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ブラック・ヴィーナス
【河出書房新社】
アンジェラ・カーター
定価 1,680円(税込)
2004/12
ISBN-4309204058
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
朝山 実
評価:C
「あたしの名前なんて、なんの手がかりにもならないわよ」って女が答えていく「わが殺戮の聖女」は圧巻だ。数奇に思えるだろうけど、これは一人の体験じゃない。これこそ歴史の真実よって告発する力がこもっている。イングランドの貧しい家の娘は、ロンドンに出る。一斤のパンを盗んだところを目撃し、説教をしながら彼女を手篭めにしたのが最初の男だった。ありがちな転落をたどる彼女にとって、売春も泥棒も生きていく手立て。いろいろあって新世界アメリカに渡り、野蛮と恐れていたインディアンの一族と暮らし、彼女は初めて安心を手にする。しかし。騎兵隊が彼女を救いだす。白人の彼らの目には、彼女は穢れた女でしかない。めまぐるしい人生を生きていた女の独白だ。インディアンたちと打ち解けていく過程、彼らが皆殺しにされていく様を目にする場面。画が眼前にひろがり、これはズシン!とくる。もう一篇。保護された“狼少女”を見る男の子の目線で綴られた「ピーターと狼」も迫力の作品だが、ワタシごときには歯がたたない作品もあり一冊としては採点不能。
磯部 智子
評価:B
アンジェラ・カーター作品は、以前『ワイズ・チルドレン』を途中で放り出した事がある為、恐る恐る読み始める。とにかくお安い共感なんか一切寄せ付けない作家なのだ。とりつく島もないほどの大海原の真ん中に放り出される。これぞマジック・リアリズムなのか?幸い短編集なので先ず解りやすいほうから『キッチンチャイルド』はスフレのようなおとぎ話。(いつか萎む?)女料理人のシンデレラストーリーであり、その子供の父親捜しでもあるが、本来のおとぎ話=口承文学は下層階級の偏見であり夢でもあるという点をキッチリと胸元につきつけてくる。『ビーターと狼』の狼は、人間の狼少女。この少女の描写には、ピーターと一緒にどっきん、どっきんと心臓が音をたて、この異なる類の意識の前に言いようのない不安を覚える。それを少しだけ人間に近づけたのが『わが殺戮の聖女』だが、何れにせよどこまでも理解され集合化されることを嫌っているように感じてしまう。
三枝 貴代
評価:C
作者自選短編集。かなり好き嫌いがわかれると思います。ほとんどの人にとっては、とりつきにくいでしょう。
その第一の理由は、特異な文体。翻訳者が七転八倒していることが手に取るようにわかる文章です。わたしも乏しい語学力をふりしぼって、原文が韻を踏んでいるのか踏んでいないのか考え込んでしまったりすることがしばしばでした。
第二の理由は、描かれているモチーフです。ボードレールから梅毒をうつされて死んだ愛人、ポーの処女妻ヴァージニア、童謡に歌われた殺人者や、『真夏の夜の夢』のような古典、昔から伝統的に噂される狼に育てられた少女など、ある文化の共通理解を土台にして、その上に想像力の翼を広げる作品群だからです。読み手には、ヨーロッパの一定水準以上の人々と同程度の教養が要求されます。
幻想小説を読み慣れた方、欧米の有名古典を一通りは読んでいらっしゃる方におすすめします。
寺岡 理帆
評価:B
ごめんなさい。
ちょっと理解不能でした。
帯には「実話をもとに、文明や社会の禁忌を軽やかに越えて生きる女性たちの姿を豊かなイメージで描き出す。」とあるんだけれど、文章がまさにイメージの溢出という感じで、時系列も飛びまくってついていけなくなることもしばしば。もう文脈を理解しようとするのが精一杯で、その世界を愉しむ余裕がなかったみたい…。うーん、修行が足りないということか。中でちょっとハッピーな「キッチン・チャイルド」くらいが愉しめた短篇かな。
雰囲気は好きなんだけれど(苦笑)、理解できないんじゃ感想も書きようがない。これはいずれ要再読、です…。
福山 亜希
評価:C
2月にはいってから風邪をひいて寝込んでしまい、頭が朦朧とするなかで読んだこのブラック・ヴィーナス。朦朧とした頭が更に、迷路に迷い込んだようにふらふらになってしまった。風邪をひいていたからなのか、それとも元々こういう物語なのか。私にはブラック・ヴィーナスの粗筋さえつかむことが出来なかった。宮部みゆきさんの「日暮らし」が、頭の中にイメージしやすい、雰囲気のある物語であったのに対し、こちらブラック・ヴィーナスは季節感もなく、登場人物の顔も浮かび難い。さらには舞台がどこであるのかもさっぱり分からない、正に掴み所のない小説だった。ただ、物語全体に暗い影がただよっていて、胸の中にはいつまでもざわめきが残る。怖い話ではないのに、怖さを感じるのはなぜだろうか。あまりにも自由に描かれすぎた物語に、私はついていくことが出来ず、ただ不安になってしまったのかもしれない。