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越境者たち(上下)
【集英社文庫】
森巣博
定価 上)660円(税込)
下)650円
2005/3
ISBN-4087477991
ISBN-4087478009
北嶋 美由紀
評価:D
不思議な感じのする小説だった。「ファクション」という手法だそうだが、ギャンブル小説であり、論文のようでもあり、どこまでがフィクションでどこからがノンフィクションなのかよくわからない。奇妙ではあるが、読みにくさはない。ただ、話題があちこちへ分散して、単体として楽しめる部分(たとえばマイキーの人生)も所々あるのだが、一貫した話としては読む側の焦点が定まらない。説明が持論となり、主張となり、自信に満ちた態度でバッサバッサと世の中を斬ってゆくのはよいが、文章上で個人あるいは読者の一部に議論をふっかけてくるのは快いものではない。古今東西の時事問題を説く理屈っぽさにもやや閉口。「なによ、エラそ〜に!」と叫びたくなる二歩手前ぐらいか。
作者は情報ツウでもあり、ギャンブルに関しては博識で自信家だ。「したいことだけをする。したくないことはしない。」(下巻P.173) まことにうらやましい限りの人生だ。
久保田 泉
評価:A
また舞台はカシノだ。しかしこちらは、事実と作り話を合わせた、著者が言うところの、ファクション(ファクト+フィクション)の話だ。正直、賭博は好きではない。ギャンブル系はパチンコに至るまで興味がない。だが、これが小説やエッセイの題材となると、読まずにはいられない麻薬的な魅力があるのを、認めざるをえない。本著も想像以上の強烈な悪魔的な魅力を持ったファクションだった。森氏の本はもちろん初読だが、この著者自身も相当謎めいている、というよりこの道に疎い私には、本当にギャンブルで生計たててる人間なんているんだ〜と驚いてしまう。しかも国際的。物語は、カシノを舞台にマイキーというヴェトナム系オーストラリア人を軸にして、ギリギリの修羅場のエピソードを、著者の鋭利で時にほっと人間臭く、ユーモアもある視点で描いていく。遠い世界のようなカシノも、今、自分が生きている当たり前の世界と繋がっているのだと思った。どの世界にも生きているのは人間だった。読後、そんな事をふと感じた。
林 あゆ美
評価:B
ギャンブル「小説」。とあるが最初の数章までは小説なのか、回想録なのか、文体に特徴がありすぎて読み進むのがしんどかった。オーストラリアを拠点として、世界中の賭場を攻める国際博奕打ち兼作家である著者が、「事実=ファクト」と「作り話=フィクション」と合体させた「ファクション」という手法で書いたもの。強烈な人物マイキーという名のヴェトナム系オーストラリア人の物語が展開されている。ドンパチたっぷり、ギャンブルたっぷり、濃密な賭場で出会ったマイキーと著者と思われるヒロシさんのやりとりは、生き抜くこと、それにつきる。ギャンブルをやったことがなくても、物語の中で臨場感を味わい、手に汗をにぎってしまう、いや、ほんとに。
エピローグの壮絶さに、読了してすごく疲れました。でも、ついつい数回読み直し、ため息を何回もつき、読んでいないつれあいに、そのすごさを語ってしまう力がある物語、すごい小説です。
吉田 崇
評価:B
始めはノンフィクションかと思ったのだ。新聞すら読まない、「小説は事実よりももっと真実」をモットーにその日その日を暮らしている僕としては、出だしで躓いた。躓いて、とっとっとっと読み進むうち、ぐいぐい物語に引き寄せられていく。今月のナンバー1です、これ。
こんな人々の生きる世界があるんだなぁ、というのが最初の感想。阿佐田哲也『麻雀放浪記』を読んだ時にも感じた事だけれど、今回それはさらにパワーアップ。時折混じる、著者の哲学的考察も、賛否はとりあえずおくとして、楽しく読ませてもらえる。文間から漂ってくる力強さは、ひ弱な文学青年上がりの書く言葉からは決して生まれてこないだろう。
真にマッチョなエンタテインメント、必読!