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夜明けまで1マイル
【集英社文庫】
村山由佳
定価\500
2005/1
ISBN-4087477746
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
浅井 博美
評価:D
世の中には心地よい恥ずかしさといたたまれない恥ずかしさが存在するが、本書では典型的な後者的気分を味わうことになる。主人公であるところの涯君は都内の大学に通いつつ仲間とバンドに打ち込む好青年である。人妻の「マリコ先生」への切ない思いに胸を焦がし、「これが恋じゃないというなら、どこに恋なんてものがあるんだ」と本気で(←ここが重要)思ってしまったり、友人が失恋をすれば「昨日までの自分のお葬式」を本気で(←重要!)開いたり、「恋の送り火」なる儀式を本気で(←重要!!)執り行ってしまったりするのだ!!!本当に助けてください!自分の思春期の恥ずかしい思い出をほじくり出されて、必要以上に脚色され見たくもない寸劇にして繰り広げられているような何とも言えない甘酸っぱいではなく苦酸っぱいなんて言葉があればそれが一番適切な気持ちになる。また、登場する男の子達の話し言葉がもの凄く不自然なのだ。例えるならエロ小説に出てくる男に都合の良い美人秘書とでもいうのだろうか。著者の異性に対する理解がなされないまま、願望と理想のままに作り上げられた人物でしかない。読後は思わず肩で息をしてしまうこと請け合いである。
北嶋 美由紀
評価:A
「青春してます!」と高らかに歌い上げているような作品です。若者たちには共感を、若さから遠ざかってしまった人には昔の自分の一部に会えたような、そんなお話です。夜明け前が一番暗いのだからと今の苦しい時期を乗り越えようとしている若者たちは、それが一番良い時期であったのだとしみじみ思う時がやがて来ることをまだ知らない可愛いらしさがあります。一人はキープしたいような「駆け込み寺体質」の主人公が、友情、恋愛、才能そして不倫といろいろ悩む姿は好感がもてるし、自分を偽ってまで彼氏の好みに近づこうとするうさぎは女の子らしい。そして「幼なじみ」という言葉にこんな甘美な響きがあるものかと驚かされました。
日々何かに打ち込めて、自分を忘れるほど夢中になれる時が存在して、友人たちと連帯感を味わえる。もうこんな時はこない、むしろ不倫相手のセンセイの苦悩のほうが理解できてしまう年齢になってしまった私には、とてもなつかしく、さわやかな読後感を味わいました。
久保田 泉
評価:C
憧れのマリコ先生と深い仲になってしまった大学生の涯くん。本気で先生に恋している、問題はこれが不倫だという事だけ。もう1つ夢中になっているのは、バンド。そのリードボーカルのうさぎは、恋愛下手で涯の幼なじみという設定。しかし、この年で恋愛上手はそういるまい。何度も、幼なじみは恋の対象にはならない、と強調する涯くん。対象になるかならないか、読者はどちらの考えを取るかで、作品の楽しみ方が変わってくる。しかし、クールで美人のマリコ先生の夫婦関係はあまりにステレオタイプだ。青春小説の王道には欠かせないのだろうか……。
きっと、十代が読めばまた全然違った感想を持つだろう。不惑に足を踏み込んだ私には、いかんせんつっこみ所が多すぎた。帯の“誰かを好きになるって化学反応みたいなもの”歌の歌詞のようではありませんか。いや、感心してるんです、ホントです。ラストは、癒しのセラピーのようで、思わず泣いてしまった。35歳以上(根拠なし)は、自分の“枯れ”具合を判断する、リトマス試験紙として読むと良いと思う。
林 あゆ美
評価:C
たとえば、自分が大学生だったらと想像してみる。もしくは、単身赴任の夫がいて、まだ子どものいない自分を想定してみる。
この小説は、センスある魅力的な大学生の〈僕〉と知的でクールなマリコ先生との恋話。プラス〈僕〉が大事にしているバンド活動にからめての幼なじみや友人らとのやりとり話がミックスされたもの。10代の頃のひたむきさが誠実に描かれていて、10代ならではの優しさと頼りがいも丁寧になぞられている。
ふむ。子どもの本には、よく対象年齢が書かれているが、大人向けになるともうそんな年齢は書かれない。この小説にそれをつけるとしたら、やはり10代だろうか。20代前半くらいまででもいけるかな。もしそれがついていたら、より楽しい出会いをする読者がきっといるはず。泥臭さの上ずみがきれいに書かれていて、安心できるし、ちゃんと胸もきゅんとする。
手島 洋
評価:B
村山由佳を読むのは初めてだった。なぜか勝手に女性純文学作家というイメージを作っていたので作品の軽さに驚いた。といっても、決して悪口なわけではない。大学生の男の子を主人公にした実に嫌味のない青春物語。ストーリー展開ははっきりいって類型的だが、主人公、彼の幼馴染のボーイッシュな女の子、主人公と不倫の関係を持つ女性講師といった登場人物はなかなか魅力的。恋愛とバンドとバイトに明け暮れる日々。若いなあ、青春だなあ、でもこんな青春実際にはないよなあ、と思いながらも楽しんで読めた。
ただし、個人的にどうしても駄目だったのが、主人公たちがやっているバンドの音楽。その歌詞でロックというのはちょっときつい。作品のタイトルも歌詞に登場してくるのだが、うーん、と唸るしかなかった。どうして、いまだに日本の小説にはこういうロック・バンドが登場するのだろう。別にニック・ホーンビィみたいになってくれというわけではないのだが、音楽好きとしてはやっぱり気になるのだ。
山田 絵理
評価:A
学生時代の恋愛ってこんな感じだったなあ、と懐かしくなった。好きな人とのことが自分の生活の全てになってしまい、その日の授業全部をさぼってしまうこともあった。(でもなぜかバイトはさぼれないのだが)。
主人公の大学生「涯」の恋の話と、彼が幼なじみの「うさぎ」と組むバンドの話が展開する。涯が思いを寄せるのは、彼が通う大学の講師。しかも年上であり結婚している。だから涯は切なくて不安げな気持ちをいつも抱えている。
大人になっていこうとするその時分、学業は二の次にしつつ、サークルやバイト、恋愛に明け暮れた大学生活を送るのは、決して時間の無駄ではない。就職活動用の履歴書には書けないけれど、流した涙やため息が心の履歴書には刻まれてゆく。自分のことで悩み、将来のことで悩み、好きな人への思いに悩んでこそ、人の痛みのわかる幅のある大人になってゆくのだ。学生時代の、好きな人へのひたむきな気持ち、好きな事へのまっすぐな思いを思い出させてくれた本であった。
吉田 崇
評価:D
年上の女教師との関係なんて、設定だけで考えればポルノ小説。とは言え、新奇な題材なんていう物はブログの中に満ち溢れている訳で、小説家の方々は今では料理人のように、出尽くした食材を組み合わせて新しい一皿を供するしかない。新しい食材なんてのがあるのは時事小説だけだったりもして、そんな読み捨て本になどはなから目もかけない。ホント、お手並み拝見っていう感じの読者が増えているこの頃、作家の皆様のご苦労は想像を絶する物と思います。
で、この作品、すみません、評価は低いです。読んでて気恥ずかしくなるのです。若い人物達がまるで記号の様に物語の中をたゆたい、小洒落た台詞など話しているのですが、ぺらっとした感じ。ちょっと系統は違いますが、桜井亜美の作品に出てくる人物達もぺらっとはしてますが、一生懸命に物語の中で蠢いていて共感出来るのに比べて、こちらは考え方が変に大人で感情に夾雑物が混じっている気がして、共感出来ず。
主人公の兄の一言が印象的で、要約すると「奇跡の様に音楽はある」。読書も同じ事で、読み手と書物との間に生まれる感動とは、読み手の質にも左右されるのでしょう。つまり、もっと若い時に読んでいたら、楽しく読めたかもしれない、そんな気がしました。