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神様からひと言
【光文社文庫】
荻原浩
定価 720円(税込)
2005/3
ISBN-4334738427
浅井 博美
評価:A
本書について何を書いても珍妙に聞こえてしまうのではないか、散々頭を悩ませた。「サラリーマンに元気をくれる小説」?「痛快なユーモア小説」?何かが違う。簡単な筋だけ説明するのなら、「リストラ寸前社員の吹き溜まりである、お客様相談室の駄目メンバーが各自の隠された能力を武器に、様々な難問を解決し成長していく」だ。こう書くとやはり陳腐極まりないのだが、そこらの暑苦しいサラリーマン漫画とは明らかに一線を画していることだけは声を大にして言いたい。誰も使命感なんて持っていない。下ネタ好きの競艇狂いに、敬語が話せないフィギアおたく。はたまた心的外傷のため失語症になった剣道部の巨漢など、彼らは独自の理論で生きているから会社の理屈に右ならえ出来ない。ただそれだけなのだ。まさに「鍋を出れば何の優劣もないおでんの具」にすぎない。軽妙な語り口で、第一級のユーモアと共に描かれているから、ただただおもしろくてぐんぐんページをめくってしまう。しかしそこには色々なものが潜んでいる。それらに気づいてしまったらもう駄目だ、降参です。わたしが「おでん屋」のくだりで泣いてしまったことは内緒にしておきたかったのだが…。
北嶋 美由紀
評価:B+
ホロにがさがほどよい、のどごしスッキリ小説。(へたなキャッチですが。)日本中どこにでもありそうな体質の中小企業。そこで不条理でむなしい仕事を強いられるサラリーマンの非生産的でハードな日々を笑いながら読んだ。私が勤めていた会社も含めてエライ人はどこも同じらしい。一つの会社というせまい所で完結していて、中には本当に自分が偉大だと勘違いなさるオジサマがいて、世間一般常識も通じないから始末が悪い。下っ端サラリーマンなら共感をもって読めるだろう。おでんのたとえは、こじつけのようで的を射ているし、他の比喩もその情景や表情がうかがえておもしろい。最後のスカッとする場面はできすぎの感があるが、これもフィクションのうまみのうちだろう。篠崎のキャラがよい。つかみどころのないおもしろさの陰に娘を失いたくない思いがにじみ、いい加減そうで実は自分の為すべきことをキチンとこなす。出世欲がら離脱した強みは心地よさを与えてくれる。
久保田 泉
評価:A
サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説!とあるが、いやいや一介のパート主婦も十分に元気を貰えました。主人公の佐倉凉平は、業界最大手の広告代理店からワケありで中堅メーカー珠川食品に転職する。物語は販売促進課の涼平が、新製品のネーミング案をまかされた、社内向けプレゼンの場から始まる。ここの場面が既に、“荻原浩”色が満載で、すごく笑える。面白さが半減だから書けないが、なにしろ珠川食品の主力商品は……。ああオカシイ!しかし、そこでもトラブルをおこした涼平は配置換えを命じられる。そこは島流し同然の、「総務部お客様相談室」。つまり、お客さまから持ち込まれる、様々なクレームに対応し……と実態はそんな高尚でなく、ほとんどイチャモンに近い苦情のもみ消しが仕事。この課の個性溢れるメンバー、意外に深い仕事、いいかげんな会社、同棲相手のリンコ、それらが絡み合い、気が付けば、笑って泣いた後、ぐっと背筋が伸びる様な気分になる。人生を肯定したくなる、いい小説です!
林 あゆ美
評価:C
製造番号TF01LLの決済会議がはじまる。企画者と専務が意見の相違を見せ、会議が難航しそうな様子から物語ははじまる。企画者が決して商品名をいわずに製造番号をよぶことに固執しているなか、専務はあっさり商品名を連呼。商品名が好きではない企画担当者の頬が紅潮していく描写はリアリティにあふれ思わず同情してしまった。いったい、どんな話なの? と冒頭の引き込みは上々。
筋は、再就職した食品会社で、主人公はトラブルを起こし、「お客様相談室」に異動させられる。毎日毎日たっくさんの苦情電話がかかってくる「お客様相談室」で働く悲喜こもごもがどっさり書かれて、自分だけが苦しいわけじゃないんだとエールをもらった気分になってしまう不思議さ。会社員生活の光と影、もちろんプライベートも大変な主人公をどうぞみてみてください。
山田 絵理
評価:A
ストーリーが文句なしに面白い!ドラマのように上手くいきすぎだけど、この痛快な話の流れは文句無し!今の職場がいまいちだなーと思っているから、なおさらそう感じるのかもしれない……
転職した食品会社でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と呼ばれるお客様相談室に異動になった27歳の佐倉凉平。すぐに辞めてやると思いながらも、クレーム処理に日々奔走する毎日。お客様相談室の奇特でおかしな面々が、それぞれのやり方でクレームに対応する様は、実際に役に立つんじゃないかと思うほどだ。一人よがりで傲慢だった彼が、自分の目で冷静に会社という組織や働くことについて考えるようになっていく。同世代としてつい彼に肩入れしたくなってしまう。
とくに会社組織をおでん鍋に、社員をおでん種に例える部分がいい。−社内でどんなに地位争いをしても、しょせんは狭い鍋の中で煮込まれている具に過ぎない−「職場をおでん鍋に例えたら、現在の私は何の具かな、上司にぴったりな具は何?」と早速考えてしまった。
吉田 崇
評価:C
就職活動など経験した事もないガテンな僕は、だからきっと帯の惹句を読んだだけでこの本とは出会わなかっただろうと思う。『全国のサラリーマンのみなさん−神様は、あなたのすぐそばにいる。』 騙されてはいけない。この本は(悪い意味の)サラリーマンになりきれていない、まだまだ人生に対して諦念を持つ事の出来ない全ての人の為に書かれたものだ。
筋立てはオーソドックスで、展開もある程度読めて、キャラクターの設定もさほど個性的とは思えない。それでも、この本、かなり面白いのだ。奇をてらわない語り口は節度あるユーモアを醸し出し、著者の技術的なバランス感覚を強く感じる。かなりしたたかな作家だ、と読みたい本リストに書き加える。