決まりの「意外な犯人」も途中から見えてきて、あとは理由づけという、やっぱりの結末だった。古書業界の話は日本とは多少の違いはあるだろうが、新鮮だったし、作中作の日誌はおもしろく読めた。ただ、日誌の冒頭の字体とポイントがわざわざ変化させてある理由が何なのかよくわからなかった。
久保田 泉
評価:B
古書なんて地味でマニアックな世界でどうやってミステリーを?という不安は見事に打ち砕かれました。すでにこれが3作目という、シリーズものだったんですね、恐れ入りました。読むうちに古書をめぐる謎にどんどん引き込まれてしまった。古書店を経営する元刑事の主人公クリフ・ジェーンウェイが、19世紀のイギリスの探検家リチャード・バートンの稀覯本を落札したことからすべてが始まる。その本が自分の書庫から盗まれた本だと言う老婦人が現れ、クリフが探索を始めたところに強盗殺人が起きる。バートンは実在の人物で、アメリカに訪れている。ところがバートンの記述には3か月の空白があり、著者はこの事実から想像を膨らませ、一冊の古書をめぐる見事な歴史ミステリーに仕立てあげた。バートンの旅の回想シーンも興味深く、読み応えがある。謎解きも良く出来ているし、弁護士のエリンとのロマンスもいいアクセントになっている。
林 あゆ美
評価:AA+
本の蘊蓄も楽しめるミステリシリーズの3作目。元警官、現在は古書店主クリフが主人公で、今回は『バートン版千夜一夜』(ちくま文庫)で知られているバートン稀覯本をめぐってのミステリ。
バートンを翻訳家としか認識がなかったので、これほど多彩にあちこちの世界を旅して旅行記、探検記を書いていたことをはじめて知った。本来の筋である、本をめぐって起こる殺人事件も気になるところだが、不思議な方法で語られた当時のバートンの旅記録の章がすごくおもしろい。その章がはじまるp.273の冒頭は、目を引く工夫がされている。127年前のアメリカ西部の旅はのどかでいて、バートンが密命をおびているらしいミステリアスな部分に緊張する。この時の旅の記録――日記がこの物語のキーワードだ。本好きであれば、本のあれこれが語られているだけで、物語に親近感をもつが、この本はその楽しみプラス伝記を読んでみたくなる人物との出会いももたらしてくれた、感謝。
手島 洋
評価:B
おなじみの古書をめぐってのジェーンウェイ・シリーズ第三弾。今回は「千夜一夜物語」、「カーマ・スートラ」の翻訳、探検記などで知られるリチャード・バートンの本をめぐる物語なのだが、はっきり言って、本編の話はどうでもよかった。だって、バートンのエピソードがあまりにもおもしろいんだもの。正直、そのまま彼の話だけで一冊書いてもらいたいくらい。南北戦争直前のアメリカ南部の秘境とも言える陸路を旅するリチャードたち。客を殺し金品を奪おうとする老婆のいる宿に泊まったり、宿のきれいな娘とリチャードとの恋愛があったりと魅力的なエピソードにことかかない。なにより、何を考えているのかよく分からない天才リチャードと、彼を尊敬しながらも、すっかり振り回されてしまうチャーリーとのコンビが絶妙なのだ。もちろん、祖父(チャーリー)がバートンと交流をもっていたという謎の老婦人の言葉は本当なのか、事件の黒幕はいったい誰なのか、という本編のストーリーもよくできているし、最後まで読んで満足できるものになっている。そう納得しながらも、やり場のない不満が残ったのであった……。
山田 絵理
評価:B
古本屋の主人であり、元刑事であるクリフは、19世紀イギリスの文学者であり冒険家でもあるバートンが書いた稀覯本をオークションで手に入れ、一躍有名人に。その後、一人の老婆がクリフを訪ねてきて、その本は騙し取られた彼女の書庫の1冊であると主張した。彼女の祖父はバートンと親交を結んでおり、書庫はバートンが祖父宛に贈った本で、埋め尽くされていたという。クリフはその書庫を探しはじめるのだが……。
老婆が催眠術(!)をかけられて話し出す、幼い頃に祖父から聞かされた話がとても面白い。南北戦争勃発前の、バートンと祖父がアメリカ南部を旅行する話。汽車や馬車での旅。小さな宿屋での暖かいもてなしに、ロマンスの芽生え。悪徳宿屋の主人に、殺されそうになったことも。しかも、この旅行でバートンは南北戦争のきっかけを作ったのだというのだが。
1冊の古本が、こんなにもドラマを持っていることの驚き。この作品も、いくつものドラマが凝縮されている、贅沢なミステリーである。
吉田 崇
評価:C
一応、読みたい本リストというのをつけていて、その手帳を持ち歩いているのだが、年々それは増えてくばかりで、ちっとも消化出来ずにいる。このシリーズの第一作『死の蔵書』も、その内の一つで今回慌てて読んだ次第。ちなみに二作目は読んでる途中なので、この書評は、ちょっとインチキしてる気がして腰が引ける。
とは言え、この作品、単品で読んでも当然の様に面白い。元警官の古書店店主が、書籍にまつわる事件を解決するというストーリーなのだが、ストイックすぎないハードボイルドっぽさが渋い。僕のイメージする古書っていうのは、まさに古本で、ま、最近で言うとブック・オフ。そんなリーズナブルな僕だって、この本に出てくる様な稀覯本だの何万冊もの蔵書だのという言葉には、うっとりもするのだ。ある意味この主人公は、理想の生き方をしていると言える。
BGMにはBlde RunnerのLove Theme。下戸な僕にはウィスキー・ボンボン。ゆっくりと楽しみたい一冊です。