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ドッグメン
【発行 柏艪舎
発売 星雲社】
ウィリアム・W・パトニー
定価 1,890円(税込)
2004/12
ISBN-4434052810
磯部 智子
評価:B
第二次世界大戦下、兵士と軍犬の友情を描いた感動のノンフィクヨン、帯のこの文句だけでじんわり涙が滲んでくる。読みきれるか?今までひたすら避け続けた動物がらみの話。
先ず著者が当時23歳の獣医師免許を持つ海兵隊員であることが、この物語を読み易くしている。「けなげで勇敢で忠実」な犬を、それ以上でも以下でもなく描いている。アメリカのグアム奪還に向けての軍用犬育成と実戦だから当然敵は日本だが、このことに関しても「残忍な征服者」を淡々と記述し、読み手にとっての背景の複雑さを感情的に煽ることはしていない。全ては四足の戦友、犬のために書かれた作品だと思う。著者は指揮官として、未だ10代の海兵隊員をドックハンドラーとして育て「ワン・マン・ドッグ」の組み合わせを作っていく。それが絆になり律儀に使命を果たす生き物を最前線に追いやるのだからやはり切ない話である。戦後、戦場にいた犬を薬殺処分から救う為、再訓練し社会復帰させるよう奔走する。長く獣医として働くことになる著者の姿勢が垣間見える。
小嶋 新一
評価:A
1万年以上も前から人間に寄り添ってきた犬が、戦争にまで駆り出されていたとは!この本を読むまで想像すらしたことがなかった。
太平洋戦争で米軍の一員として、部隊の先導や見張りを務めた軍用犬と、犬を扱う兵士(ドッグハンドラー)たちの記録。作者は実際に犬小隊を率いた指揮官だが、その仕事は「指揮」だけに終わらない。犬のケガや病気の手当てに駆け回ったり、逃げ出した犬の捜索で濁流の川に飲み込まれたり。他の部隊から「ドッグメン(犬屋)」とバカにされる犬小隊が、訓練を通して信頼を勝ち得ていく様には、胸がすく思いがした。
米本土での訓練を終え、部隊はグアム島に投入される。長い船旅、上陸、そして激しい戦闘。期待通りの活躍。手に汗を握ってしまう。また、犬たちが戦闘の中で次々倒れていくシーンは、涙なしでは読めなかった。
忠実に主人に尽くそうとする犬と、だからこそ犬を愛する人間の関係。戦場を舞台に、それらが鮮やかに浮かび上がる。決して感傷におぼれることなく、でも犬への愛情たっぷりな作者の筆致が、心地よい。
三枝 貴代
評価:B-
第二次世界大戦、太平洋での緒戦、米軍海兵隊で活躍した軍用犬とそのハンドラーたちとのノンフィクション。
軍は平時に多くの犬を飼育しておけるほどの経済的余裕はありませんから、これらの軍用犬は民間の飼い犬から急遽徴用されたものです。考えてみてください。あなた犬を飼っていたなら、戦争だからといって、手放せますか? 無理でしょう? 死ぬかもしれないのに。それなのに集めることのできた犬たちは、おそらく飼い主との間に絆がつくりきれていなかった孤独な犬なのだろうとわたしは思います。一方兵士の方も、陸海空の三軍よりはるかに死亡率の高い海兵隊にいるのです。米国社会でうまく受け入れられなかった者や、移民が多いでしょう。はぐれ者同士が戦場でであって助け合って働けば、友情の芽生えないはずがありません。しかしその友情は、一方の死、主に戦場で先に立って歩く犬の方の死で、唐突に終わるのです。
痛みを感じずに読めない物語です。
寺岡 理帆
評価:C
かなり興味をそそられたノンフィクション。
けれど読んでみると、うーん、なんというか。
結局著者の思い出語りの域を出ていないような気がする。ただ時系列に並べられた文章、いまひとつ魅力が描ききれていないような犬たち、そして隊員たち。もっともっとすごい作品に仕上がる余地があったように思うんだけれど。
著者がすべての自分の行動を肯定的に受け止めているために、ほとんど内省的な部分がないこともなんだか読んでいて入り込めなかった原因のひとつかな。犬たちを人間の戦争を有利に運ぶための道具として活用することについて、もっと葛藤があってしかるべきな気がするんだけれど。
もしかしてノンフィクションにこういう感動を求めるわたしのような読み手が間違っているのかも。ただ、感動を伴わない読み物ってどうしても忘れられやすいと思う。
うーん、なんだかわたしの方がちょっとドツボに嵌ってきてしまった…。
福山 亜希
評価:B-
我が家にも犬がいる。彼女とはもう十五年の付き合いで、れっきとした家族の一員だし、彼女の感情の起伏も、私には手にとるように分かる。つまり私たちは、犬と人間で見かけは随分違っているけど、お互いを分かり合えているのだ。
こんな私にとって、犬の物語は非常に苦手な分野である。それが涙を誘うようなものであれば、絶対に手にしないように心掛けている。フランダースの犬も、私は同じ理由で一度も見ていない。だから、ドッグメンを読み始めるのには相当勇気が必要だったし、随分時間がかかってしまった。人間と一緒になって第二次大戦を戦った犬たちの物語。表紙の絵と帯の文句からだけで、忠実な犬達の可愛そうな運命が充分漂ってくるからだ。
読み終えた感想としては、やはり犬の悲しい物語は苦手だ。人間との絆が強ければ強いほど、その悲しみが増すからだ。こんなに絆が深まった愛犬を、戦場に連れて行く主人の気持ちはどんなものだっただろうか。犬と主人の気持ちを想像するだけで、たまらない気持ちになる。