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航路
(上下)
【ヴィレッジブックス】
コニー・ウィリス
定価 各\998
2004/12
ISBN-4789724387
ISBN-4789724395
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
北嶋 美由紀
評価:AA
記憶、脳、臨死、好きなテーマばかりで期待して読んだ。期待以上だった!
まず、登場人物がみんな個性的で魅力的。災害おたくの少女はもちろん、実際身近にいたら迷惑そうな人まで、すべてイキイキと描かれ、存在感がある。中でも私が好きなのは、生と死の間にいるブライアリー先生の物静かな悲しみの描写だった。
そして、飽きの来ない展開。ジョアンナがまるで逃亡者のごとく会いたくない人達を避けて迷路のような大病院を駆け抜けるおもしろさは、こちらまで息が切れそうだし、次々と食べ物がでてくるリチャードの白衣も笑える。しかし、一転して静かさと悲しみへ。明るく、意欲的だっただけにジョアンナの突然の不幸に思わず「ウソ!」と叫びたくなり、リチャードの喪失感に同情して涙する。
そして、さらに生者と死者の世界とラストへ。
原題Passageにすべてが含まれるようだ。ジョアンナが記憶をだどるpassage(経過)ブライアリー先生の口からたびたび出るpassagae(引用節)、そして日本語タイトル航路は全体を象徴している。
長編にありがちな中だるみはなく、早い段階で死んでしまうグレッグの残す謎の言葉「五十八」も距離であったり、道路の名称であったりと何度か現れ、最後に感動の場面までが58章であったりする。
各章の「最後の言葉」の引用もおもしろく、すみからすみまで楽しめる作品だ
久保田 泉
評価:B
あ、厚い……。ぶ厚い文庫本が2冊。思わず読了できるか不安になったが帯にある、“宮部みゆきさん絶賛!瀬名秀明さん絶賛!”の推薦文を心の支えにして、勇気を出して読み始めた。物語は臨死体験という、誰もが多少は興味を持ち、しかしそれ自体は真偽のほども含めて、誰もがよくは知らないという壮大なテーマをドラマチックに、息もつかさず綴っていく。認知心理学者のジョアンナはERと小児科、臨死体験の聞き取りに忙しい日々。神経内科医のリチャードは、被験者の脳に臨死体験そっくりの幻覚を誘発する薬物を発見し、ジョアンナに協力を求め、実験を行う。被験者が不足し、自ら実験台になるジョアンナ。彼女が臨死体験で赴いた先は、彼女が知っているのに、でも思い出せないという場所だった。その場所が明らかになって、後半のジョアンナの臨死体験の場面は手に汗にぎる展開になっていく。
とにかく長い上に、伏線があちこちにはりめぐらされているので、正直一度読んだだけではどこまで理解出来たか自信がない。作者は、死と生という表裏一体の謎を作品を通して探求していく。各章の頭にある様々な人物の臨終の言葉も、興味深い。
林 あゆ美
評価:AA+
臨死体験をテーマにオーソドックスな科学研究をしようと、日々努力しているジョアンナと、臨死体験の原因と働きを科学的に解明しようとするリチャードが出会い、誰もが経験するわけではない特別なもの、その謎にせまっていくうちにわかってきたものは……。
読了後、すぐ再読しようかと思い、でももったいないので少し余韻を味わって、それからにしようと決めた。本に対する予備知識を何ももたずに、まっさらな気持ちで読んだ。これは臨死体験の本? タイタニック? 読み進めて疑問符が次々浮かぶたびに、物語がそれらをきれいに整え、ただひたすら『航路』の世界に気持ちを向かせた。長い話? いえいえ、足りないくらい。もっと書いてもいいくらい。ファンタジーやら魔法やら何でもいいから総動員して、この泣きそうになる熱いものを止めてほしいと思った。ラストは何て言っていいのかわかりません――。
章ごとに書かれている著名人の臨終の言葉も、深く深く残ります。
山田 絵理
評価:AA
上下巻とも約2.5cmの厚さで読むのに躊躇したが、映画を見ているようで一気に読みきった。だが見逃した箇所がたくさんあって、再読したくてたまらない。
臨死体験を科学的に証明したいと、体験者の聞き取りに奔走する認知心理学者のジョアンナ。彼女は神経内科医リチャードのプロジェクトに参加、自ら擬似的に臨死体験を引き起こす実験の被験者となった。そして彼女は大切な友人を救うために、自分の臨死体験の謎を必死に解き明かそうとする。
登場人物が素晴らしい。特に脇役陣。臨死体験を霊界が存在する証拠だと信じて疑わない作家のマンドレイクをはじめ、彼らはこちらが期待するような言動を取るから、真面目なテーマであるもののつい笑ってしまう。
本書には至る所に伏線が張られ、いくつもの通路(原題はpassage)がやがて一つに結びつくよう、舞台構成やストーリーが緻密に計算されている。どうぞ細部までじっくり読んで欲しい。そして誰か映画化してくれないだろうか。
吉田 崇
評価:C
実は、ヴィレッジブックスは最近のお気に入りだったりして、サンリオSF文庫みたいにならなきゃいいなと、案外心配性な自分にあきれたりもしてます。
で、この本、装丁もSFっぽくなく(というより、ハーレクイン・ロマンス?)、SFアレルギーの人にも違和感なく読んで頂ける一冊だと心からオススメします。現実逃避の代名詞の様に言われるSF小説ですが、その実、逃避度は恋愛小説の方がどう考えても高い訳で、ま、そんな話はおいといて、この作品、著者の小説的技術の高さに身をゆだねていれば、かなり分厚い2冊組にもかかわらず、あっという間に読了します。
個人的には、繰り返しのギャグが目につき、後半うるさく感じた事と、SF臭さが無いというのは、いわゆるSFマインドも薄いという事で、そこに喰い足りなさを感じてこの評価。
『ドゥームズデイ・ブック』の時も思ったのだが、ジャンル分け不要、面白い物語、次のマイクル・クライトン?っていう気がしてなりません。