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レッド・ライト(上下)
【講談社文庫】
T・J・パーカー
定価 各650円(税込)
2005/2
ISBN-4062750007
ISBN-4062750015
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
浅井 博美
評価:A
こんなに気の合いそうな刑事に出会ったのは初めてかもしれない。マーシ・レイボーン36歳。冷静沈着で堅物、不美人ではないが、愛想はない。「わたしの男」と称するのは同じ刑事の同僚の恋人マイクではなく、彼女の父と、死んだ恋人との間に生まれた息子。息子の父の死がトラウマになっているらしく、恋人にも心を開けないでいる。そんな時に起こった19歳のコールガール殺人事件。なんと容疑者に挙がったのが恋人のマイクだった。どう見てもマイクに執着していたとは思えないマーシの心が乱れていくのが、傍目から見ているとかわいらしい。マイクに思いを寄せていたらしい美しい娼婦に自分でも気づかないうちに嫉妬し、彼女の所有していた「細身の赤いレザーのドレス」を思わず試着してしまうくだりが最高だ。その結果「ちっとも魅力的に見えない。ー細身のドレスに泣きたい思いで身体を押し込んだ大女。」と自嘲する。完全無欠の鉄の女にしか見えないマーシの人間らしさがちらっちらっと見え隠れするのが何とも良い。「出会ってすぐ好感を抱くというわけにはいかないが、一度好きになると熱烈なファンになってしまう(解説より)」とは何とも言い得て妙である。
北嶋 美由紀
評価:C+
恋人の刑事が殺人犯?──本の帯にも書かれ、状況も不利で、証拠も次々出てくる。となれば、きっと彼は無実で何者かにはめられたと推測せざるを得ない。さらに偶然のごとく割り振られた1969年の未解決殺人事件。被害者が売春婦という共通項でくくられる2つの事件が、やがて関連してくるであろうことは容易にわかる。予想通りに話は進み、やはりの展開と結末。読み始めからおおよその筋が読めてしまう内容だが、主人公の個性がこれをカバーしている。マーシはとても強い女性だ。40歳、50歳そして58歳のゴールと、きちんと目標を定めた出世欲、そのための根回しも怠らず、イザとなれば女の武器を使うことすら惜しまない。しかし、被害者の高級レザードレスを身に着けてポーズをとる女らしさ(?)も併せ持ち、二人の男性への愛情に心が揺れ、愛と職務の間で苦悩する。主要な登場人物はそれぞれに心の傷をもっており、作品全体に漂う雰囲気は夜の海のようだ。1969年の事件のバーチ協会などの時代背景がよくのみこめなかったのが残念。(一応調べたが、わからずじまいだった。)
久保田 泉
評価:A
主人公は、オレンジ・カウンティ保安官事務所刑事部殺人課の巡査部長マーシ・レイボーン。マーシはまだ小さい一人息子を育てながら父親と三人で暮らす、強いけれど繊細な所もある女性だ。交際中の同僚マイク・マイナリーにプロポーズされながら、受け入れられない。二年前に、息子の父親であり仕事上のパートナーでもあったティムを失った辛さから脱却出来ないでいるからだ。そんなある日、高級コールガールが自宅で射殺される事件が起こり、なんと犯人として浮かんだのはマイクだった。同時にマーシは1969年に起きた未解決の、同じく高級コールガール殺害事件を担当する事となり、恋人への疑惑を抱えながら二つの事件の解決に奔走する。男勝りでクールなマーシが、恋人の裏切りに傷つき葛藤する姿がいい。男に過剰な期待などしないが、ラストシーンのマーシを囲む男たちへの視線は優しい。マーシは私と同い年の1965年生まれ。母として人間として成長した、この歳にならないと持てない男性観だな、と納得。次回作でまた会いたい、強くて哀しい魅力あるヒロインだ。
林 あゆ美
評価:C
主人公、マーシ・レイボーンは刑事部殺人課巡査部長。シングル・マザーのマーシには、プロポーズをしてくれる同僚がいるが、なかなかイエスと言えない。6歳の子どもも彼になついているのだけれど、マーシには、まだ子どもの父親であるティム・ヘス──やはり同じ仕事をしていた刑事──の事が忘れられず(ちなみに彼は亡くなっている)、同僚のマイクの元に飛び込めないのだ。そんな時、マーシの担当した事件の容疑者に、マイクが浮かぶ。マーシはどう対処していくのか……。
マーシも含め、登場人物それぞれが複雑な背景をかかえて、キャラクターに陰影をだしている。事件の犯人を見つけるという正義も、ただそれだけをまっすぐ描くのではなく、複雑に入り組んだ事情をほぐしていく様は読みごたえあり、ページを繰る手が早くなる。しかし、これだけタフでがんばっているマーシの相手としてのマイクに魅力がもう少しあればなぁと、読者としてリクエストをつけたくなる。いや、だからプロポーズにイエスと言えなかったのかと納得もするのだけど。
手島 洋
評価:B
女性刑事マーシ・レイボーンが登場するシリーズ第2弾。19歳の娼婦が殺害された。容疑者として浮かんだのは彼女の恋人で同僚のマイクだった。困惑するマーシは同時に担当していた1969年の娼婦殺人事件に大きな謎が隠されていることを知る……。30年という時を隔てた、ふたつの事件の絡み方がよくできているし、刑事という仕事に忠実であればあろうとするほど恋人を裏切ることになるマーシの葛藤もよく描かれている。しかし、よくできているのだが物足りない。どの要素も、あまりにも典型的で新鮮味がないし、取り上げ方に深みが感じられない。正義であるべき警察に暗部が隠されていた、といわれていまさら驚く読者がいるだろうか。マーシに「正義を守るべきか」などというところで最後に葛藤させるのは安易過ぎる。それでも、かつて最愛の人を殺してしまったマーシの葛藤。ひとりになると急に恐怖に押しつぶされそうになる描写など、精神的に負を抱える自分をギリギリのところで抑える心理描写は見事だ。容疑者に高飛車な態度で接する彼女とは知り合いにはなりたくないが。
吉田 崇
評価:C
毎度毎度の不勉強、シリーズ二作目というこの作品、前作を呼んでないので自信はないのだが、主人公マーシの性格は、今回やたらといじいじしてるのではないか?
登場人物に複雑な性格設定のなされた小説は高尚という、単純馬鹿の僕には憧れめいた確信があって、そう言う訳でこの作品、高尚な警察小説。で、好きかと聞かれると、どっちかというと嫌いと声にする。やっぱりなんだか、スカッとしないのだ。
三人称で書かれたこの小説、主人公の内面も細かく描写される。多分、必要十分な量なのだと思うが、そこが、うざいのだ。どんなに辛く悲しくとも、主人公たるもの、全然平気な顔をして、ばりばり動いてくれよ、悩んだり立ち止まったりするほど、枚数に余裕はない。
ちまたに溢れるユーモア系に食傷気味の方にはオススメ。もちろん、お値段分は楽しめます。